はなみずき司法書士事務所
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9月 04 2014

整理屋が過払金持ち逃げか

9:35 am お知らせ

先日,弁護士や司法書士が過払金を回収したにもかかわらず返還していないという記事をご紹介いたしました。

過払金の着服など 

今回ご紹介する記事も,基本的には同じような内容の記事なんですが,切り口が「整理屋」になっているのでこれについて書いてみたいと思います。

過払い金、困窮した「整理屋」が持ち逃げ? トラブル急増の恐れ(産経新聞) 
 

整理屋とは



そもそも整理屋とは何かですが,端的に言えば,「弁護士や司法書士などの資格が無いにも関わらず,借金の整理を手伝って報酬をもらっている人」です。基本的に個人の方が行う債務整理というものは,債権者と交渉をする「任意整理」,「特定調停」と裁判所の強制的な力で借金を減免する「自己破産」,「個人再生」があり,場合によってはその手続の中で「過払い請求」を行うこともあります。前段の交渉にしても後段の裁判所にお願いする方法にしても,弁護士または司法書士しか関与することができませんので,その他の方が債務整理を手伝って報酬ももらうと弁護士法違反などにより刑事罰の対象となります。
 

したがって,そのような整理屋が手伝うこと自体が違法なのですが,さらに,いわゆる「取り込み詐欺」をさせたり「住宅ローン詐欺」などをさせることによって,不当に利益を得ているような整理屋もいるようです。
 

また,整理屋も摘発されないように知恵を働かせ,弁護士や司法書士を組織に取り込み,少なくとも表面上は合法に債務整理を進めるようなケースもあります。
 

先日,東京の弁護士が起訴されましたが,これも実質は整理屋が運営しているということで,いわば名義貸しをしていたのが理由です。

ニュース

ということで,言葉が正しいかどうかはわかりませんが,最近は「フリー」の整理屋ではなく,上記のような弁護士等の看板を隠れ蓑にした整理屋が多いようです。 
 

私の周りでは



私や私の知人の司法書士は当然整理屋と提携などしていないんですが,それどころかそのような輩から提携の打診があったこともありません。

ただ,これは聞いた話ですが,東海地方のとある司法書士が整理屋と組んでいたことがあったようです。具体的には,とある大手消費者金融の元従業員が当時の顧客名簿を持ち出し,その名簿を基に顧客に連絡して債務整理を勧め,応じた顧客がいた場合にはその提携の司法書士事務所で整理をし,そのうち何パーセントかを司法書士事務所からもらっていたようです。
 

この話は,たまたま私の知人が「元従業員」の方と面識ある方で,その「元従業員」本人から聞いた話とのことです。したがって,私が直接聞いた話ではなく,どこまで信憑性がある話しかはわかりませんので,話半分でとらえていただければと思います。 
 

持ち逃げされたとしても弁護士等が支払えば良いが・・・



上記記事だと,整理屋を事務員として雇用した形にし,その事務員が過払金を持ち逃げして問題になっているとのことです。

これって,過払金に焦点を当ててますが,一般企業でも全然起こる話です。
 

従業員が営業先から集金してきたお金を着服したとか,金融機関の職員が横領したとかいう話って結構ありますよね。その場合は,当然その従業員を雇用していた会社なり金融機関が弁償することになり,会社等が倒産などしていない限り,基本的にお客さんに損害が残ったままということはそんなに多くないと思います(民法715条)。
 

話しを戻すと,上記記事の過払金の話は,従業員ということになっている整理屋が持ち逃げしたわけですが,そんなことは依頼者の方には関係ない話ですので,弁護士等に回収した過払金を返してもらうことになります。従業員のミスは経営者の責任ですからね。
 

もっとも,上記例の会社や金融機関と異なり,弁護士や司法書士は個人事業主であることが多いため現実的に回収できない可能性もあります。実際に,このような事件を起こしながら破産してしまった弁護士等もいます。 
 

過払金に限らず,弁護士等に依頼し,回収したお金は原則として弁護士等に返還されます。



上記記事には,『担当者は「いったん弁護士事務所に支払われる仕組みが悪用された」と非難している。』と書かれています。これはもうほんと論点がおかしいです。

文字通り取れば,それはそのとおりです。直接依頼者にお金が返ってくるのではなく,いったん依頼した弁護士等の口座に送金されたのを悪用してますからね。

ただ,これもまた別に過払金に限った話ではありません。医療訴訟だって,交通事故だって,不倫の慰謝料だって,基本的には依頼した弁護士等の口座に支払われることが多いです。なぜなら,その方が支払いがあったことがすぐに確認できますし,振り込み確認後に行う手続きもスムーズに進みます(振り込みを条件に訴訟や差し押さえを取り下げる等)。さらに,代理人である以上,相手から弁済金を受領する権限もありますので,弁護士等の口座に振り込まれること自体には法的に何ら問題ありません。
 

問題なのは,弁護士等が回収したお金を依頼者に返還しないことであって,お金が直接弁護士等の口座に返還されることではありません。逆に,弁護士等が代理人になっているにもかかわらず,直接依頼者の口座に返還したことが不法行為になるという裁判例すらあります(宮崎簡裁平成24年11月20日判決)この業者の主張は明らかにおかしいと思います。
 
 

結局は信頼できる弁護士等を見つけるしかない



当たり前のようですが,もうこれしかありません。

ただ,信頼できる知り合いの弁護士や司法書士がいないことが多いと思いますので,一番良いのはすでに債務整理をされた方から紹介してもらうことです。対応が良いか悪いかはすでにご依頼された方が一番よくご存知ですからね。さらに,そのような知り合いの方もいないという方も多いかと思いますので,その場合はまずは無料相談などに行っていただき,弁護士や司法書士の人となりをご判断いただければ良いかと思います。

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