はなみずき司法書士事務所
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4月 20 2012

個人再生において住宅を残せるか否か

最近,個人再生に関するお問い合わせが多いため,個人再生のことについて書いてみたいと思います。

 

個人再生の特徴としては下記の点があげられます。 

 

(1)マイホームを残すことができる場合がある。
(2)借入の原因を問わない。
(3)財産を換価(没収)されることがない(ただし,ローン物件は除く)。
(4)最低100万円は支払わなければならないため,安定した収入が必要。 

 

これらの条件のうち,(1)のために個人再生をご希望されるという方が多いため,今日はこちらに絞って記載してみます。 

 

 

マイホームを残すためには,下記の条件が必要です。

 

①個人再生の分割弁済+住宅ローンの返済ができること

 

マイホームを残す場合,個人再生において減額してもらえるのは,住宅ローン以外の借入のみであり,住宅ローンはそのまま支払っていただかなければなりません。したがって,それを賄えるだけの収入があることが必要です。

 

②マイホームが住宅ローン以外に担保になっていないこと

 

住宅金融支援機構や銀行や信用金庫など,一般的な金融機関の住宅ローンを組んで購入された場合,まず間違いなくマイホームが担保に入っている(抵当権が設定されている)と思います。マイホームが担保に入っていたとしても,これらの金融機関だけであればまったくもって問題ありません。また,いわゆる「諸費用ローン」など,同じ金融機関から2口の融資を受け,2つの抵当権が設定されていることがありますが,このような場合でも問題ありません。

 

ところが,住宅ローンとは関係なく,アイフルやCFJなど,消費者金融が根抵当権を設定している場合があります。アイフルやCFJの根抵当権は住宅ローンではありませんので,このままではマイホームを残すことはできません

 

もっとも,個人再生の申し立てを行うまでに,アイフル等の根抵当権が消えていれば良いため,親族の方等にアイフル等の債務を肩代わりしていただき担保を消した後に個人再生の申し立てを行えば,①の条件は満たすことになります。なお,この場合に,親族等が代わって支払う分には構いませんが,ご自身の財産からアイフル等に返済してしまうと,偏頗弁済となってしまい,間違いなく後々問題になりますので,絶対にそのようなことはしないでください。

 

 

③住宅ローンの残債と住宅の価値を比べたときに,住宅ローンの残債が大きいもしくは同じくらいであること

 

これは,上記(4)とも関係があるのですが,個人再生において支払うべき弁済額は,最低100万円ですが,それ以上に財産がある場合は,そのその財産の額分を支払うこととなっています。
そして,住宅の価値が住宅ローンの残債よりも価値が高い場合には,差額については財産となるため,その分を支払わなければならず,現実的には個人再生ができないことになります。
文字だけだと分かりづらいので具体的な金額を記載します。なお,説明の都合上,住宅以外の大きな財産は無いものとします。

 

(例1)
住宅ローン以外の総債務額→500万円
住宅ローンの残債→1500万円
マイホームの価値→1000万円

上記の場合だと,住宅ローンが1500万円残っているのに対し,マイホームの価値は1000万円しかありませんので,実質的にはマイホームに財産としての価値はありません。とすると,この場合,個人再生によってご返済いただく金額は,500万円の20%である100万円となり,これに加えてこれまで通り住宅ローンをご返済いただければマイホームを残しつつ他の借入について大幅に圧縮することができます。

 

(例2)

住宅ローン以外の総債務額→500万円
住宅ローンの残債→1000万円
マイホームの価値→1500万円

上記の場合だと,住宅ローンが1000万円残っているのに対し,マイホームの価値は1500万円もありますので,実質的にはマイホームの価値は差し引き500万円となります。すると,この場合,個人再生によってご返済いただく金額は,500万円とこれまで通りの住宅ローンとなるため,個人再生を行うメリットがほとんどありません(強いてメリットをあげれば,強制的に無利息での36回分割になることくらいでしょうか・・・)。

 

したがって,何か変な感じがしますが,マイホームの価値が無いほどマイホームを残しやすく,逆にマイホームの価値があるほどマイホームは残しにくいということになります。

あくまでざっくりとした計算ですが,頭金を1割程入れて35年ローンで購入された場合,マイホームの価値が住宅ローンの残債よりも高くなるまでには,15年~20年以上はかかると思います。もちろん,戸建てかマンションかによって異なりますし,人気のある場所かどうか等によって異なるため,最終的には不動産業者さんの査定書を取ってから判断することになります。

 

 

 

以上から,「個人再生=家が残せる!」とお考えの方が多いのですが,実際にはすべての方が残せるわけではありませんので,マイホームを残すために個人再生をお考えの方は,上記についてじっくりご検討いただければと思います。

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