10月 10 2009
都合の良いことばかりではありません
最近,やたらとテレビやラジオ,さらには電車やチラシなど,弁護士や司法書士の広告が非常に目立ちます。そして,大きな文字で,「お金が返ってきます」とか「借金がなくなりました」とか良いことばかりが書いてあります。
しかし,当然そのようなことばかりではなく,良くないこともたくさんあります。上記の広告にも書いてありますが,極めて小さい文字で書かれています。
したがって,今回は悪いことのみを記載してみようと思います。
1・過払金が発生していても必ず返ってくるわけではありません。
計算上,過払金が発生していることと,現実的に手元にお金が返ってくることはまったく別問題です。その理由としては,次の点が考えられます。
(1)業者が倒産している。
これは請求先が存在しないので,返還請求できません。
(2)業者の財政事情に問題がある。
これが1番大きな理由ですが,現在は勝訴判決をとっても無視する会社まであります。当然,そのような会社に対しては強制執行をすることも考えられますが,本当にお金がない会社ばかりなので,強制執行が成功することは極めて稀です。
なお,判決を無視するのは犯罪ではないか,と質問をお受けすることがあります。確かにお気持ちはわかりますが,判決を無視しても上記の通り強制執行をされるだけであり,犯罪になることはありません。ただし,財産を隠したり強制執行を妨害したりすればそれは犯罪となります。
2・過払金が取り戻せる会社だとしてもすぐに返還されるわけではありません。
過払金が発生し,相手にも資力があってもすぐに返還されるわけではなく,通常は数ヶ月先に返還されます。これは,一般の会社の常識として稟議や上司の決裁など,段階を踏んでから支払いがされますのでしょうがないものであり,また,会社の資金繰りの問題もありますので,これも仕方がないと思っています。
3・裁判をすれば必ず勝てるわけではありません。
もちろん,依頼者のために全力で戦いますし,実際に私は1度たりとも負けたことはありませんが,最高裁判決の中には業者側に有利な判決も多く存在します。したがって,業者が証拠をそろえていれば,分断の主張が認められることがあるでしょうし,消滅時効が認められることもあるでしょうし,悪意の受益者が認められない(利息が認められない)こともあると思います。
過払い訴訟のすべてが甘いわけではありませんし,簡単なわけでもありません。そして,必ず勝てる訳ではありません。
4・任意整理の場合に,必ず無利息になるわけではありません。
任意整理や特定調停を行った場合に分割弁済となる場合は,通常は無利息での分割となります。しかし,これはあくまで業者にお願いをしているのであって,法律上,当然に無利息になるわけではありません。近時,アイフル等が分割弁済の無利息の和解案を飲まなくなってきていますし,とある会社は「任意整理は拒否,裁判所の決定も異議を出して効力を失わせる」など,まったく話に応じない会社もあります。
ということで,依頼者の数が減ってしまいそうな記事ですが,今後のトラブルを避けるためにも,過払い請求や債務整理をお考えの方にはご理解いただきたいと思い,今回の記事を書いてみました。
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