はなみずき司法書士事務所
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6月 06 2009

刑事訴訟法豆知識

一昨日,無実(と思われる)の罪で無期懲役の判決を受けて服役していた方が釈放されました。テレビで大々的に報道されていたので,皆さんご存知だと思います。その中で,「冤罪」の怖さ,そして取り調べの可視化など,多くの議論がされています。こういったある意味メジャーな議論はそこに譲るとして,私は刑事訴訟法の条文について,法律雑学的なものを書いてみたいと思います。

さて,今回釈放された時に,不思議に思われた方はいらっしゃいましたでしょうか?実は,私は「何でいきなり釈放?」と思いました。

というのは,現在,釈放された方は再審請求をしているだけで,無罪が決まったわけではありませんし,それ以前に再審が開始されること自体決まっていません。また,再審の請求をしても刑が停止されることはありません。もし,再審請求をしている間は刑が執行されないとなると,死刑判決を受けた人は死ぬまで再審請求し続ければ死刑を免れることになってしまうからです。

そこで,刑事訴訟法442条を見てみると,ただし書に「但し,管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は,再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。」と規定されており,検察官の判断で執行の停止,つまり,懲役刑の停止→釈放ということができるそうです。なお,この規定が適用されたのは受刑者が病気になった以外では今回が初めてだそうです。

さて,刑事訴訟法には,他にも雑学的な規定があります。

213条→「現行犯人は,何人でも,逮捕状なくしてこれを逮捕することができる。」

現行犯は,誰でも逮捕できます。良くあるのが,電車の痴漢なんかで,周りの乗客が犯人を取り押さえるような場合だと思います。

239条→「何人でも,犯罪があると思料するときは,告発をすることができる。」

告発も誰でもできます。星野さんがまだ中日の監督だった頃,判定に不服(バッター立浪で内角低めのボールをストライク(三振)判定した)があり,主審の橘高審判に暴行を働いたことがあります。このとき,中継を見ていた人が星野監督を暴行罪や傷害罪で告発したそうです(起訴猶予になってます)。

453条→「再審において無罪の言渡をしたときは,官報及び新聞紙に掲載して,その判決を公示しなければならない。」

官報というのはわかるのですが,新聞紙に掲載というのは,どこまでなんでしょうか?主要紙に載せれば良いのでしょうか。とりあえず,私はそのような記事を見たことがありません。


475条→「前項の命令(法務大臣の死刑執行命令)は,判決確定の日から6箇月以内にこれをしなければならない。」

近年において守られたことはないと思われます。ところが,

476条→「法務大臣が死刑の執行を命じたときは,5日以内にその執行をしなければならない」

というのは,必ず守られてるみたいです。

479条2項→「死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは,法務大臣の命令によつて執行を停止する。」

そんなに早く死刑判決が出るのでしょうか。普通,死刑判決が出るような裁判だと判決が出るまでに逮捕されてから1年以上かかると思いますので,死刑判決が出る前に出産していると思います。ただ,裁判員裁判だと早いので,今後はこのような事例が出てくるのかもしれませんね。もちろん,死刑判決を出さなくても良い世の中になれば一番いいのですが。


この法律を使われる立場に陥らないように今後も生きて行きたいと思います・・・。

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