はなみずき司法書士事務所
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12月 6th, 2018

12月 06 2018

時効債権への対応

なぜだかわかりませんが,最近また任意整理や過払金の返還請求に関するご依頼が多くなってきていますが,そんな中でもやはり時効債権のご相談があります。
 

時効債権とは,すでに消滅時効の期間が経過しているため,債務者側が「時効の援用」を行えば,借金が無くなるような債権です。ただ,そのようなことをご存知ないことも多く,法律知識の無知に乗じて訴訟を提起し,回収を迫ってきます。これが消費者金融やサービサー(債権回収会社)であればまだわからないでもないですが,弁護士さんが代理人となって請求してきますので,注意が必要です。 

今回は,その時効債権への対応について,段階に応じてまとめたいと思います。 

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①督促状が送られてきている段階

 

上記にも記載のとおり,時効期間(通常であれば5年間)が経過していれば,債権者に対して「消滅時効を援用する」旨の通知を送ればそれで終了です。
 

ただし,本当に時効期間が経過しているかどうかを調査してみなければわかりませんので,弁護士や司法書士がご依頼をお受けした場合はいきなり消滅時効の援用をするのではなく,取引履歴の開示請求を行い,間違いなく時効期間が経過していることを確認してから通知を送ります。
 

なお,判決を取られているような場合は,判決が確定してから10年間は時効期間が伸びますので,逆にこちらの住所などを把握されて強制執行を受ける可能性がありますので,専門家に依頼せず(事前の調査をせず)に通知を送る場合は注意が必要です。 
 

②支払督促を起こされている場合

 

過去の記事にも記載がありますが,支払督促の申立てがされている場合,放置してしまうと大変なことになりますので,必ず異議を出してください。
 

場合によっては,この時点で支払督促が取り下げられる可能性がありますが,それだと何も解決していませんので,別途和解するか,上記のとおり時効の援用通知を送る必要があります。 
 

③訴訟を起こされている場合(支払督促に異議を出して訴訟に移行した場合を含む)

 

この場合は,答弁書や準備書面で時効を援用する旨を主張していただければ,別途,時効援用の通知を送る必要はありません。
 

このまま判決に行けば解決すると思いますが,上記のとおり,訴訟が取り下げられる場合があります。この場合,時効の主張も無かったことになりますので,別途和解するか,時効援用通知を送る必要があります。
 

先週も,時効債権に関する訴訟について被告代理人として時効の援用を準備書面で主張したところ,事前の話し合いもなく訴訟が取下書が提出されました。このままだと解決にならないので取下げに対する異議申立書を提出する準備をしていたのですが,その後に債務不存在証明書が送られてきたので,取下げに同意して訴訟は終了となりました。 
 

④すでに訴訟を起こされて判決が出て確定している場合

 

支払督促が確定している場合は,以前の記事に記載のとおり,既判力がないため戦えるのですが,判決を取られている場合に覆すのは非常に困難です。
 

この場合は,残念ですが時効の援用ができないため,債権者と和解交渉をして解決することになります。
 

先日ご依頼いただいた件も,数年前に訴訟を提起された時点では時効の援用が出来たのですが,裁判所から書類が届いていたものの出廷せずそのまま敗訴判決が出されてしまい,確定していました。
 

法的には元金の数倍にも膨れ上がった利息も含めて全額の支払義務があるのですが,債務者の状況や債権者のスタンスによっては十分解決できます。実際に,元金の3倍以上の利息が付いていたものでも,元金+数万円という判決で認められた金額の3割程度の金額を一括で支払うことで和解ができておりますので,判決を取られている場合でもどうにもならないわけではありません。
 

ということで,状況に応じて記載しましたが,どのような方でもいきなり訴訟を提起されるのではなく,①の督促状から始まりますので,その時点で早急に対応いただいた方が確実に戦えると思います。

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