2月
16
2009
昨年2月に民事再生の申立を行ったアエルから再生計画案が送付されてきました。以下,超簡単に概要を記載いたします。
<民事再生に至った原因>
過払金返還請求の急増及びサブプライム問題を契機とした世界的な金融危機により資金繰りが悪化した。
<今後の収益について>
債権回収業務を行い,その報酬を原資として弁済していく。なお,民事再生とは言っても,債権回収業務が終われば会社は存続しなくなるので,実質的には清算に向かっている手続である。
<財産及び負債状況>
総財産は約91億円に対し,負債は約1200億円であるため,仮に破産を選択した場合,債権者(過払金返還請求権も含む)に対する配当はゼロである。
<過払金の取り扱いについて>
(1)弁済率
弁済割合は5パーセントであり,一括弁済である。ただし,認可決定確定の3年後に追加で弁済する可能性がある。
(2)取引履歴の開示等
取引履歴の開示は請求があれば行うが,アエルから積極的に連絡することは無いし,引き直し計算等は行わない。これは,アエルが自ら行おうとすると20年以上かかり,事実上不可能である。また,一部の完済した顧客に対して通知を行ったが,逆に督促などと勘違いされ,実際に顧客,消費者センター,警察からの苦情が殺到したからである。
(3)潜在的過払金返還請求権の取り扱い
現在,過払金返還請求を行っていなくても,今後アエルが存続している限りにおいては,認可決定で認められた割合に従って返還する。
という内容です。同じように民事再生を行ったクレディアは30万円以下は全額,それ以上も40パーセントという割合だったため,それと比べると,かなり低いように思われると思います。
しかし,クレディアは,かざかファイナンスというスポンサーがつき,現在は「フロックス」として,貸し出しも行っています。それに対し,アエルはスポンサーがおらず,実質的には清算型である以上,破産と殆ど変わりませんし,今後の業務についても譲渡担保に供した債権回収を行い,その回収業務の報酬しか収入源が無いわけですから,正直,破産でもおかしくありません。
よって,私の個人的な考えとしては,5パーセントでもやむを得ないのではないかと思っています。
なお,上記の概要は私が再生計画案を見て,端的にまとめたものであり,細部については誤っている可能性もあります。正確な情報は,アエルから送付される再生計画案をご覧ください。
2月
06
2009
今年から裁判員制度が始まり,幸か不幸か,すごい低い確率で裁判員に選ばれた方は裁判官とともに有罪無罪及び有罪の場合はその量刑についての判断をすることとなります。
また,元裁判官のタレントさんなど,裁判官という職業が以前と比べて近くに感じられるようになったと思います。
私自身,今の仕事を始めるまで「裁判官」という職業の方とお会いしたことはありませんでしたので,漠然とですが,良く言えば「まじめ」,悪く言えば「カタブツ」というか,融通が利かないようなイメージがありました。
ところが,実際にお話ししてみるとそのような方ばかりではなく,ユーモアに満ちた方や人情味溢れるような裁判官もいらっしゃいます(とは言っても,やはり堅い感じの方が多いのもまた事実です・・・)。
その中でも先日は失礼ながら裁判中に私が爆笑してしまった裁判官がいらっしゃいました。
そもそも訴訟において裁判官の役割というのは,原告,被告の意見を聞いて最終的な判断(判決)をするのがメインの仕事ですが,その前の訴訟の進行についての指揮(訴訟指揮)をしたり,場合によっては間に入って当事者に和解を勧めたり(和解勧試)という,様々な役割があります。ただ,判決を出すにも和解を勧めるにも,まずは原告や被告の意見を聞かなければなりませんので,裁判官はあまり前面には出てきません。
ところが,先日の裁判官は,自分からグイグイ原告,被告に対して質問をしまくり,途中からはかなり自分勝手な推測を交えつつ,勝手に和解に向けて訴訟指揮をしまくっていました。
「(被告に対して)・・・ってことは,勘違いしちゃったんだよね?うん。そうだよね。じゃ~,しょうがないよね~。」
「(原告に対して)じゃ~,原告さんもこの辺で折れてあげてよ。いいでしょ。ね。え?ダメなの?いやいや,これ以上やっても被告もかわいそうでしょ。この辺が手の打ちどころでしょ。ね。」
という感じで,原告や被告の意見はほとんど聞かず,超強引に和解を締結してました。
私はこの事件の代理人ではなく,順番を待っているときに傍聴しただけなので,最後までの詳細はわかりませんが,原告にとってはかなりやりにくい,被告にとっては非常に助かる裁判官だったと思います。ぶっちゃけ,居酒屋で飲んだくれてるオヤジさんと何ら変わりません・・・。
他にも,破産審尋の際の裁判官で,破産申立をした奥さんではなく,一緒に同行したご主人さんに対してもっと頑張るよう涙の出るような感動的な説諭している裁判官もいましたし,裁判の途中で突然法廷を出て電話で裁判官が交渉するようなこともありました。
いずれにしても,私が出会う裁判官は,もちろん法律を違反するわけではありませんが,法律の範囲内であればかなり柔軟に,かつ当事者の納得できる内容で事件を解決させようとする裁判官が多いように思います。
事件の詳細を書くことができないので,なかなかうまく伝えることができないのがもどかしいんですが,カタブツな方だけではなく裁判官も面白い人がいますよ,という話でした。
全国の裁判官が先日の「居酒屋裁判官」のような方ばかりだったら,長いと言われる日本の裁判も短くなるかもしれませんね。ただ,強引過ぎて苦情が出まくりのような気もしますが・・・。
1月
27
2009
今週木曜日まで私自身がほとんど事務所にいないため,日中にいただいたメールについては
2時間以内に回答させていただく事が難しいと思います。
順次回答させていただきますので,しばらくお待ちいただければと思います。
以上,お知らせでした。
1月
22
2009
本日,消滅時効の起算点についての最高裁判決が出ました。
→記事
昨年から業者側がかなりの主張をしていた論点であり,「取引の分断(充当方法)」,「消滅時効の起算点」の2つのホットな争点のうちの1つでした。このうち,「取引の分断(充当方法)」については,昨年の1月に最高裁判決が出ており,どちらかと言えば消費者にとって不利な判決でした。
それに対し,今回の最高裁判決は消費者側にとって非常に有利な判決となっており,今後優位に交渉が進められることが期待できます。
なお,まだ判決全文を見ていないので詳細はわかりませんが,内容としては次のとおりだと思われます。
前回のブログ記事として記載のとおり,グレーゾーン金利での借入れであり,すでに完済をしているか,一般的に7年以上取引を継続していれば,それ以降の返済については過払いとなり,その分については返還してもらうことができます(これを「過払金返還請求」といいます)。しかし,民法166条及び167条において,権利を行使することができるときから10年間請求しなければ消滅してしまうよ,ということが規定されておりますので,10年間請求しないと返還してもらえないことになります。
では,この「権利を行使することができるとき」,別の言い方だと「10年の起算点(スタートする日)」はいつになると思われますか?
ここで,大きな争いがあったのですが,消費者側と業者側で次の2説が争われていました。
①取引終了時説
これは,民法166条に規定されている「権利を行使することができる」という状況は,「取引が終了したとき」である。だって,取引の途中で過払金が発生していることなんか普通は知らないじゃん?だから,現実的に過払金を請求できるのは取引が終了したときが時効の起算点である,という説です。消費者側はこちらを主張します。だって,時効になってしまうと消えてしまうわけですから,時効の起算点は遅いほうがいいですよね。
②個別進行説(随時進行説)
これは,過払金が発生すれば,法的には請求できるわけだから,過払金が発生したその都度,時効は進行するという説です。この説の場合,返済をする毎に時効が進行していくため,過払金を請求した日から10年以上前の分は全部時効で消えてしまいます。
これだけ書いてもわかりにくいので,具体例で説明します。
例えば,利息制限法の正しい利息で計算した場合,平成10年9月30日の段階で40,000円の借金が残っているとします。
平成10年10月1日 10,000円返済 残債務30,000円
平成10年11月1日 10,000円返済 残債務20,000円
平成10年12月1日 30,000円返済 残債務-10,000円
平成11年1月1日 20,000円返済 残債務-30,000円
平成11年2月1日 30,000円返済 残債務-60,000円
平成11年3月1日 30,000円返済 残債務-90,000円(取引終了)
という取引があったとします(残債務に利息がついていないのがおかしいですが,それは無視してください)。
ここで,本日(平成21年1月22日)90,000円の過払金の全部を請求するとします。ここで①の説をとった場合,消滅時効の起算日は平成11年3月1日となりますので,平成21年3月1日24時まではまるっと90,000円の請求ができます。しかし,②の説をとった場合,過払金が発生する都度,消滅時効は進行していきますので,平成10年12月1日に発生した10,000円の過払金は,平成20年12月1日24時をもって消滅します。同様に,平成11年1月1日に返済した20,000円の過払金も平成21年1月1日24時に消滅しているので,本日請求するとしたら,平成11年2月1日及び3月1日に返済した合計60,000円の過払い金しか請求できないことになります。
この例だとあまり大きな金額にはなりませんが,昭和から取引をされているような方だと,利息も含めると数百万円単位で変わってきます。
よって,この判決のもつ意義はかなり大きいと思われますし,業者にとっては大打撃の判決だと思います。
ちなみに,この消滅時効の争点については,裁判官の間でも結論が分かれており,名古屋地裁においては五分五分くらい,名古屋高裁では4分の3で勝訴判決が取れたそうですが,福岡,岐阜の裁判所では全敗だという話しを聞いていましたので本当によかったです。
ここ何回かの最高裁判決はどちらかと言えば業者寄りの判決が多かったため,ちょっと安心致しました。
1/23追記
最高裁に判決がアップされました。
→最高裁サイト
→判決全文(PDF)
なお,判決を読むと「継続的な金銭消費貸借取引」,「過払金をその後に発生する新たな借入金債務に充当する旨の合意を含むもの」となっているので,証書貸付のような,再度の貸付が想定されていない取引による過払金については適用がないような気がしますが,一般的な消費者金融及び信販会社との取引は「継続的な金銭消費貸借取引」ですので,大きな問題は無いと思います。
1月
16
2009
久しぶりのまともな更新です。ただ,今月は大学の定期試験もあり,なかなか更新が難しい今日この頃です・・・。
昨年同様,すでに借入れは残っておらず過払金を請求したいというお問い合わせが多くあります。基本的には,①借入れ時の金利が利息制限法を超過利息(いわゆる「グレーゾーン金利」)であり,②すでに完済している,ということであれば,ほぼ間違いなく過払いは発生していると思います。ただし,昨今の金融情勢等から,消費者金融の経営自体が厳しくなっており,すでに業者が倒産していたり,もしくは判決を無視するような業者が相手だと,法的に請求は可能でも実際に返還されないということはあります。
さて,今回の記事は,過払いについて同じようなご質問を何人かの方からいただきましたので,念のため書いてみたいと思います。というのは,現在,借入れが残っている方の過払い請求です。
こちらのページにも記載のとおり,一般的には7年程度借入れを継続していれば,こちらの取引を正しい利息で計算することにより,借金が無くなり,それ以降の返済については過払いになるケースが多くあります。つまり,私たちが言うところの「過払い」というのは,現在の残債が無くなったあとのさらに支払った分のこと,言い方を変えると「返してもらえるお金」を指しています。
最近良くあるご質問で「2年前から取引をしているので,2年分の過払い金を取り戻したい」というような内容のご質問があります。確かに,2年間取引をされており,借入れの金利がグレーゾーンであれば,本来は支払わなくても良い金利を支払っていると思います。しかし,2年程度の取引であれば元本までゼロになるほど支払いすぎているということは考えにくいため,現在の残債が減りはしますが,お金を返してもらえるということはありません。
なお,このように現在の残債について払いすぎた分を減らし,さらにその残った金額を一括や分割で返済する交渉のことを「任意整理」,もしくは「特定調停」と言い,債務整理手続の一つとなります。
我ながら説明の仕方が下手だなぁ,と思いますが,一般の方にはわかりにくいお話かと思いますので,ご不明な点がございましたら,メールやお電話にてご質問ください。
以上,過払いについてのお話でした。
1月
06
2009
1日遅くなってしまいました明けましておめでとうございます。
昨日より本年の業務を開始しておりましたが,年末年始のメールの確認及びご相談等,通常よりも忙しい状況だったためブログの更新ができませんでした。
今年もすでに多数のご相談をいただいており,昨年同様忙しい1年になりそうです。
皆様,今年もよろしくお願いいたします。
12月
26
2008
本日をもって事務所の年内の業務は終了いたします(私個人としては29日まで仕事をしています)。今年も多くの方々よりご依頼をいただき無事に1年間大きなトラブルも無く終えることができました。
今年1年の感想としては,債務整理のご依頼に関しては,日数の関係から1月は他の月よりもご依頼が少ない傾向にあったのですが,むしろ1年で1番多くのご依頼をいただくなど,年初より忙しい日々を過ごさせていただきました。そして,昨年以上に,これまでご依頼いただいた方の知り合いの方からご依頼をいただくなど,HPからのご相談よりもご紹介でご依頼いただくことが益々多くなりました。ご紹介していただけることで,当事務所の業務について一定程度のご満足をいただけていることの証左であると勝手に判断し,うれしく思っています。
また,債務整理業務に関しては,3月にはアエルの倒産,9月には三和の破産申立など業者の体力が衰えていく中,判決を取っても無視されたり,控訴されたりと,お金の無い会社からいかに過払金を回収するかといった,どちらかというと法律以外の部分で苦労をした1年でもありました。もちろん,消滅時効の論点や充当計算の論点など法律の部分も多分に争いがあり,特に消滅時効の論点については来年1月に最高裁で弁論が開かれるため,最高裁の判断に期待したいと思います。
次に,不動産登記や商業登記といった登記のご依頼も昨年より多くのご依頼をいただいているにも関わらず,今年から始まったオンライン申請での減税措置により,事務所からオンラインで申請を行うため,司法書士なのにあまり法務局に行かなくても良いという,科学技術の発展によって「ご依頼は多くてもあまり大変じゃない」という時代の進歩にも助けられました。
にもかかわらず,多くの司法書士はオンライン申請をあまり行っていないそうですので,どうしてこんな便利な制度を活用しないのか甚だ疑問です。特に相続登記はオンライン申請の減税効果がかなり大きいため,相続登記がお済でない方のご依頼をお待ちしております!と,軽く営業をしてみました(笑)
さて,昨年も記載いたしましたが,この年末年始だけが唯一気の休まるひと時です。やはり司法書士といえども自営業者である以上,事務所経営のことも考えなければなりませんし,それ以上に,継続中の裁判や和解が困難な任意整理案件等,休みのときにも時間があればあれこれ考えてしまい結局あまり休めていないということが多くあります。
この1週間で心身ともにリフレッシュし,来年もがんばりたいと思います。
実は,10月から今月中旬までは怒涛の忙しさで,なかなか休みも取れない日が続き,体調のあまり良くなかったところに,インフルエンザA型の体内侵入を許してしまいました・・・。
タミフルによる異常行動を起こさないよう,ひっそりと年末年始を過ごしたいと思います。
寒い日々が続きますので,皆さんはお身体にはくれぐれも気をつけて素敵な年末年始をお過ごしください。
今年1年ありがとうございました。
12月
15
2008
12月26日18時をもって本年の業務を終了し,
平成20年12月27日~平成21年1月4日
を年末年始のお休みとさせていただきます。
来年は,1月5日午前9時より業務を始めさせていただきます。
以上,年末年始のお知らせでした。
12月
08
2008
本日8時45分頃にアドレス「sma~@softbank.ne.jp」(※一部省略)の方よりご相談のメールをいただきましたが,アドレスが誤っているか迷惑メール対策によりデリバリーエラーとなってしまいました。
お手数ですが,再度info@8732ki.comもしくは0561-61-1514までご連絡をお願いいたします。
以上,お知らせでした。
11月
26
2008
先日,三和ファイナンスがかざかファイナンスの支援を受けて破産を回避し,過払いについては判決を取ったものから順に返済されている旨記載いたしました。
→ブログ記事
その後,三和ファイナンスはSFコーポレーションに商号変更をし,社長などの役員も破産回避のために支援をしてもらったかざかファイナンスの人間に変わっています(つまり,乗っ取られてます)。そして,昨年倒産したクレディアの承継会社(分割会社)であるフロックスもまったく同じです。
フロックスは先日も記載いたしましたが,過払いについては再生計画案を無視するような信じられない対応をしており,債務が残るものについても一括弁済以外は受け付けないという,かざかの方針により和解できない会社に生まれ変わってしまいました。
そんなかざかの支援をうけている三和ですので,いつまでも全額返済されるわけがないと正直不安でした。ただ,こちらから三和に連絡をしても「順番にやっていますので,後日連絡します。」との回答なので,全額返済すると言っている以上,こちらはただ待つのみの状況でした。
ところが,
今日連絡があり,「判決のうち,元金の6割しか返還できない。」とある意味予想通りな回答がありました・・・。しかも,担当者に聞いたところ,「かざかの指示です」というどこかで聞いたことのあるフレーズが返ってきました。
やっぱり三和,というかかざかはこのような会社ですので,今は6割と言っていますが来年には3割とか1割とか言い出すかもしれません。
現在当事務所では,三和に対する判決も控訴されるようになり,何かとやっかいな会社なんですが,今後もこのような残念な状況が続くみたいです。