3月 13 2014
再生×→再生×→再生○
3度目の個人再生申立てでようやく認められたという事例が最高裁サイトに載っていましたのでご紹介いたします。
2種類の個人再生
まず,前提として個人再生は大きく分けて小規模個人再生と給与所得者等個人再生の2種類があります。
ざっくり言うと,小規模の方は債権者の債権額ベースの過半数の同意が必要(正確には過半数の不同意が無い)だけど,比較的弁済金額が小さく,またいわゆるサラリーマンほどの安定性はなくても定期的に収入があれば認められる再生手続です。一方,給与所得者等個人再生は,債権者の同意は不要だけど,小規模と比べて弁済金額が多いケースが多く,また基本的にはサラリーマンしか使うことができません。
そして,ほとんどのケースで債権者の同意は得られますので,当事務所を含めて多くのケースでは給与所得者等個人再生ではなく小規模個人再生の申立ての方が多いと思います。
※政府系金融機関や某球団を抱えたグループのカード会社は,反対をすることがあるためこのような債権者がいる場合には給与所得者等個人再生や自己破産にすることもあります。
事例
①給与所得者等個人再生
ある特定の債権者(以下,A社)だけで債権額の過半数を超えるため同意が不要な給与所得者等個人再生を選択
→しかし,給与の変動が激しく「給与所得者等」の条件を満たさないとして却下
②小規模個人再生
小規模個人再生は,給与の変動金額について給与所得者等個人再生より緩いため小規模個人再生を選択
→しかし,A社の反対により過半数の同意が得られず不認可
③給与所得者等個人再生
事前に,債務者は転職し,毎月定期的な収入がある会社に就職したうえで給与所得者等個人再生を選択
→無事認められる。
というものです。
判決文の内容
詳細については判決文をご覧いただきたいと思いますが,下記のような思惑があったと思われます。
【債務者側】
住宅ローンがあり,家を取られるわけにはいかないので自己破産の選択肢はなく,どうにかして個人再生をして家を守りたかった。
【A社側】
個人再生よりも破産の方が,より正確に財産関係について裁判所の調査がされるため個人再生よりも破産の方が良いと考えた。
判決文によれば,A社としては債務者側が財産を隠しているとか,転職したこと自体虚偽だと主張し,わざわざ出勤に使っている自動車の写真とかを証拠で出しているみたいです。ただ,結果としては,A社の主張は認められず,無事再生が認められています。
当事務所としては,そもそも過半数債権者の反対をされたことがないですし,仮に反対をされそうであれば小規模ではなく給与所得者等を選択しますので,幸いにもこのように何度も再生申立てをしたことはありません。
しかし,当事者はいいですけど,その間ずっと待たされている他の債権者もたまったもんじゃありませんね。
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