はなみずき司法書士事務所
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7月 24 2019

再度の時効間際での訴訟提起後の債権者の対応

以前,時効債権に関する記事を書きました。
→ 時効債権への対応
 

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その中で,すでに訴訟を起こされて判決を取られている場合について記載しており,すでに判決を取られていたとしても債権者が回収できていないケースが多く,交渉によって元金+αで解決できることが多い旨を記載しておりました。
 

そもそも,一般的な貸金業者の貸金債権は5年で時効になります(商法522条)ので,5年間返済しなければ時効によって消滅するのが原則です(ただし,個人事業主ではない普通の個人の方が債務者である場合の住宅金融支援機構や信用金庫からの借り入れについては10年です。)。
 

しかしながら,時効になる前に訴えを提起され判決を取られてしまうと,判決確定の時から10年が経過しないと時効になりません民法174条の2)。逆に言えば,仮に判決を取られていても,さらに10年経過していれば時効の援用によって借金が消滅することになり,このようなケースは当事務所でも少なくありません。そして,長年回収できていない方から回収するのは難しく,再度の時効が完成する前に交渉しても,元金が回収できる内容であれば多くの債権者が和解してくれます。
 

ところが先日,すでに判決を取られているものの,そこからさらに10年近く経過した時点で再度訴訟を提起されたケースがありました。ここまで債権管理が徹底している債権者は珍しいことから厳しい対応が予想され,私が代理人として交渉を行ったものの,元金+αでの解決は不可能であり,ほぼ満額(遅延損害金を含むと元金の3倍以上)でないと和解できないとの回答でした。
 

正直なところ,依頼者にそのような大金や換価できるような財産はなく,債権者は勤務先を把握していないので給与を差押えられる可能性も極めて低い状況であり,債権者はどのようなゴールを考えているのかよくわかりませんでした。
 

ということで,裁判自体には勝てる要素はまったくないので,従前と同様に請求を認める判決が出ているものの差押えをされるわけでもなく,従前と何も変わらない生活が続いています。

こうなると,あとは自己破産をするか,改めて10年経過するのを待つかになりますが,恐らくいつまで経っても回収はできないと思いますので,また折を見て定期的に交渉をし続けるしかないと思います。

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12月 27 2018

年末年始の業務について

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12月28日の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。

当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,原則として1/4に回答させていただきます。 
 

 

平成29年12月28日18時まで 通常業務
 
 

 

平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み
 
 

 

平成30年1月4日午前9時から 通常業務
 
 

 

それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>

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12月 06 2018

時効債権への対応

なぜだかわかりませんが,最近また任意整理や過払金の返還請求に関するご依頼が多くなってきていますが,そんな中でもやはり時効債権のご相談があります。
 

時効債権とは,すでに消滅時効の期間が経過しているため,債務者側が「時効の援用」を行えば,借金が無くなるような債権です。ただ,そのようなことをご存知ないことも多く,法律知識の無知に乗じて訴訟を提起し,回収を迫ってきます。これが消費者金融やサービサー(債権回収会社)であればまだわからないでもないですが,弁護士さんが代理人となって請求してきますので,注意が必要です。 

今回は,その時効債権への対応について,段階に応じてまとめたいと思います。 

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①督促状が送られてきている段階

 

上記にも記載のとおり,時効期間(通常であれば5年間)が経過していれば,債権者に対して「消滅時効を援用する」旨の通知を送ればそれで終了です。
 

ただし,本当に時効期間が経過しているかどうかを調査してみなければわかりませんので,弁護士や司法書士がご依頼をお受けした場合はいきなり消滅時効の援用をするのではなく,取引履歴の開示請求を行い,間違いなく時効期間が経過していることを確認してから通知を送ります。
 

なお,判決を取られているような場合は,判決が確定してから10年間は時効期間が伸びますので,逆にこちらの住所などを把握されて強制執行を受ける可能性がありますので,専門家に依頼せず(事前の調査をせず)に通知を送る場合は注意が必要です。 
 

②支払督促を起こされている場合

 

過去の記事にも記載がありますが,支払督促の申立てがされている場合,放置してしまうと大変なことになりますので,必ず異議を出してください。
 

場合によっては,この時点で支払督促が取り下げられる可能性がありますが,それだと何も解決していませんので,別途和解するか,上記のとおり時効の援用通知を送る必要があります。 
 

③訴訟を起こされている場合(支払督促に異議を出して訴訟に移行した場合を含む)

 

この場合は,答弁書や準備書面で時効を援用する旨を主張していただければ,別途,時効援用の通知を送る必要はありません。
 

このまま判決に行けば解決すると思いますが,上記のとおり,訴訟が取り下げられる場合があります。この場合,時効の主張も無かったことになりますので,別途和解するか,時効援用通知を送る必要があります。
 

先週も,時効債権に関する訴訟について被告代理人として時効の援用を準備書面で主張したところ,事前の話し合いもなく訴訟が取下書が提出されました。このままだと解決にならないので取下げに対する異議申立書を提出する準備をしていたのですが,その後に債務不存在証明書が送られてきたので,取下げに同意して訴訟は終了となりました。 
 

④すでに訴訟を起こされて判決が出て確定している場合

 

支払督促が確定している場合は,以前の記事に記載のとおり,既判力がないため戦えるのですが,判決を取られている場合に覆すのは非常に困難です。
 

この場合は,残念ですが時効の援用ができないため,債権者と和解交渉をして解決することになります。
 

先日ご依頼いただいた件も,数年前に訴訟を提起された時点では時効の援用が出来たのですが,裁判所から書類が届いていたものの出廷せずそのまま敗訴判決が出されてしまい,確定していました。
 

法的には元金の数倍にも膨れ上がった利息も含めて全額の支払義務があるのですが,債務者の状況や債権者のスタンスによっては十分解決できます。実際に,元金の3倍以上の利息が付いていたものでも,元金+数万円という判決で認められた金額の3割程度の金額を一括で支払うことで和解ができておりますので,判決を取られている場合でもどうにもならないわけではありません。
 

ということで,状況に応じて記載しましたが,どのような方でもいきなり訴訟を提起されるのではなく,①の督促状から始まりますので,その時点で早急に対応いただいた方が確実に戦えると思います。

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4月 26 2018

諸費用ローンを含んだ住宅ローン特則(個人再生)

個人再生手続を選択する大きな理由の一つに「住宅ローンを支払い続けることで家を手放さないで大きく負債を軽減できる」ということがあります。 

自己破産の場合,借り入れ自体は免責許可が出れば無くなりますが,家を含む大きな財産については原則として手放さなければなりません。もし,自己破産をしても当該家に住み続けたいということであれば,親族等の第三者に買い取ってもらって,その親族から借りて住むなど,自己破産手続とは別に何らかの方法を考える必要があります。
 

一方,住宅ローン以外の債権者については任意整理をして分割で返済するという方法も考えられますが,他の借り入れが減ることは少なくなってきているのであまり状況が変わりません
 

この点,個人再生であれば,基本的には住宅ローンはこれまでどおり支払い続ける必要がありますが,他の借り入れについては最大で8割カットしてもらえますので大きく負債を軽減できることになります。もっとも,住宅ローンといっても様々な状況があり,場合によっては使えない場合もあるため,今回はこの点についてまとめたいと思います。
 

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住宅ローン特則

 

いわゆる住宅ローン特則は,正式には「住宅資金特別条項」というもので,本来であれば個人再生手続きの開始に伴い,住宅ローンの返済が禁止され,最終的には住宅ローン債権者が競売等を行うことで自宅を手放さなければならいことになるのですが,この条項を含んだ再生計画案が認められると,他の債権のように最大8割カットとはならないどころか1円も減りませんが,住宅ローンを支払い続けることで自宅を手放さなくても良いこととなります
 

自宅を守りたい方にとっては,とても有用な手続となります。 
 

住宅ローン特則を使うための条件

住宅ローンであっても,実は必ずしもこの特則が使える訳ではなく,以下の条件を満たす必要があります。
 

1 住宅であること
 

住宅ローンというものである以上,申立てをする方が居住するための「住宅」でなければなりません。

「居住」に関しては,単身赴任や転勤などで一時的に当該住宅に住んでいない場合でも大丈夫ですが,当初から住まない予定の家族のための住宅や,純粋な投資用不動産等は該当しません。

「住宅」に関しては,一部(床面積の半分以下)が住宅ではない店舗や事務所であっても大丈夫です。
 

2 再生債務者所有であること
 

個人再生を申し立てる方の所有でなければなりませんが,単独所有ではなく,夫婦共有や親子で共有などでも構いません
 

3 借り入れが住宅ローンであること
 

住宅ローンとは,住宅の建設・購入のために必要な資金や住宅の改良に必要な資金であり,分割払いとなっているものを指します。

したがって,事業用の借り入れなどで自宅に担保が設定されている場合,住宅ローンではないためこの特則は使えないことになります。
 

4 自宅に住宅ローン以外の担保権が設定されていないこと
 

住宅ローンを組むと,まず間違いなく自宅に抵当権が設定されます。住宅ローン特則を使うことで,この抵当権の実行(競売)がされることがなくなりますので,自宅を手放さなくても良いこととなります。

しかし,住宅ローンの抵当権に加えて,事業用の借り入れなど住宅ローン以外の担保権が設定されていると,上記3のとおりこのような債権には住宅ローン特則の効力が及ばないため,抵当権の実行を防ぐことができません。したがって,自宅に住宅ローン以外の担保権が設定されている場合は住宅ローン特則が使えないということになります。

このような場合には,親族などに依頼して,住宅ローン以外の抵当権に関する債務について第三者弁済をしてもらって担保権を抹消してから個人再生の申立てをすることとなりますが,なかなか第三者弁済をしていただけるような方は多くないので,残念ですが手放さなければならない可能性が高いです。

他にも,保証会社が代位弁済して6か月経過していないことなど,他の要件もありますがここでは省略します。 
 

諸費用ローン

 

住宅を購入する際に,住宅本体(建物及び土地)の購入に加えて,外構の工事費用,テレビやエアコンなどの家電の購入費用,登記費用や仲介手数料などの住宅取得に関する費用,税金の支払いや保険の支払いなど結構お金がかかりますので,この点についてのローンを組むことがあります。

人によって呼称はや内容は変わりますが,一般的には上記のような住宅本体以外のローンのことを諸費用ローンと呼んでいます。

諸費用ローンの特徴としては,通常は住宅本体の取得に関する住宅ローンと比べて借入利率が高く金額が比較的少額(100~300万円程度),住宅ローン減税の対象にならないものであり,銀行によっては諸費用ローン単独で抵当権を設定することがあります(無担保のケースもあります。)。

上記のとおり,住宅ローン特則は住宅ローンにしか効力が及ばす事業用の借り入れなどには及びません。とすると,もし諸費用ローンが住宅ローンではないと判断されてしまうと,「住宅ローン以外の担保権が設定されている」ということになり,住宅ローン特則が使えないことになります

この点,各裁判所によって取り扱いが異なると思われるため確実な情報ではありませんが,先日諸費用ローンを含んだ住宅ローン特則が無事認可されましたので,ここで得た情報を記載いたします。
 

1 住宅の取得に密接なものであれば大丈夫
 

今回の手続においては,諸費用ローンの使途は,登記費用,住宅ローンの保証料,不動産業者の仲介手数料であり,住宅ローンを組んで住宅を購入する際には必ずかかる費用となります。

今回の手続では入っていませんでしたが,カーポートやガーデニング的な外構の費用は必ずしも必要とは言い難いため微妙かと思いますが,斜面に建てる際の擁壁の費用などは認められるのではないかと思います。また,テレビやエアコン等の家具の購入については,住宅取得と密接とは言えないので比較的難しいように思います。
 

2 疎明方法
 

諸費用ローンの使途が上記のような登記費用等のみであることを裁判所に説明しなければなりません。

通常,銀行との間の契約書には,「諸費用」としか書いておらず,具体的な使途が書いていないため,契約書だけでは説明ができません。そこで,金融機関の担当者から具体的な使途について聴取する必要があります。

今回の手続においては,サービサーが受託しており,サービサーの担当者から金融機関の担当者に問い合わせてもらって聴取したものを書面にして提出いたしました。
 
 

ということで,諸費用ローンについては,やはり名目だけではなく実態を調査する必要があります。今回はたまたまサービサーの方が協力的であったため問題なく進めることができましたが,金融機関の方が非協力的だと頓挫することにもなりかねません。もっとも,金融機関側の立場においても協力することがメリットである(住宅ローン特則が認められないと,個人再生を諦めて破産することになるため,結果的に全額の回収は極めて困難となる。)ことが多いため,この点を説明すれば概ね協力してもらえると思います。

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4月 06 2018

日本保証の代理人弁護士等からの督促状について

株式会社日本保証という会社があります。
 

もともとは,商工ローンの大手であった商工ファンド(SFCG)と双璧を成す「日栄」という会社であり,20年近く前に「腎臓売れ」などといって取立てを行うなど社会問題にもなった会社です。
 

この社会問題を受けて,社名を日栄からロプロに変え,その後合併や商号変更を行い,現在の株式会社日本保証という会社になりました。
 

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武富士の承継会社

 

さて,この日本保証は,純粋に日栄だった会社が今に至るのではなく,いくつもの会社の事業を合併や事業譲渡により承継しており,過去に日栄と取引が無かった方の債権についても,いつの間にか日本保証が債権者になっているというケースがあります。その中でも一番多いのが武富士ではないかと思います。
 

武富士は,膨大に膨れ上がった過払金の返還に耐え切れず,平成22年に会社更生の申立てをして倒産いたしました。
これにより,武富士に対して過払金を請求できる方の債権は大部分が消滅してしまいましたが,武富士に対して借り入れが残る方については,会社更生手続きによって何ら影響を受けることはありません。したがって,武富士に対しては,残っている借入金については返済する必要がありました
 

上記のとおり平成22年に武富士は会社更生手続きを行っているため,当然ながらそれ以降に新たな貸し付けはされておりません。とすると,会社更生時点で武富士に対して借り入れが残っていた方については,現時点ですでに8年も経っていますのですでに完済している方がほとんどかと思います。 
 

弁護士法人等からの督促状

 

上記のとおり,多くの方が完済していると思われますが,平成30年の現在になっても武富士を承継した日本保証から督促状が届く方がいらっしゃいます。しかも,日本保証からではなく代理人である弁護士法人(弁護士法人引田法律事務所)や日本保証のNH事務センターから届きます。一般的に,弁護士さんから書類が届くと驚いてしまいますし,法的手続を執る旨の記載があったりますので,督促状に記載された金額を支払ってしまうケースもあります。
 

武富士が会社更生を行ってからすでに8年が経過していますので,その大部分の債権は消滅時効が完成していると思われます(最終の約定返済日から5年が経過していれば時効が完成します。)。もっとも,武富士時代に貸金請求の裁判や支払督促などを受けている場合にはその手続の確定のときから10年に時効期間が伸びますので,極々稀に時効が完成していない方もいらっしゃいます。
 

したがいまして,日本保証の代理人弁護士法人や事務センターから督促状が届いたときには,まずは当該弁護士法人等に対して取引履歴及び裁判等の支払手続きを行っていたかどうかの確認をしてください。多くのケースで時効が完成しているかと思われますので,その後,時効を援用する内容証明郵便を送付していただければ解決となります。
 

下記のケースでは,最終の約定返済日が平成13年の日付となっており,かつ,裁判等を起こされてもいませんでしたので,消滅時効の援用通知を送付して終了となりました。

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したがって,

例え,弁護士さんからの督促状だったとしても払う必要がないものがある!

ということになります。法律の専門家であう弁護士さんから督促状が届けば払わなければならないような気がしてしまいますが,実際には払わなくて良いこともありますので安易に支払わないようにしてください。

ただし,万が一判決等を取られており時効が完成していない場合は,分割で支払う交渉を行う必要があります。すでに判決など取られている場合,相手は弁護士法人ですので,脅しではなく本当に差し押さえなどを行ってくる可能性があります。無視をしていても解決する可能性は高く無いため,もしお手元に上記のような書類が届きましたら,お近くの弁護士や司法書士にご相談ください。
 

最後に,上記一連の手続については,当事務所でも行うことが可能です。この場合,通常の任意整理と同じ手続となりますので,時効の完成に関係なく,当事務所の報酬は3万円(+消費税)と内容証明郵便等の郵送料実費(2000円程度)となります。

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