はなみずき司法書士事務所
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4月 13 2020

住宅ローンが支払えない場合

今年に入って猛威を振るっている新型コロナウイルスにより,収入が大きく減少され,住宅ローンの返済に困っていらっしゃる方が増えてきているようです。
 

このような事態に対応するように,各金融機関でも柔軟に対応してくれるところがあり,まずは各金融機関にご相談いただくのがベストです。ただ,それでも解決できない場合は債務整理をご検討いただかなくてはならないため,今回は,住宅ローンの返済及びそれに伴う債務整理についてまとめてみたいと思います。
 

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1 金融機関に対し住宅ローンの返済についての条件変更をお願いする

 
 

新型コロナウイルスによる収入減少が原因だとしても,法律上当然に住宅ローンの支払いが減免または猶予されることはなく,各金融機関と個別に交渉をしていただくしかありません。
 

このような状況ですので,無下にされることはなく,各金融機関においては専用の窓口を設置しているところも出始めております。
 

お話しをしていただくことにより,返済期間の延長返済額の変更(毎月の支払額を少なくする),ボーナス払いの変更(ボーナス払いを無くす,ボーナス払いの割合を変更する)などで,支払額を調整し,何とか遅れることなくご返済を継続していただければと思います。
 

全国すべての金融機関の対応についてまでは把握できませんが,大きな金融機関及び当事務所近隣の金融機関だと以下のとおりです。
 

三菱UFJ銀行 → 新型コロナウイルス感染症に対する当行の取り組み (2.(ご参考)住宅ローンに関するご相談窓口)

三井住友銀行 → 新たなお借り入れやご返済条件の変更等に関するご相談窓口(中小企業または住宅ローン等をお借り入れの個人のお客さま用)

みずほ銀行 → 新型コロナウイルス感染症に対するみずほ銀行の取り組み

りそな銀行 → りそな銀行 新型コロナウイルス感染症拡大に伴う対応について

愛知銀行 → 新型コロナウイルスにかかる住宅ローンの対応について(PDF)

名古屋銀行 → 新型コロナウイルス・相談窓口の設置及び緊急対策融資の取扱いについて(PDF)

十六銀行 → 「新型コロナウイルスに関する相談窓口」のご案内

住宅金融支援機構(フラット35) → 今般の新型コロナウイルス感染症の影響によりご返済が困難になっているお客様へ(PDF)

 
 

2 すでに他の借金があり,その返済がどうにかなれば住宅ローンの返済ができる場合

 
 

(1)任意整理 

住宅ローンについては,上記のとおり各金融機関にご相談いただき,他の借金(クレジットカード,消費者金融等)については,任意整理を行うということが考えられます。
 

この場合,他の借金については毎月の返済額が少なくなりますので,住宅ローンの支払いを継続していくことができるケースも多いように思います。
 

もっとも,借金の総額自体が変わるわけではないことや,毎月の返済が無くなるわけでもありませんので,定期的な収入があることが前提となってしまいます。
 

(2)住宅資金特別条項付きの個人再生
 

他の借金については,100万円(または1/5)まで圧縮し,住宅ローンの返済を継続していく方法です。
 

任意整理では他の借金の総額自体は変わりませんでしたが,こちらは借金の総額自体も圧縮できます。
 

ただし,住宅ローンが減免されるわけではありませんし,借金の圧縮ができたとしても免除されるわけではありませんので,返済するための定期的な収入は必要となります。 
 

3 残念ながら自宅を手放さざるを得ない場合

 

(1)任意売却
 

住宅ローンの金融機関の同意のもと,通常の不動産の売買として第三者に売却する方法です。
 

メリットとしては,転居費用が出る場合があることや,周辺の方に知られずに売却できる点にあります。また,協力していただける知人等がいらっしゃれば,自宅を買ってもらった上で,賃貸をしてもらうことで継続的に住めることもあります
 

ただし,売却代金で住宅ローンが賄えない場合は,残ったローンについての返済が必要となり,その返済が難しい場合は自己破産をせざるを得なくなってしまいます。
 

(2)競売
 

長期間を返済を怠ると,金融機関が競売の申し立てをします。この場合,裁判所の手続において落札者が決定し,あとはその方との交渉によって退去することになります。
 

もし,落札者との間で話がまとまれば,継続して住み続けることができますが,誰が落札するか分かりませんので,これはもう落札者次第ということになります。また,転居費用なども一般的には出ないことが多いと思います。
 

この場合でも,落札代金でローンが賄えない場合は残ったローンについて返済が必要となり,その返済が難しい場合は自己破産をせざるを得なくなってしまいます。 
 

4 まとめ

 

以上の次第で,金融機関との話し合いで解決できれば,それに越したことはありません。

また,住宅ローン以外の借金がどうにかなるのであれば返済できるということであれば,任意整理や個人再生といった債務整理で解決できる可能性もあります。

ただ,いずれの場合でも解決できないとなってしまうと最終的には自己破産になってしまう可能性が高いため,何はともあれ金融機関とご相談いただくことに尽きると思います。

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12月 03 2019

オリンポス債権回収からの支払督促

オリンポス債権回収株式会社という会社から支払督促を起こされた旨の通知が届くことがあります。
 

債権回収」という名前から分かるとおり,オリンポスと取引があったのではなく,他の会社と取引をしていたときに生じた債権が,他社からオリンポスに債権譲渡したり,または他社から回収の委託を受けてオリンポスが支払督促を申し立ててきます
 

債権譲渡前もしくは委託している業者は,「ラックスキャピタル」,「OCC」など,ほとんど聞いたことない会社であり,大元の債権者はアプラスなどの信販会社やアイクなどの消費者金融であることが多いと思います。
 

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さて,あくまで私の経験上ですが,支払督促が届いた時点ではほとんどの場合ですでに時効が完成しております
 

支払督促に対して督促異議を出すと通常の訴訟に移行しますので,そこで消滅時効の主張をすれば勝訴できることが多いと思います。逆に言えば,オリンポスとしては通常の訴訟に移行すると敗訴する可能性が高いということになります。
 

したがいまして,督促異議を出すとその旨の連絡が裁判所からオリンポスに行き,その後オリンポスからなぜ督促異議を出したのかの問い合わせが入ります。その際に「消滅時効なので」と回答すると,そこでオリンポスは支払督促を取り下げてきますので通常訴訟に移行することなく支払督促は終了します。ただし,取り下げただけだと従前の状態から何も変わらないということになりますので,別途「債務不存在確認書」を交付してもらったり,「和解書」の取り交わしなどを行うべきです。
 

なお,オリンポス自らが進んで時効であることは絶対に言わないので,必ずご自身から時効である旨は伝えてください。
 

では,自ら「時効」である旨を告げなかった場合はどうなるのでしょうか。理屈の上では,通常訴訟に移行して争うことになるわけですが,オリンポスは時効であることは当然認識していますし,弁護士や司法書士が代理人に就いた以上は,代理人から時効である旨の主張をされることは当然分かっているはずですので,督促異議の時点でこちらから時効である旨を告げなくても取り下げてくるように思います。
 

ということで,あえてこちらからは何も言わないということを試してみたのですが,その結果は通常訴訟に移行してしまいました…。
 

ただ,答弁書で時効を援用するとオリンポスはやっぱり取り下げてきます。もちろん,取り下げに同意せずに判決をもらっても良いと思いますが,そうすると依頼者の方に無駄な費用がかかってしまいますので,取り下げに同意して終了となりました。
 

以上の次第で,どうしても判決が欲しいということであれば,督促異議を出し,オリンポスからの連絡も回答しなければ結果として判決になると思いますが,手続上面倒だと思いますので,督促異議を出したうえで,オリンポスからの連絡を待てば良いかと思います。
 

いずれにしても重要なのは支払督促に対しては督促異議を出すということですので,これだけはお忘れのないようお願いいたします。

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7月 24 2019

再度の時効間際での訴訟提起後の債権者の対応

以前,時効債権に関する記事を書きました。
→ 時効債権への対応
 

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その中で,すでに訴訟を起こされて判決を取られている場合について記載しており,すでに判決を取られていたとしても債権者が回収できていないケースが多く,交渉によって元金+αで解決できることが多い旨を記載しておりました。
 

そもそも,一般的な貸金業者の貸金債権は5年で時効になります(商法522条)ので,5年間返済しなければ時効によって消滅するのが原則です(ただし,個人事業主ではない普通の個人の方が債務者である場合の住宅金融支援機構や信用金庫からの借り入れについては10年です。)。
 

しかしながら,時効になる前に訴えを提起され判決を取られてしまうと,判決確定の時から10年が経過しないと時効になりません民法174条の2)。逆に言えば,仮に判決を取られていても,さらに10年経過していれば時効の援用によって借金が消滅することになり,このようなケースは当事務所でも少なくありません。そして,長年回収できていない方から回収するのは難しく,再度の時効が完成する前に交渉しても,元金が回収できる内容であれば多くの債権者が和解してくれます。
 

ところが先日,すでに判決を取られているものの,そこからさらに10年近く経過した時点で再度訴訟を提起されたケースがありました。ここまで債権管理が徹底している債権者は珍しいことから厳しい対応が予想され,私が代理人として交渉を行ったものの,元金+αでの解決は不可能であり,ほぼ満額(遅延損害金を含むと元金の3倍以上)でないと和解できないとの回答でした。
 

正直なところ,依頼者にそのような大金や換価できるような財産はなく,債権者は勤務先を把握していないので給与を差押えられる可能性も極めて低い状況であり,債権者はどのようなゴールを考えているのかよくわかりませんでした。
 

ということで,裁判自体には勝てる要素はまったくないので,従前と同様に請求を認める判決が出ているものの差押えをされるわけでもなく,従前と何も変わらない生活が続いています。

こうなると,あとは自己破産をするか,改めて10年経過するのを待つかになりますが,恐らくいつまで経っても回収はできないと思いますので,また折を見て定期的に交渉をし続けるしかないと思います。

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12月 27 2018

年末年始の業務について

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12月28日の18時をもって本年の業務は終了となります。今年1年ありがとうございました。

当事務所の年末年始は下記のような予定となっており,当該期間中にいただいたお問い合わせにつきましては,原則として1/4に回答させていただきます。 
 

 

平成29年12月28日18時まで 通常業務
 
 

 

平成29年12月28日18時から平成30年1月4日午前9時まで お休み
 
 

 

平成30年1月4日午前9時から 通常業務
 
 

 

それでは皆様,良いお年をお迎えください<(_ _)>

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12月 06 2018

時効債権への対応

なぜだかわかりませんが,最近また任意整理や過払金の返還請求に関するご依頼が多くなってきていますが,そんな中でもやはり時効債権のご相談があります。
 

時効債権とは,すでに消滅時効の期間が経過しているため,債務者側が「時効の援用」を行えば,借金が無くなるような債権です。ただ,そのようなことをご存知ないことも多く,法律知識の無知に乗じて訴訟を提起し,回収を迫ってきます。これが消費者金融やサービサー(債権回収会社)であればまだわからないでもないですが,弁護士さんが代理人となって請求してきますので,注意が必要です。 

今回は,その時効債権への対応について,段階に応じてまとめたいと思います。 

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①督促状が送られてきている段階

 

上記にも記載のとおり,時効期間(通常であれば5年間)が経過していれば,債権者に対して「消滅時効を援用する」旨の通知を送ればそれで終了です。
 

ただし,本当に時効期間が経過しているかどうかを調査してみなければわかりませんので,弁護士や司法書士がご依頼をお受けした場合はいきなり消滅時効の援用をするのではなく,取引履歴の開示請求を行い,間違いなく時効期間が経過していることを確認してから通知を送ります。
 

なお,判決を取られているような場合は,判決が確定してから10年間は時効期間が伸びますので,逆にこちらの住所などを把握されて強制執行を受ける可能性がありますので,専門家に依頼せず(事前の調査をせず)に通知を送る場合は注意が必要です。 
 

②支払督促を起こされている場合

 

過去の記事にも記載がありますが,支払督促の申立てがされている場合,放置してしまうと大変なことになりますので,必ず異議を出してください。
 

場合によっては,この時点で支払督促が取り下げられる可能性がありますが,それだと何も解決していませんので,別途和解するか,上記のとおり時効の援用通知を送る必要があります。 
 

③訴訟を起こされている場合(支払督促に異議を出して訴訟に移行した場合を含む)

 

この場合は,答弁書や準備書面で時効を援用する旨を主張していただければ,別途,時効援用の通知を送る必要はありません。
 

このまま判決に行けば解決すると思いますが,上記のとおり,訴訟が取り下げられる場合があります。この場合,時効の主張も無かったことになりますので,別途和解するか,時効援用通知を送る必要があります。
 

先週も,時効債権に関する訴訟について被告代理人として時効の援用を準備書面で主張したところ,事前の話し合いもなく訴訟が取下書が提出されました。このままだと解決にならないので取下げに対する異議申立書を提出する準備をしていたのですが,その後に債務不存在証明書が送られてきたので,取下げに同意して訴訟は終了となりました。 
 

④すでに訴訟を起こされて判決が出て確定している場合

 

支払督促が確定している場合は,以前の記事に記載のとおり,既判力がないため戦えるのですが,判決を取られている場合に覆すのは非常に困難です。
 

この場合は,残念ですが時効の援用ができないため,債権者と和解交渉をして解決することになります。
 

先日ご依頼いただいた件も,数年前に訴訟を提起された時点では時効の援用が出来たのですが,裁判所から書類が届いていたものの出廷せずそのまま敗訴判決が出されてしまい,確定していました。
 

法的には元金の数倍にも膨れ上がった利息も含めて全額の支払義務があるのですが,債務者の状況や債権者のスタンスによっては十分解決できます。実際に,元金の3倍以上の利息が付いていたものでも,元金+数万円という判決で認められた金額の3割程度の金額を一括で支払うことで和解ができておりますので,判決を取られている場合でもどうにもならないわけではありません。
 

ということで,状況に応じて記載しましたが,どのような方でもいきなり訴訟を提起されるのではなく,①の督促状から始まりますので,その時点で早急に対応いただいた方が確実に戦えると思います。

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