相続に関すること

遺言を書いておくと税金が安くなるようになるかもしれません

本日,こんなニュースがありました。

「遺言控除」を新設、29年度にも 政府・与党方針 遺言による相続を減税 控除額は数百万円で検討 
 

まだ,検討段階であるため実際にはどうなるかわかりませんが,良い政策ではないかと思います。 


 
 

過去にも何度か遺言に関する記事を書いておりますが,相続人間のトラブルを出来る限り防ぐ最も効果的な方法は遺言で誰が何を相続するかを決めておくことだと思いますし,トラブルが無いような場合でも,遺言を書いておくことで相続手続がかなりスムーズに進みます
 

例えば,相続による不動産の名義変更(所有権移転登記)をする場合,遺言書が無ければ亡くなった方の出生から亡くなるまでのすべての戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本に印鑑証明書などたくさんの書類が必要となります。この点,遺言書があれば,亡くなった方の戸籍謄本と不動産を相続される方の戸籍謄本・住民票があれば手続ができてしまいますし,他の相続人の関与がいらなくなります。
 

また,遺言書において遺言執行者を選任しておけば,その方が預金の解約手続などをすべて進めることができますので,かなり楽になります。
 

さらに,遺言書は一度有効なものを作成したとしても,理由を問わず何度でも書き直すことができますので,事情の変化にも柔軟に対応できます
 
 

例えば,自分が持っている不動産を,自分の面倒を看るという約束で長男に贈与したものの,長男はまったく面倒を見てくれず,やっぱり次男に贈与したいと思った時も,いったん長男に贈与してしまった不動産をとりかえすのはかなり大変ですし登記をするたびに登録免許税等の費用もかかります。
 

これが遺言であれば,不動産を長男に相続させるという遺言を書いたとしても,その後に次男に相続させるという内容の遺言を書けばこちらが有効になりますし,自筆証書遺言であればほとんど費用はかかりません(ただ,私はしては費用がかかったとしても贈与をしたときの登録免許税と比べれば安いので公正証書遺言の方が良いと思います)。
 

このように税金の控除が無かったとしても,遺言書は極めて有用な制度ですので,どんどんご利用された方が良いと思います。
 
なお,ここまで書いておいてひっくり返すようですが,遺言は最も効果的な方法ではあると思いますが万能ではありません。たとえ遺言を書いておいても,その遺言自体を無効であるとして相続人間で争いになる可能性もありますし,文言によっては逆にトラブルをまねく可能性もあります。しかし,弁護士や司法書士,または直接公証人などにご相談いただき,適切に作られた遺言書はトラブルになる可能性を低くしますので,やはり作らないよりは絶対に作った方が良いと思います。
 

当事務所では遺言に関する業務も行っておりますので,お気軽にお問い合わせいただければと思います。