はなみずき司法書士事務所
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9月 11 2012

破産したクラヴィスが反撃

先日,クラヴィスという消費者金融が破産申立をした件について記事を書きました。
記事

 

このクラヴィスという業者は一時期,プロミスの子会社となったものの,その後ネオライングループに売られ,用済みとなったところでネオライングループは株式会社バッカーズに株式を譲渡し,その後クラヴィスは破産しました。現在は,裁判所より選任された管財人が,クラヴィスの持っている財産を現金化して,少しでも多くの方に過払金を返還すべく手続を進めています。

 

今回,この破産手続に際して,プロミスの子会社時代の契約について問題となっています。
記事

 

というのは,クラヴィスがプロミスに売られた際に,クラヴィスが持っていた貸付債権についてはプロミスにすべて譲渡しました。ところが,譲渡した貸付債権の中には過払いになるものも含まれていたところ,その過払いになった分についてはクラヴィスがプロミスに対して全額補填していたそうです。そうすると,プロミスは譲渡を受けた債権は回収すれば良いし,仮に過払いになったとしてもクラヴィスから補填されていたので,貸し倒れが無い限りまったく損はしないことになります。しかもこのような補填はプロミスがネオライングループに株式を譲渡し,さらにネオライングループが株式会社バッカーズに譲渡した後も続いていたそうです。

債権者説明会資料(PDF)

このようなプロミスとクラヴィスとの契約は,破産状態にあるにも関わらずプロミスのみを優遇して取引をした(偏頗弁済)のではないかと,クラヴィスの管財人は考えているようです。

もし,クラヴィスの管財人の主張が通れば,約2400億円の負債に対し,1億弱のお金しか持っていないクラヴィスからいくばくか回収できると思います。

 

もっとも,負債総額が約2400億円ですからね・・・。かなり大変そうです・・・。

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9月 10 2012

包括的和解契約?

とある某社。

数年前より危ない危ないと言われ続けながらも,現在も貸付等を行い通常営業をしております。

 

この業者は,過払金については某社と事務所との包括的な取り決め(以下,「包括的和解契約」と言います)をするよう求めてきており,わざわざ事務所まで説明に行きたいとまで言ってきます。

この「包括的和解契約」というのは,今後ご依頼を受けた過払金の回収について,「一律○%で和解してください。もし,この条件を飲んでもらえれば○ヶ月後に必ず返還しますし,借入が残る方についても柔軟に対応します。」というようなものです。
このような提案について,相手も仕事としてそのような提案をしている以上,まったく話を聞かないのは社会人として失礼かと思いますので,電話で内容を聞いたり,裁判所で直接会った際に説明を聞くことはあります。
しかし,少なくとも当事務所ではこのような包括的和解契約を某社に限らずどの業者とも締結したことはありませんし,今後も締結することは絶対にありません

なぜなら,過払金は依頼者の権利・財産であって,ご依頼を受けた弁護士や司法書士が勝手に減額して良いものでは無いからです。
もし,包括的和解契約をして,一律○%で和解してしまったら,満額との差額については依頼者の許可無く減額することになってしまいますよね。

 

したがって,当事務所においてはご依頼いただいた依頼者に対して,

 

「某社の状況はこういう状況にあり,万が一倒産してしまった場合には,最悪1円も返ってこない可能性があります。ですので,安全策をとられるようであれば減額をしてでも和解をして早期に返還してもらった方が良いと思います。逆に,和解をせずに訴訟を提起した場合,少なくとも現時点では勝訴判決が確定すれば1円単位まで全額返還されています。倒産リスクはありますが,返還されるまでに倒産しなければ和解した場合より何倍もの多くのお金が返還されます。以上を踏まえて,どうされますか?」(この説明は非常にざっくりと書いておりますが,実際には某社の株価の状況やB/S等の状況も踏まえて説明させていただいております)

 

というように,最終的なご判断は各依頼者にしていただいております。依頼者が,減額されてもいいからスグに手元にお金が欲しいということであれば和解すべきでしょうし,時間がかかってもいいから全額回収したいということであれば和解せずに提訴ということになるでしょう。繰り返しになりますが,過払金は依頼者ご自身が自由にできる権利・財産です。ご自身がご希望されるように私たちは手続を進めるだけです。

 

ところが,残念なことに某社から提案を受けて包括的和解契約を締結する事務所も中にはあるそうです・・・。最初に包括的和解契約の話を聞いたときには,そんなん締結する事務所なんかあり得んだろうと思っていましたが,本当にあるそうでたまげましたね。

 

 

 

また,この某社はあまり和解をせず,訴訟→全額回収をしまくっている弁護士や司法書士に対して嫌がらせ的に懲戒請求や苦情申立などを行っているそうです。
懲戒請求や苦情申立をされたところで,おかしな事をしていなければ何らかの処分等をされることはありませんが,その反論の為にたくさんの書類を準備したり作成したりと,かなりの手間が増えるため迷惑なことこのうえありません。

もっとも,逆に考えれば,相手から懲戒請求等をされるということは,相手に嫌われるような対応をしている,つまり,依頼者のメリットを最大限に考えている事務所ということになるのではないでしょうか。

 

そんな,某社と先日和解交渉の電話をしていたら,とうとう当事務所も懲戒請求を匂わせるような発言をされましたよ・・・。
まぁ,当事務所も結果としてほぼ全件訴訟→全額回収になっているので,目を付けられているんでしょうねぇ。
懲戒請求されるのはまっぴらごめんですが,これもまた依頼者のメリットになることをやってきたがゆえのこととポジティブに考えていきたいところです。

 

今日も某社に対して2件の請求を行いました。今後,どうするかは各依頼者のご判断です。でも,多分訴訟になるかなぁ・・・。

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8月 18 2012

アエルまさかの追加弁済

お盆明けに事務所に来てみたら,同じ色の大量の封筒が届いておりました。中を確認すると,アエルから追加弁済があるとのお知らせでした。

 

そもそも,アエルは一度会社更生法の申請をして破綻し,その後再度民事再生をして破綻するという残念な会社なんですが,何とか今も存続しており,過払金を請求すると民事再生によって減額された5%については何ら問題なく返還してくれます

 

さて,そのアエルが民事再生を行った際に,再生計画案が確定した2009年の3年後,つまり今年の時点で再度資産状況を検討し,追加の弁済があれば行う,というように規定されていました。
私としては,そんなものはまったく期待できないと思っていたのですが,なんと追加の弁済があるそうです。その額(率)は,1.812%です。つまり,本来であれば100万円の過払金があった場合は,18120円が返還されることになります。
また,アエルは民事再生の際に債権届け出をしていなくても返還されますので,これから初めて請求する方は従前の5%を加えた6.812%が返還されることとなります。

 

なお,現時点でも未だ請求していない過払金が時効なる2018年3月以降に,再度見直しを行い,追加の弁済を行うそうです。
しかし,もともとアエルという会社自体到底まともとは思えない経営をしており,さらに現在は裁判所の監督を受けておりませんので,果たして2018年に再度の追加弁済があるかというとこれは今回以上に微妙だと思います・・・。

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8月 08 2012

お盆休みのお知らせ

当事務所において,下記期間についてはお休みをいただく予定となっております。

 

8月10日(金)18時まで 通常営業

8月11日(土)~8月15日(水) お盆休み

8月16日(木)9時から 通常営業

 

したがいまして,大変ご迷惑をお掛けいたしますが,10日の18時以降にいただいたメールについては,16日の9時以降に順次回答させていただきます。

 

以上,お盆休みのお知らせでした。

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8月 03 2012

無担保→不動産担保の取引

通常,消費者金融から借入をする際,借入当初は10万円~30万円程度であり,取引を継続していくと,それが50万円,100万円,200万円というように限度額が増額していくと思います。

多くのケースでこれくらいの金額では担保を求められることはほとんどないと思いますが,収入等の理由から150万円程度で担保を求められるケースもあるかと思います。

そして,さらに増額して500万円とか1000万円とかになるとさすがに無担保での借入れは難しく,借入の条件として保証人や不動産の担保を入れるよう求められることが多いと思います。 

 

このように,最初から担保付きでの借入ではなく,最初は無担保でのカードローンを繰り返していたものの,業者の勧誘なり限度額の増額なりで,不動産担保に切り替えるというケースがあると思います。
このような切替えの場合,無担保の残債を不動産担保の借入分で完済し,以降は,不動産担保の借入分を毎月返済していくことになります。 

 

具体的な金額を挙げると,

無担保で50万円借入をしており,限度額を200万円に上げるために不動産担保ローンに契約を切り替えるととすると,不動産担保の借入の200万円から無担保の50万円を完済する処理を業者の方で行い,実際に手にすることができるのは差額の150万円になります(諸費用は除く)。 

 

以上を借主の立場で考えると,確かに契約形態は無担保ローンから不動産担保ローンというようにまったく異なる契約形態になりますが,実質的には50万円の借入から150万円を追加で借り入れて200万円になったという単なる「借り増し」に過ぎません。

 

ですので,過払金の計算をする際も,無担保カードローンの分と不動産担保ローンの分を一連のものとして計算をします(一連で計算をした方が過払い額が多くなりますし,消滅時効の問題もクリアできるケースが出てきます)。
そして,最高裁も「単なる借り増しや契約の切替に過ぎないような場合には,一連で計算すべき」としています。
最高裁サイト 

 

一方,業者としては,無担保カードローンと不動産担保ローンはまったく別の取引であるから,一連計算すべきではない,という主張をしてきます。
特にA社に至っては,「無担保カードローンを契約中の顧客が大口の資金ニーズを抱えた場合,無担保カードローンとは別個に不動産担保ローンを申込み,いったん自己資金で無担保カードローンを完済したうえで不動産担保ローンの融資を受ける。過剰融資の観点から2つの契約が一瞬でも併存することはあり得ない。」とまったく事実と反する虚偽の主張までしてきます。
→追加の融資を受けるくらいなので,無担保カードローンの残債を自己資金で一括で完済できる人などほとんどいません。実際に,当事務所の依頼者に自己資金で完済した人はいません。このA社の主張は完璧に虚偽です。 

 

まぁ,A社の主張はさておき,現実問題として無担保カードローンから不動産担保ローンの切替事案で一連か分断か,というのは全国各地で争いになっております。
名古屋消費者信用問題研究会のHPには,同種の事案において借主側の主張が認められている裁判例がいくつかあがっていますが,逆に業者の主張が認められている裁判例もいくつもあります。 

 

そんな問題に終止符を打つべく,現在,CFJが貸主の事案が最高裁に係属しております。
こちらは,高裁の時点では借主側が勝訴したものでしたが,最高裁が弁論を開いているので,状況としてはあまり良くありません(最高裁は,高裁と結論が変わらないものについては,通常は書面だけの審査で判決しますが,口頭弁論を開いたということは高裁の判断を覆す可能性が高いことを意味します)。

この判決は,今年の9月11日に予定されており,かなり影響力のある判決になると思います。なお,当事務所でもまったく同じ争点の事案が簡裁と地裁に係属しているのでこの判断を見てから準備書面を作成したかったのですが,ともに8月に期日が入っているため,ちょっと厳しそうです・・・。

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7月 20 2012

武富士の旧経営陣に対する損害賠償請求

武富士に対する過払金は,会社更生法の適用により,更生計画(3.3%+α)に従った弁済を受ける以外に回収する手段はありません。
しかし,過払金としてではなく,このような事態に陥ったことにより損害を被ったとして,武富士の旧経営陣に対する損害賠償請求(多くの訴訟では会社法429条や民法709条に基づく請求だと思います)の訴訟が全国各地で行われています。当事務所でも過去に何度かブログで触れており,当事務所の依頼者の内,何名かは参加をされています。
当時のブログ記事

 

さて,この訴訟の内,横浜地裁で行われていた分の判決があり,何と(一部)勝訴したそうです。
記事

判決全文(PDF,8月7日追記)

上記判決は,不法行為に基づく損害賠償を認めたとのことです。

※ただし,上記横浜判決は全国会議で取り扱った裁判ではないそうです。

全国会議のブログ記事

 

おそらく旧経営陣側は即控訴しておりますので,解決まではもうしばらくかかると思いますが,最初の結論で勝訴判決が出たというのは,今後にも良い影響を及ぼしそうですね。

なお,今からでも訴訟に参加されたいという方は,直接「武富士責任追及全国会議」へお問い合わせください。

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7月 09 2012

プロミス-クラヴィス問題の最高裁判決(その2)

少し遅くなりましたが,以前記事を書きましたプロミス-クラヴィス(当時はタンポート)の契約切替に続いて債権譲渡案件について最高裁判決が6月に出ました。
最高裁サイト
判決全文(PDF)

 

以前の判決(契約切替事案)は,結果として借主側勝訴,つまり,プロミスはタンポート時代の過払金も承継しているから,借主はタンポート分の過払金もプロミスに請求できるというものでした。

 

ところが,今回の判決(債権譲渡事案)はまったく逆でタンポート分についてはプロミスには請求できないというものです。その理由をざっくり書くと下記の通りです。

「以前の契約切替判決の場合は,顧客はプロミスが過払金債務も承継するというのが前提で契約切替に応じたと考えることができるが,債権譲渡は顧客の意思に関係なく行われたものであり,プロミスとタンポートとの債権譲渡契約の中にプロミスが過払金債務を承継するという文言は無い(以前はあったけど削除された)のであるから,プロミスが過払金債務を承継することはない。」というものです。

 

まぁ,債権譲渡というか債務引受,第三者のためにする契約の原則から行くと,当然の理屈であるため,想定通りかと思います。

 

なお,上記の債権譲渡にしても契約切替にしても,もともとはプロミスの子会社である消費者金融業者の再編のために行われたもので,顧客と連絡が取れて合意が得られた場合には契約切替,連絡が付かなかったり合意が得られない場合には債権譲渡という方法がとられていました。ですので,法的なスキームは置いといて,実体としてはタンポートからプロミスに取引が移行するということは同じです。にもかかわらず,プロミスが選択したスキームによって借り手側が有利・不利になるというのはなかなか納得が得られないように思います。

 

ちなみに,プロミスとタンポート(現・クラヴィス)ですが,両方とも無くなってしまいましたね。
正確には,プロミスは現在「SMBCコンシューマーファイナンス」という商号に変更しただけですが,クラヴィスについては,破産してしまいました。
プロミス商号変更
クラヴィス破産

 

ということで,上記のような債権譲渡事案に該当される方は残念ですがプロミスに請求することができませんので,クラヴィスに請求しなければならないものの現実的には破産してしまっているので回収は不可能かと思います・・・。

 

しかし,たまたまとはいえ,何とも恐ろしいタイミングで最高裁も判決を出したものですね・・・。

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7月 05 2012

クラヴィス,破産。

先日「クラヴィス,破綻へ」という記事を書きましたが,本日付で破産したとのことです。
クラヴィスHP

 

これにより,裁判所の管理の下,管財人がクラヴィスの財産を換価していき,過払い債権者を含めた各債権者に配当されることになります。
ただし,そもそもの一般論として,破産であるため財産が残っている可能性は極めて低く,かつ,破産したのがネオライングループだったクラヴィスですので,配当される可能性は正直なところゼロだと思います。

 

なお,破産手続に際して,破産手続に関する書類(おそらくハガキ)がご自宅宛に送付させることとなりますが,ご家族に内緒で借りていた等,ご自宅への送付を希望されない場合は,その旨をクラヴィスに連絡することで送付しないそうです。
詳細について,下記のページをご覧下さい。
通知を希望されない方へ

 

 

また,いつも業者が破産した場合に書いておりますが,現在借入が残っている方は今後のご返済について一度ご確認をお願いいたします。

 

正しい利息で計算すると過払いになる方
絶対に返済しないで下さい。

 

正しい利息で計算しても借入が残っている方
→クラヴィスが破産をしても借入が無くなるわけではないので,これまでどおりご返済下さい

 

借入が残っているのか過払いなのかわからない場合
→返済を停止し,現在どうなっているのかをコールセンターに確認してください

クラヴィス破産管財人室コールセンター
06-6356-3386

 

ネオライングループはいずれこうなることが分かっていながら,回収できる分は回収し,過払金は踏み倒す。違法ではないけども,このハイエナ商法のような営業スタイルは許されていいんでしょうかねぇ。

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6月 27 2012

自己破産をしてもチャラにならない!

自己破産をしても支払いが免除にならない(免責されない)債権というものがあります(非免責債権)。

例えば,税金の滞納分や罰金といった国に対する支払いについては免責されませんし,子どもを養育する扶養義務や殺人をした場合の損害賠償義務なども免責されません。 

 

これ以外に,よく問題になるのが,「破産者が知りながら債権者名簿に記載しなかった請求権」です。(破産法253条1項6号

破産の申し立てをする場合,必ず債権者一覧表という書類を提出します。これは,どこの誰にいくらくらい借入があるのかが記載された書面であり,これを裁判所に提出すると裁判所から債権者に対して破産手続に参加できる旨の書面が送られます。これによって,債権者は破産手続に参加でき,破産手続に異議を出したりといった自分の主張をすることができます。

しかしながら,破産者がとある債権者について,わざと債権者一覧表に記載しなかった場合,当然裁判所からの通知が債権者には行きませんので,まったく知らないところで破産手続が進行してしまっており,破産手続について異議などを申し立てることも出来ません。このようにわざと債権者一覧表に記載しなかったような場合には,債権者が著しく害されるため,例え破産をして免責許可決定を得ていたとしても,当該債権者については免責されないということになっています。

逆に言えば,債権者は破産手続がされていることを知っていれば破産手続に参加することができますので,条文上も「当該破産者について破産手続開始の決定があったことを知っていた者の有する請求権を除く。」として,知っていた場合は非免責債権とはならず,免責されるとなっています。 

 

では,わざとではなく,うっかり記載するのを忘れてしまっていたような過失による場合はどうなるのでしょうか? 

 

この点,平成24年4月12日に大分地裁で判決がありました。
最高裁サイト
判決全文(PDF) 

 

ざっくりした内容は次の通りです。 

 

Aさんは,息子Bさんの育英会の奨学金の保証人になっていた。

Bさんは卒業後就職し,Aさんとは疎遠になっていたところ,数年してからBさんが育英会への返済が滞っているとのことで,たびたびAさんに督促が来るようになっていたが,Aさんは支払ってはいなかった。

Aさんは,消費者金融から借入をしていたが,返済が難しくなったので破産することとなった

しかしながら,育英からの通知が3年程度来ていなかったので,破産の申し立てをする際に債権者一覧表に育英会を記載するのを忘れてしまった

破産の申し立てを行い,免責許可決定も得た

数年後,育英会から裁判を起こされたため,Aさんは免責を得ている旨主張したところ,育英会は債権者一覧表に記載されていないから,育英会の分は非免責債権であり,免責されていない旨の主張をした。 

 

というものです。 

 

そして,この裁判の判決は,Aさん敗訴。つまり,育英会の分は免責されておらずAさんは支払い義務があるというものです。 

 

その理由はざっくり言うと以下の通りです。 

 

1・破産者が無過失で記載しなかったのであれば免責しても良いが,過失がある場合は非免責債権となる。
2・債権者数は5社程度しかないから債権者数が膨大すぎて把握できないということもないし,何度も育英会は督促していたんだから,育英会の存在を知らないわけはない。したがって,少なくとも過失はある
3・よって,育英会の分は非免責債権とならず,Aさんは支払わなければならない。 

 

というものです。 

 

 

せっかく破産をして免責が認められたのに,Aさんは再び約110万円の借入を負うこととなってしまいました。

・・・恐ろしい・・・・。 

 

 

なお,上記裁判例は,弁護士や司法書士が介入せず,NPO法人の援助のもと手続をしていると思われますが,当事務所に限らず多くの弁護士,司法書士は,このようなことが無いように,自己破産もしくは個人再生をされる方については,必ず信用情報を取得していただいていると思います。
全銀協
CIC
JICC 

 

しかし,上記信用情報には載ってこない個人間の借入や保証債務については,ご本人さんからの申告が無い限りほとんど把握することはできません。

「ついうっかり」が後々大変なことになってしまう可能性がありますので,債権者の把握についてはしっかり思い出してご相談されるようにしてくださいね。

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6月 26 2012

武富士からの第2回の弁済は本当にあるのか?

今年の1月に武富士より,会社更生計画による第1回目の弁済がなされました。
当時の記事 

 

上記記事にも記載しておりますが,武富士の更生計画によれば,第2回目の弁済もされるようなことが書かれています。
更生計画に関するQ&A(PDF) 

 

この第2回目の弁済原資は,国に対する法人税の還付請求や旧役員に対する損害賠償請求によって得られたお金になります。
これらの訴訟については下記の通り進行しているそうですが,訴訟の終了まで概ね3年程度かかるそうです。
第2回弁済についての訴訟進行状況(PDF)

 

この内容をざっくり記載すると下記の通りとなります。 

 

①国に対する法人税の還付請求約2374億円
まだ提起したばかりで訴訟は進行していないそうです。
訴訟提起に関するプレスリリース(PDF) 

 

②創業家等に対する株主配当返還請求約130億円
すでに4回期日を開いているそうですが,全面的に争い,解決の目途は立っていないとのことです。
訴訟提起に関するプレスリリース(PDF) 

 

③旧役員に対する損害賠償請求約23億円
すでに4回期日を開いているそうですが,全面的に争い,解決の目途は立っていないとのことです。
訴訟提起に関するプレスリリース(PDF) 

 

④証券会社に対する損害賠償請求約291億円
すでに7回期日を開いているそうですが,全面的に争い,解決の目途は立っていないとのことです。 

 

仮にすべて勝訴したとしても,相手方は当然,控訴・上告としてくると思われることから,3年どころか5年くらいかかってもおかしくないのではないかと思います。
なお,仮にすべて勝訴して確定した場合,18%程度が返還される見込みとなります。

ただ,上記訴訟については,勝てる見込みは高くないため,「第2回弁済はあるか?」と聞かれれば,「可能性としてはあるだろうけど,決して高くはない」と思います。したがって,過度な期待はされない方が良いかと思われます・・・。

今後も武富士について新しい情報がありましたが,随時記載していく予定です。

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