住宅ローン減税(住宅ローン控除)
住宅ローンを組んで住宅を購入された場合,年末の住宅ローンの残高に応じて所得税が減税される制度があります。
ざっくり言うと,住宅ローンの残高の1%相当額が控除され,最大で500万円も減税を受けることができます。
さて,この住宅ローン減税ですが,実は住宅を購入したり新築したりした場合だけでなく,増改築等のリフォームローンでも減税を受けることができます。
この部分について,金融機関の方も勘違いされている部分があったため,書いておきます。
このリフォームローンの場合に住宅ローン減税を受ける場合,自己所有の住宅でなければなりません。つまり,自分の両親が住んでいる家をリフォームして子どもが住もうとする場合,リフォームをしているのはあくまで両親の住宅であるため,この場合は住宅ローン減税を受けることはできません。
したがって,住宅ローン減税を受けようとする場合,リフォームをする前に両親からその家を購入なり贈与なりで自己所有としておかなければなりません。
また,この場合,住宅ローン減税を受けなかったとしても,場合によっては両親に対する贈与とみなされる可能性があり,減税を受けるどころか逆に税金(贈与税)を納めなければならい可能性も出てきます。というのは,両親が所有している住宅が息子のリフォームによって当然価値が上がります。その上がった分については,子どもから両親に対する贈与になってしまいますよね。
これを避けるため,親と消費貸借契約をするなどして,親からリフォーム分の返済を受けるなり,リフォーム額相当分の持分を代物弁済で受けるなどしなければならないと思います(ただし,大分物弁済を原因として持分移転をする場合は,その時点では「自己所有」の住宅では無いため,住宅ローン減税は受けられません)。
家族間だからといって,あまり気にせずに進めてしまうと,後になってびっくりする額の税金を納めなければならないこともありますので,税理士さんや税務署等ともご相談された上で進めていかれた方が良いかと思います。