はなみずき司法書士事務所
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5月 25 2009

法律よりも財政事情

前回の記事からすこぶる期間があいてしまいました・・・。書きたいネタはたくさんあるんですが,いかんせん多忙すぎて記事を書く時間がありません(書くのに1時間くらいかかります)。何とか時間を見つけては記事を書いていきたいので,今後も見捨てることなくご覧いただければと思います。

さて,今日の記事は過払いについての業者の状況について書いてみたいと思います。


昨今,消費者金融業界は過払金の返還請求を大量に受けており,一昨年はクレディア,昨年はアエルといった大きい会社も倒産しました。
また,三和ファイナンスについては破産申し立てがされるなど,とてもじゃありませんが,業者の懐事情はかなり悪化していると思われます。

さらに,最高裁判決において,時効の起算点について取引終了時説が取られるなど,業者にとってみればいつの時点から請求されるかわからないため,厳しい懐事情の中,ますます財布のヒモが厳しくなってきています。

そんな中,業者としては少しでも過払い金の返還額を減らすために,上記の最高裁判決を逆手にとって利息の起算点について争ってきたり,利息の発生根拠である704条の「悪意の受益者」について争ってくるなど法的な主張を繰り広げてきます。

ただ,

現段階で一番脅威なのは,こんな法的な問題よりも,現実的に業者が払えない(払わない)という点です。

どれだけ苦労して勝訴判決をとっても業者が払わなければ現実的にはお金は返ってきませんし,強制執行をしても財産がなければ当然返ってきません。さらには,自己破産や民事再生の申し立てをされてしまうと法的にも回収は難しくなります。

したがって,今一番悩ましいのが,「裁判して時間をかければおそらく勝てるけど,勝った後にお金が返ってくるかわからない」という状況です。

昨年の1月頃,私は代理人としてアエルに対して140万円程度の勝訴判決を取りましたが,依頼者を説得して,すぐに返還することを条件に110万円の返還で和解し,返還してもらいました。その後,上記の通り,昨年2月に,アエルが民事再生の申し立てを行って倒産しました。ですので,結果的には110万円に減額して和解をしたのは正解だったと思います。ただ,逆のこともあります。某会社について,あまり良くない噂があったため,減額して和解をしましたが,今でもその会社は残っています・・・(ただし,今でも訴訟をしても全額の返還は困難ですし,この会社は今も貸付は行っていません)。

法的な問題よりも,「いつ返ってこなくなるか」という次元の違う話になってきてしまっているんです。そして,この判断はあとになってみなければわかりません。今日も,同じような内容で依頼者と相談をしましたが,依頼者の方はかなり悩みに悩まれてから安全策をとって減額して和解をしました(大幅に減額する場合,私の独断で和解をすることはありません)。もちろん,この結論が正解なのかどうかは現時点では誰にもわかりません。

現在,テレビやラジオで,さも簡単に「過払金が返還されて借金も無くなってハッピー!」というようなCMが流れていますが現実的にはそんなに簡単じゃありません。ただ,少なくとも,過払い金の返還請求を先延ばしにするメリットはありませんので,請求をお考えの方は早めに手続きをされた方が良いと思います。

次回は,各会社ごとの状況を書いてみようと思います。

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