相続に関すること

相続登記の登録免許税が無料になる(かも)

平成30年度の税制改正の要望で,不動産登記を所管する法務省が「(一部の)相続登記の登録免許税を無料に!」という要望をしています。 

→ 平成30年度税制改正要望(法務省)

 

ただ,正直なところ,内容がイマイチな気がしてなりません。 

要望によると,次の2つの場合に登録免許税が免除(無料)になるとされており,免除される期間は平成30年度から同32年度までとされております。 

(1)所有者が亡くなってから30年以上経過した土地に関する相続登記

(2)1筆あたり20万円以下土地に関する相続登記 

基本的に,この制度の導入目的は,長期間名義が変更されていない不動産が多くて有効利用できていない問題(いわゆる所有者不明土地問題)を解消するために,名義変更(相続登記)を促進しようというものです。

不動産には土地だけではなく建物もあるわけですし,そもそも建物の登録免許税は経年劣化によってかなり安いはずなので,建物も免除した方が相続登記の促進になるのではないでしょうか。

また,20万円以下の土地の場合も免除されるとのことですが,20万円以下の土地の登録免許税は一律で1000円です。「1000円の登録免許税が免除されるから相続登記しよう!」という方がはたしてどれほどいらっしゃるのか・・・。

ただ,いずれにしても税金が安くなるのは,登記申請される方にとってはメリットですので,税制改正が通ると良いですね。