相続登記の費用についての補足①(複数の不動産をお持ちの場合)
相続登記のご依頼について,お亡くなりになった方(以下,「被相続人」といいます。)がお住まいの住居のみをお持ちだった場合と,被相続人が資産家の方で名古屋市のみならず豊田市や岐阜などにも不動産をお持ちの場合や,「この不動産は長男が,この不動産は長女が相続する」というように,不動産が複数あると分け方も様々なケースが考えられるため,いくつかのケースを挙げて費用について補足いたします。
基本的には,登記申請を何件行うかによって報酬が変わります。
<同じ管轄に申請する場合>
例えば,被相続人が名古屋市名東区に住居をお持ちであり,さらに日進市にも不動産をお持ちだったとします。
被相続人が亡くなり,相続人間で遺産分割協議をした結果,名古屋市名東区の住居及び日進市の不動産を長男が相続するという内容でまとまったとすると名古屋市名東区も日進市も同じ名古屋法務局名東出張所が管轄であるため登記手数料は6万円のみとなります。不動産が複数あるので倍の12万円になるという訳ではありません。これは,同じ管轄である以上,1件でまとめて登記申請ができるからです。
これに対し,名古屋市名東区の住居は長男が,日進市の不動産は長女がそれぞれ相続するというような場合は,まとめて1件で申請することができず,長男の分と長女の分で2件申請しなければならないため1件増える分につき6万円の登記手数料が別途かかり合計で12万円となります。
<別の管轄に申請する場合>
例えば,被相続人が名古屋市名東区に住居をお持ちであり,さらに豊田市にも不動産をお持ちだったとします。
被相続人が亡くなり,相続人間で遺産分割協議をした結果,名古屋市名東区の住居及び豊田市の不動産を長男が相続するという内容でまとまったとします。この場合,名古屋市名東区は名古屋法務局名東出張所が管轄であるのに対し,豊田市は名古屋法務局豊田支局が管轄であるためこの2件の登記申請を同時にすることはできません。したがって,この場合は登記手数料は6万円と6万円で12万円となります。
また,名古屋市名東区の住居は長男が,豊田市の不動産は長女が相続するというように,各不動産について相続される方が別の方だったとしても,2件申請することには変わりがありませんので,同じ管轄の時と同様に合計で登記手数料は12万円となります。