1月 27 2006
単純保証と連帯保証
先日、訴訟の期日が入っていたので名古屋簡易裁判所へ行きました。簡易裁判所は悪い言い方をすると「判決作成工場」のようになっていて、サラ金やクレジット業者が滞納している消費者を被告として訴えている事件がほとんどであり、被告も出頭しないためすぐ被告敗訴の判決が出されます。
さて、自分の番が来るまではこのような訴訟を傍聴しているのですが、その中にクレジット業者が自動車ローンの滞納を理由に保証人を訴えている事件がありました。具体的な内容はわかりませんがおおまかに、
1・300万円程度の車をローンで購入している。
2・友人が連帯保証人になっている。
3・借りた本人は一度も払わずドロン。
4・そして、今回は連帯保証人である友人が訴えられている。
という流れだと思います。
そこで、訴訟のやり取り
被告「俺を訴えるよりも前に、○○(借りた人の名前)から自動車を取り返して売ってからにしてくれよ。」
裁判官「あなたは、○○さんの居場所は知っているの?」
被告「携帯はたまに繋がるけどどこにいるのかはわからない。」
裁判官「そしたら、△△クレジット(原告)さんも自動車を売りたくても場所が分からない以上、売れないですよね?」
被告「でも、俺は保証人なんだから先に○○から回収してくれよ。」
裁判官「今回あなたは、連帯保証人なんですよ。連帯保証人は債務者に関係なく、いつ請求されても文句は言えないんです。確かに○○さんから回収して欲しいというお気持ちはわかりますが、今回あなたは△△クレジットさんから支払ってくれと言われれば支払わなければなりません。どうしますか?一括では払えないと思いますので、分割の交渉をしますか?」
被告「・・・はい。お願いします・・・。」
という感じでした。(一部省略)
何が言いたいかというと、「債権者から見れば、連帯保証人というのはほとんど債務者と同じ立場」なんです。そして、99.999%契約書を見てみるとただの「保証人」ではなく「連帯保証人 」になっているはずです。前も書きましたが、保証人になるってことはその人の借金を全部被るということと同じなので、安易な気持ちで保証人になるとあとで痛い目に遭っちゃうかもしれないですよ。
(注)ちなみに、ただの「保証人」だった場合、催告の抗弁権と検索の抗弁権とがあるためまずは債務者に請求してよ!ということができます。
と、珍しく司法書士っぽいことを書いてみました。
65.5