相続に関すること

未来につなぐ相続登記

法務省のサイトで,相続登記を勧めるページが公開されています。
 

未来につなぐ相続登記
 


 

率直な意見として,相続登記を早期に行う積極的なメリットはあまり無いと思います。ただ,当該不動産について売却の予定があったり,建築の予定がある場合は,メリットというより相続登記をしなければその後の手続ができませんので,その意味では早くやらなければならないとは思います。
 

ということで,相続登記を早期に行うメリットは積極的なメリットではなく消極的なメリットが大部分だと思っています。つまり,相続登記を放置したことによって,相続登記が必要になった時に相続登記ができなくなる恐れがあり,できたとしても高額の費用がかかるので,それを防ぐために早期に行った方が良いということになります。
 

過去に何度も記載していますが,相続登記がなされないまま何十年も放置されている不動産について相続登記をする場合,相続人が数十人になるということは珍しくありません。さらに,比較的高齢の方が多いため,場合によっては成年後見制度の利用が必要になることがあります。ただ,相続人の親族の方が成年後見の利用に同意してくれるとも限らず,結果として相続登記ができないということは多々あります。それ以外にも,相続人が行方不明だったり,不相応な印鑑代(いわゆるハンコ代)を請求してきたりと,トラブルは枚挙に遑がないです。
 

したがいまして,相続登記の費用は決して安くはありませんが,放置をしておくことによって,何倍,何十倍と費用がかかることになってしまいますので,相続登記については早期に進められた方が良いと思います。
 

しかし,法務省というお堅いイメージのある役所が「未来につなぐ相続登記」というフレーズを使うというのは,何とも新鮮ですね。