7月 03 2010
悪意の受益者ではないとの立証
何度もこのブログで書いていますし,ネット上でわんさか情報が出てきますので改めて説明する必要は無いと思いますが,ここで再確認。
過払金については利息が付くことがあります。根拠は民法704条です。
すごく端的に言うと,「もらっちゃいけないお金(利息)だって知っていながらもらっていたんだったら,それを返すだけじゃなくて利息も付けて返しなさいね」というものです。この「知っていながら」という部分を法律用語で「悪意」と言います。余談ですが,法律用語の「悪意」は「知っている」という意味であり,「悪い気持ち」のようなものは法律用語としては「害意」と言います。
さて,この相手が悪意だということについては,請求する側が立証しなければなりません。つまり,過払金で言うならば,消費者金融がもらっちゃいけない利息だってことを知っていたということを立証しなければなりません。ハッキリ言ってそのようなことを立証するのは無理です。
ところが,最高裁は平成19年7月13日に「みなし弁済が認められないなら,原則として消費者金融は悪意と推定しますよ」との判決を出しました。
これを立証責任の転換と呼び,みなし弁済が認められないなら逆に消費者金融サイドが「もらっちゃいけないお金だったということを知らなかった」ということを立証しなければ悪意ってことになりますよ,ということになりました。
そして,みなし弁済が認められる可能性は皆無ですので,消費者金融はほぼ悪意ということになります。
ところがところが,さらに最高裁は,この判決を一部修正し,平成21年7月10日に,「任意性の要件を満たさないというだけでみなし弁済が認められないということであれば,他の要件を考慮することによって悪意の受益者ではないということもできる」として,消費者金融が契約書や領収書を適正に交付していたような事実等が立証されれば悪意の受益者ではないかもしれませんよ,ということになりました。
したがって,現在の消費者金融はその契約書や領収書を大量に提出してくることがあります。当事務所では最高300ページくらいの証拠が出てきています。
文章だけだとわかりにくいので,流れを簡単に書くと,
①原則として,請求する側が相手の「悪意」を立証
↓
②最高裁が,立証責任の転換を図り,相手が「善意」を立証する必要あり
↓
③最高裁が,任意性以外の要件を満たしていれば善意になることがあるよと判示
↓
④業者が契約書とか領収書を大量に出してきて立証に励む ←今ココ
ってことです。
ちなみに,名古屋地裁に控訴された案件で,裁判官が「これは善意ですね」と心証開示したことがあり,その案件は判決では無くある程度減額して和解となりました(もちろん本人訴訟)。
ですので,何でもかんでも利息が付くわけではなく,相手の立証次第では利息については負けてしまう可能性があります。
ちなみに,上記の話しは,すべて平成18年1月13日以前に限ります。というのは,平成18年1月13日にみなし弁済が認められないことがほぼ確定しましたので,それ以降に関しては,契約書や領収書がキッチリしていてもダメだってことは知っていたに決まっているからです。
なんでこんな記事を書いたかと言うと,今日の朝,事務所に来たら大量の証拠がファックスで・・・
ということでがんばって反論の準備書面を今から作ります。
コメント記入
You must be logged in to post a comment.


