はなみずき司法書士事務所
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4月 14 2009

期限の利益の再度付与認めず

本日,最高裁でシティズに関する最高裁判決がありました。

判旨(PDF)
最高裁サイト

すごく簡単に状況を説明すると,

①シティズは他の消費者金融と同じように高金利(29.2パーセント)で貸し出ししている。
②「みなし弁済」が認められないと15パーセントしか金利が取れないし,「みなし弁済」が認められる可能性はかなり低い。
③ところが,返済に遅れた場合は「みなし弁済」が認められなくても遅延損害金として21.9パーセントであれば合法的に請求できるし,一括返済を求めることもできる。
④しかし,シティズは遅れた人に対して,一括請求することもなく,遅れる以前と同様に分割金を受領していた。
⑤借主としては,一括請求を受けていないので,これまで通りの返済を認めてくれているものと思っていた(「期限の利益」を再度与えてもらっていると思っていた)。
⑥利息制限法所定利率(15パーセント)で計算すると過払いが発生している。

という事案です。
この「期限の利益」というのは,「分割で返済できる権利」だと思ってもらえれば良いと思います。本来であれば,返済に遅れた場合は,期限の利益を喪失し一括請求をされてもおかしくないのですが,長い間一括請求されていなかったので,「再度分割で支払うことを許してくれた」というように解釈するのが,「期限の利益の再度付与」の主張です。

ここで,シティズの主張としては,

毎回弁済を受けた際の領収書には「遅延損害金〇〇円」としており,期限の利益を与えた覚えはなく,遅延損害金として受領していた。だから,過払いなど発生しておらず残金を返済しろ!

借主側の主張としては,

100回も分割で受領しておきながら今になって,あれは遅延損害金の21.9パーセントだというのは許されず,期限の利益を再度付与したものとして15パーセントで計算すべきだ。

ということです。

そして,原審では借主側の主張が認められ,過払い金の返還をシティズに言い渡しました(東京高判平成19年3月8日)。

ところが,最高裁はまったく逆の判断をし,期限の利益の再度付与を認めませんでした。

その根拠は,
①毎回の領収書には遅延損害金として書いてあるやないかい。
②「一括返済の請求をしていない」という一事をもって期限の利益の再度付与したことにはならんでしょう(期限の利益を再度付与したといえる「特段の事情」が必要だということ。「一括返済の請求をしていない」というのは,特段の事情ではない。)。

という点です。

相手はシティズではありませんが,実は私は他社と同じような論点で平成19年に訴訟を行い勝訴しました(PDF)。本件と同様に,負ければ借金が残り,勝てば過払いになるという事案でした。
なお,私が勝訴した際の理由は,期限の利益の喪失の主張自体が信義則違反」ないし「権利濫用法理」により無効であって,期限の利益の喪失を前提として「期限の利益の再度付与」したという理由ではありません。したがって,この理由であれば,今回の判決を踏まえても勝訴できるかもしれません。

ただし,この判決によって容易には勝てなくなるでしょうし,他の過払い訴訟においても,遅延損害金の考え方について,影響が出てくるかもしれません・・・。

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