1月 27 2016
予備的相殺の抗弁(最高裁判決)
もう1か月以上前の最高裁判決なんですが,何にも触れていなかったので備忘の意味も込めてまとめておきたいと思います。
ただ,このような相殺の抗弁はこれまで普通に主張しており,普通に判断されていたので,最高裁まで揉めている争点だとは正直知りませんでした。
【事案の概要】
①Aさんは,貸金業者B社との間で,以下の取引がありました。
平成8年~平成12年(第1取引)
平成14年~平成21年(第2取引)
②第1取引だけで計算すると,すでに完済していますので当然過払いに,第2取引だけで計算すると借金が残り,第1取引と第2取引を一連のものとして計算すると過払いになるという事案でした。具体的な金額はわかりませんが,説明の便宜上,第1取引の過払いが30万円,第2取引の借金が50万円,一連として計算した場合は10万円の過払いになるとしておきます。
③また,正確な日にちは不明ですが,少なくとも第1取引の完済より10年以上経過した後に本件訴訟は提起されています。
④さらに,B社は,上記取引は一連のものではなく第1取引は時効だから第2取引の借金50万円を支払え,という反訴を提起しました。
⑤Aさんは,第1取引と第2取引は一連のものであるとして10万円を請求したものの,仮に分断だと判断される場合は,第1取引の過払い金30万円と第2取引の借金50万円とを相殺するとの主張をしました(つまり,借金は差し引き20万円しか残らないという主張)。
⑥高裁は,第1取引と第2取引は一連のものではないから第1取引の過払金は時効で消滅していると判断しましたが,相殺について判断することなく第2取引分の借金50万円を支払えというB社勝訴の判決をしました。
【最高裁の判断】
二重起訴の禁止の部分が出てくるのでなかなか説明がしにくいのですが,結論としては,相殺の主張をすることは問題ないから高裁は判断すべきだという趣旨の判決になっており,Aさん側の勝訴となっています。
とはいえ,どこまで踏まえて訴訟を提起したのかわかりませんが,一連の主張をして過払い金の返還を求めた訴訟が,結果として借金が残る結果となってしまっているので困ります。上記のとおり,正確な金額がわからないので何とも言えませんが,できれば和解で終わらせておきたい事案ですね・・・。
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