はなみずき司法書士事務所
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7月 18 2009

任意売却か競売か(その2)

すんごく遅くなりましたが,こちらの記事の続きを記載いたします。

さて,前回は住宅を残し場合及び任意売却と競売について記載いたしました。それを踏まえて続きを記載いたします。

<住宅を手放す場合>

住宅を手放した上で,任意整理等を行う。

この方法をとる場合は,住宅を手放しても住宅ローンが残らない場合が前提です。逆に,住宅を手放すことで,お金が余ることもありますので,そのお金でその他の債務を返済することがあります。

また,稀に住宅の売却をして住宅ローンが残っても任意整理等を行うケースがあります。これは,申し訳程度に毎月5,000円など少額の返済を続けていくケースです。毎月5,000円を返済しても利息にすらなりませんので,1円たりとも住宅ローンは減っていきません。これは,債権者の妥協の産物による債務整理だと思います。

住宅を手放したうえで,自己破産を行う。

この方法は,住宅を手放しても大幅に住宅ローンが残ってしまう場合です。住宅を手放しても住宅ローンが残るケースが多いため,住宅を手放す以上,自己破産になってしまうケースが一番多いと思います。

具体的な例で言うと,
(1)住宅ローンが2,500万円残っている。
(2)その他の債務(消費者金融等)も500万円ほどある。
(3)住宅の価値が1,500万円である。

この場合,住宅を手放しても住宅ローンの差額が1,000万円とその他の債務が500万円残ってしまうため,通常,一般のサラリーマンの方が返済できる金額ではありません。したがって,残念ですが自己破産を選択せざるを得ないケースが多いと思います。

住宅を手放したうえで,個人再生を行う。

この方法は,免責不許可事由があり,自己破産ができない場合や住宅ローンがあまり残らない場合に選択することがあります。しかし,住宅ローンが多く残る場合は,この方法は難しいと思います。

例えば上記の例の「(3)住宅の価値」が1,500万円ではなく2,300万円だった場合に個人再生をした場合,その他の債務の500万円と住宅ローンの残債の合計である700万円を1/5にした140万円の返済で済みますので,十分返済できると思います。
しかし,上記の例のとおり「(3)住宅の価値」が1,500万円だった場合,住宅ローンの差額である1,000万円とその他の債務の合計である1,500万円を1/5にした300万円を原則として36回分割で返済していただく必要があります。となると,毎月の返済額は8万円程度となりますので,支払いが難しい方も多くいらっしゃいます。したがって,この場合は,自己破産を選択せざるをえません。

以上が,住宅を手放す場合となります。
ただ,上記のとおり,実際には住宅の価値よりも住宅ローンの方が多いケースがかなり多いため,住宅を手放す場合には実際には④の方法を選択するケースが多いと思います。

<住宅を買うべきか,賃貸にすべきか>

これから家を買おうかどうかをお考えの方が果たしてこのブログを見ているのか,という疑問が大いにありますが,私が思うことを書いてみたいと思います。

結婚し,新生活を始めていくと,将来の生活設計として家(戸建やマンションを問わず)を購入するかマンションやアパートなどの賃貸に住み続けるかを考えると思います。

この点,はるか昔からさまざまな角度から議論が展開されていると思いますが,賃貸か購入かについて私が考える一番大きなの判断材料は,「住宅の価格の半分近くを頭金として用意できないのであれば当面は賃貸にした方が良い」と思っています。逆に言うと,半分近く用意できるなら,その方の好みに応じて好きにすればいいと思います。

家を購入される方の動機でよくあるのが,「家賃を払うのがもったいない」というものです。しかし,よく考えてみてください。住宅ローンを組むということは,それに伴う利息を払っています。これは,無駄以外の何モノでもありません。仮に3,000万円のマンションをフルローン35年ローンで返済した場合,利息だけで1,800万円も支払うことになります。さらに,マンションであれば管理費がかかりますし,戸建であれば修繕費はすべて自己負担です。さらにさらに,毎年固定資産税もかかってきます。
この点,賃貸であれば毎月の家賃の中に,修繕費も入っていれば,固定資産税も支払う必要はありませんので,住宅に関する費用は必ず毎月一定です。この安心感は大きいと思います。

そして,一番大きな問題が,「簡単に転居できない」という点です。
まさに今のご時勢のように給料の減額やボーナスカットがあっても,住宅ローンの支払いは待ってもらえません。仮に,毎月いっぱいいっぱいの金額で住宅ローンの返済をしていると,1回でもボーナスカットなどがあると,一発で破綻することになってしまいます。また,住宅ローンを失くすために家の売却をしても,フルローンで住宅ローンを組んでいる場合,まず間違いなく住宅を売っても住宅ローンをまかなうことはできませんので,1回のボーナスカットでいきなり自己破産をせざるを得ないケースもあります。

一方,賃貸の場合,給与が少なくなった場合でも家賃の低いところへ転居することで毎月の支払額を減らすことができますので,いきなり自己破産という問題にはなりません。

したがって,お金の問題だけで考えた場合,基本的には賃貸の方が有利だと考えています。

この点,住宅の価格の半分を頭金として出しているようであれば,売却しても住宅ローンが残るということはなかなか考えにくいので,自己破産をしなくてはならないケースは多くないと思います。ですので,家を買うということを前提で考えるならば,さすがに半分は難しいとしても,頭金として3割近く出せるようになってから購入したほうが良いと考えています。

長々
書きましたが,だからといって私の考えが絶対に合っていると申し上げるつもりは毛頭ありません。
しかし,私の周りの住宅を購入しようとしている方を見ると,目先の金利の大小や設備,住環境等を最優先に考えている方が非常に多いと思います。ただ,それは家に住み続けることが前提ですので,家を取られてしまっては本末転倒です。にも関わらず,将来の返済計画をどれだけシビアに考えているでしょうか。

人生何があるかわかりませんので,すべてが計画通りに行くわけもなく,思いもよらないことが起こることもありますが,そのすべてをカバーするような方法はありませんので,幾分かは賭け(将来給料が上がるだろう等)に出ることもあります。ただ,先が読めない人生だからこそ,人生で一番大きな買い物である家の購入の資金計画については,家を選ぶこと以上に慎重に判断してもらいたいと思います。

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