非嫡出子相続分についての違憲判決
以前,非嫡出子の相続分についての記事を書きました。
これから,月日が流れ,特に非嫡出子の相続分に関して法律が改正されたり最高裁判決が出たりということはないのですが,地裁でまた違憲判決が出たそうです。
→記事
判決全文を読んだわけではないので詳細はわからないのですが,他の事案のと大きく異なるのが,非嫡出子が誕生した時点では親が誰とも結婚していなかったという点です。
通常,こういった非嫡出子が問題になるのは,いわゆる愛人の子に関する事案です。
例えば,
A男とB女は結婚しており,子どもとしてC男が誕生した。しかし,A男はD女と浮気をし,D女との間にE男が誕生したため,A男はE男を認知した。
というような感じです。
時の流れとしては,①法律婚(法律上の結婚)→②嫡出子誕生→③非嫡出子誕生
上記のケースだと,C男は嫡出子であり,E男は非嫡出子となります。とすると,仮にA男が死亡した場合,E男はC男の半分しか相続できません(民法900条4号)。
同じ子どもなのにこれは不公平じゃないか!という裁判が全国各地で起こったわけですが,当時の最高裁としては,法律婚による子を尊重するとともに,非嫡出子についても一定の保護を与え,その調整をしたのがこの規定だから不公平じゃない,と判示しています。
一方,上記の記事の判決によれば,
①非嫡出子誕生→②法律婚(法律上の結婚)→③嫡出子誕生
という流れです。
つまり,非嫡出子が誕生した時点では尊重すべき法律婚はないのに,非嫡出子が誕生後に親が結婚したことで非嫡出子の相続分が減るのは不公平だ!という判決です。
至極ごもっともな判決だと思います。
と言いますか,嫡出子とか非嫡出子という制度をなくして,子どもは全部同じで良いかと思うんですがいかがでしょう。子どもに罪はないので,みんな平等で良いと思うんですよね。
まぁ,それに嫡出子とかの区分を無くしてくれた方が,私たちも計算間違いしなくなりますし。
早く最高裁判決が出ることを切に願っています。私の事務軽減のためにも・・・。