はなみずき司法書士事務所
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12月 13 2011

いかに回収するか

先日,フロックスの記事でも書きましたが,現在は判決を取っても素直に支払ってくる業者は少ないため,強制執行をして回収を図ることが多々あります。 

 

そもそも判決(勝訴判決)というものは,その判決書をどこかの銀行に持っていけば現金に換えてもらえるものではなく,単に「(法の手続に乗せた上で)強制的に取り立ててもいいよ」というお墨付きを国からもらうに過ぎません。したがって,何年もかけてやっとのことで勝訴判決を取ったとしても,相手にお金がなければ,いくら強制的に回収しようにも無い袖は振れませんのでその判決書は単なる紙切れにしかならないこととなります。
もっとも,破産等をしていない限り,まったくお金がないという個人や会社はなかなかいません。個人であれば毎月入ってくる給料を押さえることで回収することができますし,会社であれば,今はなくても将来入金されるであろう口座をタイミング良く押さえることで回収することだってできます。

ただ,いつ入金があるのかわからないため,この「タイミング良く」というのがなかなかうまくいきません・・・。 

 

また,支払いをしない業者は多くの人に払っていないため,差押えが競合することがあり,口座にお金が入っていてもほとんど回収できないことが往々にしてあります。
例えば,10万円の債権を持っていて,業者の口座を押さえたところ,20万円が入っていたとします。他に差し押さえた人がいなければ全額回収できます。ところが,別の人も同じ口座を押さえており,しかもその人の債権額が1000万円だったとします。この場合,口座に入っている20万円を10対1000の割合で均等に分けることになるため,実際には2000円程度しかもらえません。強制執行の費用だけで1万円程度の実費がかかるため,完全に赤字です
こうなるともうお手上げです。回収する術がありません。もちろん,強制執行は一度限りではないため,何度も強制執行をすれば回収できるかもしれませんが,時が経つにつれて競合する人がどんどん増えていきますので,なかなかうまくいきません。 

 

ですので,このような場合には,残念ですが低い割合で和解をするということも検討しなければなりません。 

 

随分前の話ですが,アエルという会社があり,今は民事再生をして一律5%しか返還されないこととなっております。このアエルに対して110万円程度の判決を取得しましたが,アエルの状況が悪くなりそうだったので,アエルが倒産する少し前に依頼者の同意を得て100万円で和解し返還してもらったことがあります。
もし,和解していなければ5%まで減額されているので5万円程度しか返還されませんでしたので,和解は大正解でした。
同様に,先日倒産した武富士についても昨年の夏頃に判決を取ったものの8割程度まで減額し,9月上旬に返還してもらったケースがありました。武富士はその後9月下旬に倒産していますので,もし,2週間遅れていたら3.3%まで減額されていたことになります。 

 

 

今は多くの業者が倒産の危機に瀕しており,特にネオライン系列の業者は今後どのようになるのかさっぱりわかりません。ですので,せっかく判決まで取ったのに減額するのは納得できないというのは,完全に仰るとおりですし,私も腹が立って仕方がありませんが,万が一倒産したときのことを考えると,回収のためにはやむを得ず和解をするという選択肢もあるものと思っています。 

 

 

ただ,この見極めが大変なんですけどね・・・。

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