はなみずき司法書士事務所
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4月 12 2013

過払い利息の充当に関する最高裁判決

あまり大した影響は無いと思われますが,借主側に有利な最高裁判決が出ましたのでご紹介いたします。 

 

まず,判決内容の前提として何が問題となっているかを記載いたします。

法定利率よりも高い利率で取引を継続していた場合,とある時点から過払いになります。しかし,借主としては取引をしている時点ではどの時点で過払いになっていることを知らないため,過払になった後にまた借り入れをする場合があります。 

 

例えば,

 

平成25年1月1日時点の借入残高が法定利率で計算すると,残り1万円だったとします。

平成25年1月1日に2万円を返済したとすると,法定利率だと逆に1万円の過払いとなります。この過払いになった時点で,通常,貸金業者は「悪意の受益者」として,1万円だけではなく,1万円+返済するまでの利息(年5%)を付けて返還しなければなりません。

平成25年2月1日になると,過払金1万円に対して1か月分の利息が付きます(実際には毎日利息は付いています)。1万円の1か月分の利息は約42円ですので,平成25年2月1日時点での過払い金は1万円+過払い利息42円の合計10042円となります。

平成25年2月1日に5000円を再度借り入れたとします。ただし,計算上は,5000円は借り入れをしたのではなく,過払金の一部として5000円を返還してもらったとして計算をします。

 

<ここからが争いのポイント!>

 

平成25年2月1日時点で,10042円から5000円を差し引いた5042円の過払金が残っていることとなるのですが,この内訳が争いになっています。
つまり,この5000円を過払金から差し引く場合に利息から充当するとなれば,まずは過払い利息42円,続いて過払金元金の1万円から4958円を差し引き,過払金元金として5042円が残っていることとなり,以降,全額返還してもらうまで5042円に対して利息が付いていきます

一方,利息には充当せず,過払金元金に充当されるとすると,過払金元金1万円から5000円を差し引くこととなるため,過払金額5000円と利息42円が残っていることとなり,利息に利息は付かないため,以降は5000円に対して利息が付いていきます
つまり,前者だと過払金元金と利息はまとめて清算,後者は元金と利息を別途清算するという内容になり,借主側としては前者の方が過払金元金が大きくなる結果,有利となります。

 

 

ということで,最高裁判決です。
最高裁サイト
判決全文(PDF)

 

内容としてはあっさりしたもので,「過払金について発生した法定利息を過払金とは別途清算するというのが当事者の合理的な意思であるとは考えにくいから,過払金について発生した法定利息の充当につき,別途合意があると評価できるような特別な事情が無い限り,まずは法定利息に充当し,その後に過払い金の元本に充当すべきである。」としております。

 

ということで,過払金発生以降に借り入れをした場合には,まずは過払い利息に充当され,その後に過払金元金に充当されるということで確定いたしました。

 

 

なお,上記説明は42円という微々たる金額の差になっておりますが,取引が長い場合だと,ものすごい差が出てきます。実際に現在進行形で当事務所で進めている事件でも,充当するかしないかで100万円以上差が出ています
また,充当すると過払いになるけど,充当しないと未だ借り入れが残るというケースもありますので,かなり重要な論点であることには間違いありません。ただ,現実的に,業者は充当うんぬんという次元ではなく,そもそも過払い利息自体が発生しないという形で争ってくることがほとんどであり,実際過払い利息が発生した場合には,この充当で争ってくることはあまりありません。この点で争ってくるのはアイフル株式会社くらいだと思いますが,少なくとも当事務所ではこの論点で負けたことはありませんし,負けたという話もあまり聞きません(もっとも,今回の最高裁判決の原審の大阪高裁では負けているようですが・・・)。

 

いずれにしても,良い内容であることには間違いありませんので,この点については対応が楽になりましたね。

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