10月 21 2011
ヤミ金の話
「ヤミ金」
ざっくり言えば,貸金業登録をせずに貸金業を営んでいたり,貸金業登録をしていたとしても,法定利率を上回る金利で貸付を行っている人や業者のことを言います。
一昔前は,貸金業登録だけはしているケース(いわゆる「都(1)業者」)もあったかと思いますが,今はほとんど無登録の業者ばかりだと思います。
さて,そんなヤミ金から借りてしまった場合の対処法なんですが,法的には何ら負けることはありませんが,現実的にはかなりやっかいです。
まず法的な観点だと,ヤミ金から借りたお金については元金も含めて一切返済しなくても良いことになっています。
その根拠は,民法708条で「不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない」と規定されているためです。例えば,覚せい剤の売買契約を締結し,代金を支払わなかったとしても,訴えでその代金を請求することはできない,ということになります。だって,覚せい剤の売買自体が犯罪ですからね。そして,ヤミ金業者が貸金業を行うこと(お金を貸すこと)も犯罪ですので,その犯罪行為によってお金を渡したとしてもその返還請求はできないこととなりますし,すでに返済したお金はヤミ金業者より返してもらうこともできます。この理屈は最高裁でも認められています。
→最高裁サイト
→判決全文(PDF)
ところが,法的にはそうであったとしても,現実的にはなかなかそうも簡単にいきません。だって,もとから法律の枠外を生きている人たちですからね。
もっとも,弁護士や司法書士,警察が入ったことによって,今後の請求をしてこないというケースはかなり多くあります。
先日,1人で20社近くのヤミ金から借り入れされている方のご依頼をお受けし,すべての業者に当事務所から連絡しましたが,ほとんどの業者が以降の連絡はしてこなくなりましたし,残る業者も数日後には連絡してこなくなりました。
ただ,なかなか気合いの入った業者もあり,1ヶ月経っても毎日のように連絡してくる業者もあります。そんな業者に対しては,着信拒否をしてもらったり,銀行の口座凍結の申請をしたりして戦いますが,いくらでも携帯電話を仕入れてきては電話をかけてきますし,銀行口座も次々別の口座を指示してきます。そのような場合はもうただただ耐えるしかありません。完全にガマン比べです。
なお,ヤミ金から借りる際に,ご家族や勤務先等の連絡先を伝えてしまっていると思いますので,当然ご家族等にもご協力をお願いすることになります。
たまに,ご家族に内緒でやりたいという方がいらっしゃいますが,上記の通り,弁護士等が連絡することで止む業者もありますので,そのような場合には内緒でできると思いますが,気合いの入った業者だと内緒で進めるのは難しいと思います。
また,業者に対しての返還請求についてですが,これはもう極めて厳しいです。というのは,返還請求するためには,相手を特定しなければなりませんが,そもそもヤミ金業者は携帯だけの繋がりというのがほとんどですので,相手を特定することができません。
なお,口座の凍結が成功し,口座にお金が残っていれば,「犯罪被害財産等による被害回復給付金の支給に関する法律」により返還されることもありますが,ヤミ金は振り込んだらすぐに口座から引き出してしまうため,現実的にはなかなか難しいと思います。
したがって,結論としては,「返済しないことを告げてあとは耐える」しかありません。
そして,極めて当たり前ですが,「ヤミ金から借りない」ということに尽きます。ヤミ金被害がなくならないということはヤミ金から借りている人がたくさんいるということです。ヤミ金から借りてしまえば,法外な利息を取られ,返済できなければ家族や勤務先にまで嫌がらせをされるんです。場合によっては離婚問題や退職勧告ということにもなりかねないような重大な事態に陥ってしまいます。さらに,大阪ではヤミ金の取立を苦にした心中まで起こっています。
→記事
「ほんの数万円」が人生を狂わせるんです。何度も言います。
「ヤミ金から借りないでください!」
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