10月 27 2011
過払金と税金
過払金が返還された場合に,その過払金に税金がかかるか否かについてご質問を受けることがあります。
以下,一般的なサラリーマンや主婦の方について過払金が返還された場合を前提に記載いたします(事業用ローンによって発生した過払金だと結論が異なります)。
例えば,過払金が130万円返還されたとします。この130万円を過払金を過払金元金と過払金に対する利息に分けて考えます。
過払金元金100万円
上記過払金に対する利息30万円
このうち,元金である100万円部分についてはまったく税金はかかりません。というのは,この100万円については,間違って払ってしまったお金をただ返してもらっただけであって新たに所得が増えた訳ではないからです。
つまり,ご自身のお金を銀行に預け,そのお金を引き出したところで新たな収入があったわけではなく,元からご自身のお金だった訳ですから,これに税金がかけられるなんてことはありません。
なので,100万円だろうが1000万円だろうが1億円だろうが,過払金の元金部分については金額に関係なく税金はかかりません。
一方,過払金に悪意の受益者としての利息を付けて返してもらった場合,この利息部分は雑所得となり,他の雑所得と合わせて20万円を超えると申告し納税しなければなりません。
上記の例で言うと,お金を銀行に預けて利子(利息)が付いた場合,その利子については新たな所得ですから,利息部分に税金がかかるというのは当然の話となります(ただし,銀行預金の利子は雑所得ではなく利子所得になります)。
なお,税率は,給与所得等,その他の所得も踏まえて総合的に決まりますので,利子所得のように一律20%というようには決まってはおりません。
これらについては,下記の国税庁のホームページにも記載がございますので,ご覧ください。
→返還を受けた利息制限法の制限超過利息(国税庁HP)
では,過払い請求を弁護士や司法書士に依頼した場合の報酬だったり,訴訟をして取り返した場合の訴訟費用等を経費として所得から差し引くことができるのでしょうか。
素直に考えれば,過払金を返してもらうために弁護士等に依頼し,裁判費用を遣っているので経費として差し引けるのではないかと思いましたので税務署に聞きましたが,何とともに経費としては引けないとの回答でした。
そこで,私ではまったく理解できないので,顧問の税理士さんに再度質問し,税務署と打ち合わせをしていただいたところ,弁護士等の報酬については按分した金額については差し引けるが,訴訟費用については差し引けないとの回答でした。
具体的な数字で計算すると,当事務所の場合,過払い報酬は21%ですので,仮に上記のとおり130万円が返還された場合は,130万円×21%=273000円が報酬となります。そして,130万円のうち30万円が利息ですので,273000円×30/130=63000円は経費として差し引けるということになります。
そして,利息は30万円ですので,63000円を差し引いた237000円が雑所得として課税されることになるようです。
一方,訴訟費用については,訴訟自体が過払金元金の返還を主目的にするものであり,また,訴訟費用が元金をベースに計算されていることを理由として差し引けないとのことでした。
中には,元金だけなら返還するけど,利息を請求するなら訴訟してくれという業者もあります。そうすると,税務署の言うように訴訟の主目的が過払金元金という訳ではなく利息部分ということだってあるので,何とも腑に落ちないところもあるのですが,税務署はそのように考えているようです。
以上から,税務署と相談をしたり,また顧問の税理士さんに質問していただいたりして一定の回答は出ておりますが,税務署の方もあまり理解していない感じであり,今後の事例の積み重ねによっては結論が変わる可能性がありますので,最終的にはお近くの税務署にて直接ご確認をお願いいたします。
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