はなみずき司法書士事務所
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2012年5月

5月 25 2012

総量規制撤廃・上限金利30%

自民党の内部の委員会で,貸金業者法を改正して「総量規制撤廃・上限金利30%」にしようという動きがあるそうです。
記事 

 

現在の貸金業法に改正される前は,上限金利は29.2%(ただし,みなし弁済の要件を満たした場合),借入総額の上限無しというものでした。

そして,現在は,上限金利20%借入総額の上限が年収の1/3総量規制)となっています。

これは,利息制限法と出資法の2つの法律が存在し,これがグレーゾーン金利を生む弊害となっていたため利息制限法上限金利である20%に統一し,また,借入の上限を定め多重債務に陥る方は減らそうというものです。

なお,上記は貸金業法の適用を受ける場合に限られるため,レイクのように,新生銀行が運営している場合には適用がありません。
記事 

 

この改正により,貸金業者の審査が厳しくなり(貸し出し利率が低くなったので,貸し倒れを減らすため),また,借入が出来たとしても総量規制により借り入れできる金額が少なくなりました。

そして,借入が出来ない人がヤミ金に流れるという図式ができてきます。

今回,自民党は,このようなヤミ金に流れる方を減らすため,正規の貸金業者から借入をしやすくなるよう上記の案で改正しようとしているのだと思われます。 

 

 

まぁ,あんまり意味無いですよねぇ。
確かにヤミ金から借入をする方は減るかもしれませんが,逆に多重債務に陥る方が増えて自己破産等の債務整理をする方が増えるだけです。
また,総量規制が無くても無限に借りられるわけではないので,そのような方でヤミ金から借入をされる方はいます。

なお,自民党案では,いろいろ撤廃する代わりに「返済困難者へのカウンセリング制度を強化する」としていますが,カウンセリングで解決できるほど簡単な問題では無いことは明かですよね。

自民党主導で貸金業法を改正したのに,今度は自民党主導で元に戻すとは・・・。

とはいえ,まだ自民党内部の委員会の話ですので,仮に現実になるとしても当分先ですね。

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5月 08 2012

過払い請求・・・その後

自己破産や個人再生,任意整理に過払い請求等,様々な手続を進めさせていただいておりますが,基本的には手続が完了すれば当事務所の業務としては終了となるため,(元)依頼者の方々が現在どうされているのかは基本的にはわかりません。

この点,手続によっても差があり,個人再生や任意整理に関しては,手続完了が終了ではなく,その後ご返済が始まりますので,返済途中でご連絡をいただくことがありますし,完済した場合の書類が当事務所に届きますのでその際にご連絡し現状を伺うこともあります。
一方,自己破産や過払い請求をされた方については,手続の完了をもって完全に手続が終了となりますので,その後ご連絡をいただく機会はほぼありません。

 

そんな中,少ないながらも過払い請求後の状況を教えていただけることがあります。

 

とある方は,任意整理をした結果,全社の借入が無くなり逆に200万円程度の過払金が返還されました。その後,そのお金を頭金として戸建て住宅を購入され,さらにお子さんまで生まれたとのことです。債務整理をされことをきっかけに,人生が良い方向に進まれたようで私としても嬉しかったです(当事務所からも出産祝いを送らせていただきました。)。

また,別の過払い請求をされた方は,1000万円近い過払金が返還され,一気に住宅ローンを完済されていました。ある意味,宝くじでも当たったかのようでした。今はまったく借入のない解放された生活をされているそうです。

 

逆に良くない方向に進まれた方もいらっしゃいます。

 

住宅ローンと消費者金融の借入があり,住宅についてはそのまま返済,消費者金融については任意整理を行った結果,借入が無くなり過払金が数百万円単位で返還されました。
残っているのは住宅ローンだけですし,過払金もドーンと返ってきているので,私も安心していたのですが,過払金をパーッと遣ってしまい,その後に住宅ローンの返済に追われているようです・・・。

また,別の方は全社完済されているとのことでしたので,完済業者に対して過払い請求をしました。ところが,私に内緒で他で借入をしているようでした・・・。それでも,回収した過払金を返済に充てていただければ充分やっていけたと思うのですが,1年程度してやっぱり返済できないとのことで,最終的には個人再生を行いました。

 

 

私たちは,過払金返還請求のご依頼をいただいた場合,過払金の回収を行うまでが業務であり,当然ながらその過払金をどのようにされるかを指示する権利などありません。過払金をどのようにお遣いになるのかは各依頼者の自由です。

私にご連絡いただく方は極めて少数ですので実際の所は何ともわからないのですが,返ってきた過払金をどのようにお遣いになるかによって,その後の人生が大きく変わっているように思います。

なかなか人生において数十万円,数百万円という大金を一度に得る機会はそんなに多くありません。せっかく得たチャンスですので,ぜひ皆さんにはこのチャンスを活かせるようなものにお遣いいただき,人生が良い方向に向かわれるのであれば手続をした私たちも嬉しい限りです。

 

「過払金のご利用は計画的に」

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