はなみずき司法書士事務所
E-mail   プライバシーポリシー

3月 23 2011

譲渡前に発生していた過払金を譲受会社が引き継ぐか

1:44 PM お知らせ

昨日,過払いに関する最高裁判決が出ました。

  

これは,もともとタイヘイという会社と取引をしていたところ,タイヘイがCFJに対して債権譲渡をし,以降CFJと取引をしていたが,実際にはタイヘイ時代から過払いだったため,タイヘイ時代に発生していた過払金についてもCFJに請求したという事件です。 

  

1審の名古屋地裁判決(PDF),2審の名古屋高裁(PDF)では,CFJは重畳的債務引受によってタイヘイと連帯債務を負うことになるか,契約上の地位の移転があるから,CFJも過払金返還債務を負うべきと判示しています。

  

ところが最高裁はCFJは過払金返還債務を負わないと判示しました。
最高裁サイト
判決全文(PDF) 

  

この最高裁判決は, 

 

貸金業者(以下「譲渡業者」という。)が貸金債権を一括して他の貸金業者(以下「譲受業者」という。)に譲渡する旨の合意をした場合において,譲渡業者の有する資産のうち何が譲渡の対象であるかは,上記合意の内容いかんによるというべきであり,それが営業譲渡の性質を有するときであっても,借主と譲渡業者との間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位が譲受業者に当然に移転すると解することはできないところ,上記のとおり,本件譲渡契約は,上告人が本件債務を承継しない旨を明確に定めるのであって,これが,被上告人とAとの間の金銭消費貸借取引に係る契約上の地位の移転を内容とするものと解する余地もない。 

 

 

と判示しました。
つまり,債権譲渡によって何を引き継ぐかという問題は,債権譲渡(事業譲渡でも同じ)の契約書に記載された内容によるのであって,当然に契約上の地位が移転するようなことはない,ということになります。 

 

そして,この事案では,タイヘイとCFJとの間での債権譲渡に際しての契約書に,  

 

譲渡対象資産に含まれる貸金債権の発生原因たる金銭消費貸借契約上のA(タイヘイ)の義務又は債務(支払利息の返還請求権を含む。)を承継しない 

 

 

とハッキリ記載されていることから,CFJは過払金返還債務を承継することはない,となりました。

 

債権譲渡に関しては,クラヴィス(タンポート)とプロミスの間でホットな争点となっていますが,あちらは債権譲渡というよりも借換というか債権切替が問題となっているため,本件最高裁判決はあまり影響は無いと思います。
もっとも,今後は債権譲渡案件については,債権譲渡契約の内容によって左右されることとなりますので,その債権譲渡契約書を見てみないと判断できないということになりますね・・・。

0コメント

Comments RSS

コメント記入

Spam Protection by WP-SpamFree

Copyright © 2005 Hanamizuki. All Rights Reserved.