8月 25 2010
頭金ゼロでの住宅ローンは三連単1点買いで当てるのと同じくらいのギャンブル
※極めて個人的見解に基づく記事ですので,全部が全部正しいとは限りません。あくまで一個人の意見としてお読みください。
さて,同じような記事を何度も書いた覚えがありますが,また住宅ローン破綻による競売増加の記事が出ていました。
→ニュース
記事の内容では,52歳で消費者金融への借金が200万円あったにも関わらず,不動産会社からお金を借りて完済し住宅ローンを組んだが,その後の事情で返せなくなり銀行に相談すると,「70歳過ぎまで払い続けるのは無理ですよ」といわれ競売になったそうです。
不動産会社の営業マンは売ってナンボの商売です。ウソにならない程度に都合の良いことを言い,誉めておだてるでしょう。だって,購入者が住宅ローンを返せなくなったとしても,不動産会社は一括でお金をもらっていますのでまったく腹は痛みません。頭金があろうがなかろうが,購入者が「借りられる」状況にあればその後に「返済できるか」なんかどうだっていいんです。
事務所の近くにあるアピタに昼食などを買いにいくと,フリーペーパーがたくさん置いてあり,不動産に関するものもたくさんあります。それを取ってみると,
「頭金無しで,今お住まいの家賃より低い返済額になるので買った方が絶対トク!」
みたいな宣伝文句が書かれています。
言葉が過ぎるかもしれませんが,私の中ではもう詐欺に近いとすら思っています。
その広告をよーーーーーく見てください。小さく,
「1年固定で当初1年を年利1%で支払った場合」
とか書いてありますから。
仮に上記の例の場合,確かに当初1年は1%の固定金利なので,住宅ローンの支払いは少なくなるかもしれませんが,あくまで当初の1年だけですよ。それ以降は今後の金利状況によって大きく変動します。給与口座の指定等によってある程度の優遇はあるかもしれませんが,少なくとも翌年以降も年利1%なんてことはあり得ないでしょう。
さらにいうと,家を買うということは今後家に関して発生する費用もすべて自己負担になるということです。
例えば,賃貸の場合共用部分の電球が切れたとしても大家さん負担で変えてもらえますが,戸建ての場合は当然自己負担ですし,マンションの場合は管理費という名目で支払っています。
さらに,毎年の固定資産税だって発生しますし,戸建てにしてもマンションにしても大規模修繕は避けて通れません。
ですので,確かに住宅ローンの返済自体は現在の家賃より低くなるかもしれませんが,いろんなものを合わせると,実際には家賃より低くなんかなりません。
また,賃貸なら給料が下がったときに家賃の低いところに転居したり,実家がある人であればとりあえず実家に住まわせてもらうなど方法がありますが,住宅ローンを組んで家を買ってしまった以上,そこに住み続けて住宅ローンを支払うしかないという極めて大きなリスクを伴います。そして,その支払いができなくなったときには,かなり高い確率で上記のニュースのように任意売却もしくは競売,そして最終的には自己破産に至るしかないでしょう。
前も書きましたが,私はできれば半分,少なくとも3割以上の頭金が入れられないのであれば住宅ローンを組んでまで家を買うことは相当なギャンブルだと思っています。とすれば生活ギリギリなのに頭金ゼロで住宅ローンなんていうのは競馬で言えば8頭立ての三連単1点買いで大当たり,パチンコ・パチスロで言えば最初の1回転で大当たり,とかいうレベルだと思います。しかもはずせば,ほぼ高い確率で自己破産。
そんなに人生ギャンブルしなくてもいいじゃないですか。賃貸だっていいじゃないですか。
ということで,住宅ローンを組んで家を買う際は,住宅ローンを「借りられるか」ではなく「今後もずっと返済できるか」を最重要視して計画を立ててください。
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