はなみずき司法書士事務所
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2月 05 2013

クレディアからの和解の打診

静岡にある消費者金融,クレディア

商号が行ったりきたりで,クレディア→フロックス→クレディア(二代目)となっています。

 

さて,この会社ですが,過去の当ブログ記事をご覧いただくとお分かりのとおり,当初は訴訟→判決→控訴→控訴審判決まで行けば,満額を支払ってくれましたが,おととしの9月頃から共益債権については元金の3割返還という話にならない金額を提示するようになり,それ以上についてはまったく話ができなくなりました。

クレディアの過払金は少し特殊で,クレディアが民事再生をする前に発生した過払金については,再生債権として30万円以下は全額返還等,裁判所に提出された再生計画案のとおりの弁済がされますが,民事再生後に発生した過払金は,共益債権となり,クレディアはその返還をまともにしていません。

 

ということで,当事務所では,ガッツンガッツン強制執行をしています
当初は,結構良い割合が返還されていましたが,最近は他の過払い債権者との競合がひどくなり,1回の配当では1割程度の返還しかないということも珍しくありませんでした

 

ただ,これ以上どうしようもないため,強制執行を繰り返していたのですが,最近クレディアより「7割の1か月後返還」という打診がありました。

正直なところ,強制執行をして回収するまでに半年以上かかっているため,早期の返還を希望される方については,検討しても良い内容ではないかと思います。

 

もっとも,最終的には私ではなく各依頼者のご判断となりますので,これで解決というわけではありません。ただ,これにより昨年と比べれば解決に向かうのではないかと思います。

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1月 29 2013

また嫌がらせなんでしょうか・・・?

敢えて「某社」としておきます。 
 
 

どうしても私に関する懲戒請求をしたいのか,過去の依頼者に下記のような電話をしているそうです。 
 
 

・司法書士からちゃんと過払い金を返還してもらいましたか
・司法書士の報酬はいくらでしたか
・過払い請求について,司法書士から勧誘がありましたか
・ちゃんと司法書士と面談をしましたか
・裁判することに同意しましたか
等々
 
 
 

当たり前ですが,過払金が返還され次第,他社への返済に回す等の事情がない限り,当事務所の報酬をいただいて,残額を依頼者ご指定の口座に送金しております。返還に関しては,「すべての手続きが終わってから」とか「毎月1回まとめて」という事務所も多くありますが,当事務所は基本的には当日遅くとも翌々日までにはご指定の口座に送金しております。 
 

また,当事務所の報酬はホームページに記載されている通り21%です。裁判しても交渉によって解決しても同じです。難易度によって変わるということもありません。 
 
 

さらに,当事務所は勧誘どころか,新聞広告や折り込みチラシ等の広告もしておらず,ホームページと口コミだけです。やはり口コミが最高の宣伝だと思っています。 
 

そして,当然ですが直接面談をして費用や今後の流れを説明してますし,裁判をする場合には,裁判した場合のメリット・デメリットを説明したうえで進めているので,当然同意を得ています(訴訟委任状をいただいているので同意があるのは当たり前です。)。 
 

なので,過去の依頼者について,別に聞かれても問題ないんですが,すでに依頼が終わった依頼者からすれば,このような電話がかかってくれば,不審がるに決まってます。しかも,某社は「最近こういった詐欺があるようで」などと言って電話をしているみたいで,私が詐欺をやっていて,私に依頼した方に騙された人がいるような印象を与えかねません。そして,当然ながら当事務所に問い合わせなり,苦情なりが入ることとなって大迷惑です。 

また,根本的に,上記はすべて,私と各依頼者の皆様との関係に関することであって,某社がしゃしゃり出てくる問題ではありません。
 
 

もちろん,こんなことされても「某社」に対する交渉が甘くなるなんてことはありません。と言いますか,減額するのか訴訟をして満額を請求するのかは,私が決めることではなく,各依頼者が決めることなので,私を責められても何も変わらないんですけどね・・・。
 

まぁ,何度も記載していますが,相手からここまでやられるってことは,それくらい当事務所が嫌な相手だと思われるくらいちゃんと請求しているだ,と理解して今後もがんばっていきたいと思います。 
 

※1/30追記

先ほど某社の支配人と直接話ができ,当事務所に関する過去の依頼者には電話はしないこととなりました。
 
 

しかし,何度も「顧客保護の観点」という名目で上記アンケートの正当性を主張されたのですが,弁護士会とか司法書士会が懲戒事由がないか調査等をするのはわからんでもないんですが,原告・被告という対立関係にあり,すでに顧客ではなくなった方の保護を目的として調査をするというのはまったく理解不能です。
とはいえ,少なからず,そのアンケートによって懲戒されるべき弁護士や司法書士が見つかっているそうですので,私も懲戒請求される立場にならないよう誠実に業務に取り組んでいきたいと思います。

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1月 25 2013

長崎県が裁判所に怒られる

借金が返せなくなり,自己破産をした場合,免責許可が得られれば借金は返済しなくてもよくなります。
ただ,法的には,借金が無くなったのではなく,「免責」とあるとおり,借金は存在するけど支払う「責」任が「免」除されただけという中途半端な状況にあります。 

 

このような状況の借金を,貸主側から見た場合に「自然債務」と呼び,借金は存在するけど請求することはできません。もちろん,訴訟等で請求しても敗訴します。
自然債務とは 

 

 

 

じゃー,借金が無くなるのと,借金は残っているけど支払う責任は免除するというのと何が違うのか。これは,債務者が自発的に支払った場合は有効ということです。 

 

借金が無いのに支払った場合は,これは間違って払っているのでやっぱり返してと言うことができます。一方,自然債務の場合は,強制的には借金の支払いを求められることはないけど,自発的に支払う分には構わないので,自己破産をした後に,借金の返済をした場合これは有効なものとなりますので,やっぱり返してと言っても返してもらうことができません。 

 

 

 

 

さて,件名の話ですが,長崎県で,県営住宅の家賃を滞納をした方が自己破産をして免責許可もでました。当然,県営住宅の家賃も免責されています。しかしながら,なんと長崎県はすでに自然債務となっている滞納家賃について,公正証書(ざっくり言うと裁判所の判決と同じもの)を作成し,破産後にも関わらず支払わせていたというものです。

ニュース(※リンク切れのため「平成25年1月19日,読売新聞社会面」を以下青字にて引用します。)

長崎県が、自己破産して免責決定を受けた男性に、公正証書を作成して県営住宅の家賃の滞納分を 支払わせていたことがわかった。県は男性の連帯保証人を相手取り、残りの滞納分の支払いを求める訴訟を諫早簡裁に起こしたが、簡裁は「債権回収に対する考え方、方法が極めて不適切」などとして
訴えを退けた。

公正証書は、裁判の判決がなくても、債権の差し押さえなどができる効力がある。一方、自己破産して裁判所の免責決定を受けた人は、債務が免除される。

県住宅課によると、男性は1978~2002年に県営住宅に入居。00年頃から家賃の支払いが滞り、 一時は約120万円を滞納した。長崎地裁大村支部に自己破産を申し立て、免責が確定したが、県は03年1月、「家賃を支払えなければ差し押さえがある」とする公正証書を男性と作成。男性は11年9月まで24回にわたり、計約38万円を支払った。

県は昨年2月、残りの約80万円の支払いを求めて提訴。「男性は支払う意思があった」などと主張した。 これに対し、簡裁は同12月18日の判決で、「公正証書を作ったうえでの弁済は任意とはいえない」と指摘し、県の主張を「いわゆる闇金業者でもしないような強弁」として退けた。判決は今月4日に確定した。

同課は「公正証書は、滞納者に関する当時のマニュアルに従って担当者が作ったようだが、もっと慎重に対応すべきだった」としている。

 

破産して免責を受けた借金について,消費者金融ですら返せと言ってこないのに,長崎県は公正証書まで作って返済を強制したというのは何とも恐ろしい話です。
裁判所も呆れて,判決で「いわゆる闇金業者でもしないような強弁」と言い放ち,長崎県の対応はヤミ金以上にひどいものだと言っています。 

 

 

一般の方からすれば,長崎県のような役所が言うことが間違っているわけないと思うに決まってますので,自己破産をされた方も払ってしまったのでしょう。 

 

なかなか無いとは思いますが,もし,自己破産をしたにも関わらず支払いを求められるようなことがあれば,お近くの弁護士や司法書士にご相談いただければと思います。

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1月 07 2013

消滅時効中断の裁判例

すでに1月7日となってしまいましたが,皆様明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。 

 

さて,早速ですが,新年早々,消滅時効中断に関する新たな判決が出ましたのでアップいたします。とは言っても,もともと当然のこととして知られている内容なのですが,判決理由が結構充実していたためアップすることとしました。 

 

まず,前提から説明いたします。 

 

過払金に限らず,通常の債権(今回だと「お金を返せ」と言える権利)は,返済を請求できるときから10年経過すると,時効により消滅してしまいます民法167条,166条)。
これは,権利があるにも関わらず10年もほったらかしにしてる人は法律は助けてあげないよ,というのが理由です(それ以外にもありますが省略します)。

とすると,10年経つ前に返済してもらわなければなりませんが,相手の事情によってはなかなか返してもらえないこともあるかと思います。そこで,法律では「時効の中断」といって,法定の手続をとることで,時効の進行をストップさせることができることとなっています(民法147条)。
 

この法定されている時効の中断事由の一つに「請求」というものがあります。これは単に電話等で請求することを意味するものではなく,訴訟等の裁判手続によって請求することを指しており,10年以内に裁判さえ起こしておけば,仮に裁判中に10年経過したとしても時効は完成しません。さらに,裁判によって勝訴判決が出た場合は,判決確定のときから更に10年経過しない限り時効によって消滅することはありませんし,判決を取ってから再度10年経過しそうであれば,もう一度訴訟等を行うことで時効を中断させることができます(民法174条の2)。 

ということで,請求できるときから9年と364日しか経過していないようであれば訴訟を行うことで時効を中断させることができますが,現実問題としてすぐに訴訟手続を行うのが難しい場合もあります。そこで,法律は「催告」と言って,まさに電話による督促等,口頭でも書面でも構わないので,とりあえず10年経過前に何らかの請求をしておけば,時効の完成を6ヶ月延長することとしています(民法153条)。 

 

では,この催告はどの程度債権が特定されていれば良いのでしょうか。 
実際のところ,10年経過ギリギリであれば,今いくらになっているのかなど正確な金額はわからないケースは多いと思いますし,細かな点などは覚えていないと思います。
特に,過払金の場合は時効完成の数日前にご依頼いただいたとしても,取引履歴がお手元に無いようであれば,まずは取引履歴を業者から取り寄せなければなりませんので,請求しようにもいくら請求すれば良いのか分かりませんし,いつからいつまでの過払金を請求すれば良いのかも分かりません。 

 

ということで,この点について詳細に理由が書かれたのが本判決となります。 

 

ちなみに,下記の事例は,時効のスタートは平成13年12月5日に完済したとき(起算日は翌日の12月6日)なので平成23年12月5日までに訴訟提起をしなければなりませんが,取引履歴がありませんでしたので,平成23年12月2日に取引履歴の開示及び過払金がもしあったら払ってください,という記載を入れて請求し,平成24年1月19日に訴訟提起したという事案です。

原審(瀬戸簡裁判決・PDF)
控訴審(名古屋地裁判決・PDF) 

 

 

これまでも,弁護士や司法書士が受任通知を送付しただけで,仮に「過払金を請求する」という記載が無くても黙示的に請求しているものとみなして時効の中断を認める判決はたくさんありましたし,実際に1審判決では,時効の部分はサラっと流しています。 

 

一方,2審においては,詳細に検討され理由が記載されております。その内容をざっくり記載すると, 

 

催告は時効の完成を最大限6ヶ月先延ばしするに過ぎないものであるから,債権の内容を詳細に記載する必要はなく,どの債権か可能な限り特定されていれば足りる

本件では,書面名が「受任通知書兼過払金返還請求書」となっており,実際に受任通知の中に過払金が発生していればそのすべてを請求する旨の記載がある

受任通知の中に取引履歴の開示も求めている記載があるから,請求者としてはできる限り債権を特定したと言えるし,請求を受けた業者も,誰からの過払い請求か分かれば過払金がいくらなのかを特定することも可能である。

よって,上記書面は「催告」に当たる。 

 

というものです。

 

以上から,単に受任通知や取引履歴の開示を求める書面だけでも催告の効果はあるかと思いますが,より確かなものとするため,時効ギリギリの場合は,

題名に「過払金返還請求」という文字を入れる。
文中にすべての過払金の返還を求める文章を入れる。
という2点を満たしていれば,まず間違いなく「催告」として認めてもらえると思います。
なお,通知内容の証明及び到達日を確定するため,内容証明郵便(配達証明付)で送付するのは当然の前提です。 

 

 

最後に,地裁判決の最後に,「差し支えにより署名押印することができない」との記載があります。これまで,「転補(転勤)により署名押印することができない」とか「退官により署名押印することができない」というのは見たことがありますが,「差し支え」というのは初めて見ました。ただ,署名押印されていない時点で何らかの「差し支え」があるのは明かであり,全然署名押印できない理由になっていないような気もしますが,どうやらこれでもいいんですね。年末の判決だったので,すでに裁判官は正月休みで旅行に行っていたのでしょうか。 

 

という,裁判の本質とはまったく関係ないことに思いめぐらせてみた,新年最初のブログとなります。 

 

こんな記事ばかりで申し訳ありませんが,本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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12月 29 2012

アイフル株式会社の質問状

事務所としてはお休みですが,やることがあるので事務所にきたところビックリする手紙が来ていました。
 
 
差出人は,アイフル株式会社で,端的に内容を記載すると,

 

「はなみずき司法書士事務所のアイフル株式会社に関する債務整理事件において,過払い請求事件の割合が多すぎる。これは,はなみずき司法書士事務所は過払い請求事件だけを受任し,他の借入が残る業者については断っているからではないか。場合によっては然るべき手続をとることも辞さないよ。」

というものです。
 

いや~,びっくりしましたね。当事務所はテレビCMを行っているような法律事務所で過払いじゃないということで断られ,当事務所で法テラスを利用するなどして破産手続を進めている事件が何件もあるくらいなのに,まさか逆の疑いをかけられるとは夢にも思いませんでした。
 

当然ながら当事務所において,アイフル株式会社が疑いをかけるような事件の選別をしたことは一度たりとも無いんですが,こんなことを言ってもアイフル株式会社は信用しないかもしれないので,当事務所に対して現在及び過去にご依頼をしていただいた方及び当事務所で過去にご相談いただいた方について,下記の通り呼びかけを行います

 
 

当事務所において,アイフル株式会社に限らず,①過払いになる業者のみを受任し,債務が残る業者について断られた経験がある方,②過払いにならないという理由でご依頼自体を断られた経験がある方がいらっしゃいましたら,ぜひその旨をアイフル株式会社に報告してあげてください。
 
 

なお,上記について合理的な理由による除外や依頼者のご希望に従い債務が残る業者について手続をしなかったものについては含みません。
前者の例としては,A社が過払い,B社は債務が残るがそれが住宅ローンや自動車ローンなどの高額な買い物のローンという場合,破産や再生なら別ですが,任意整理としてB社の債務整理をすることはあり得ません。また,後者の例としては,依頼者の希望によりどうしてもブラックになるのが困るという理由で債務が残るB社については手続をしなかった場合などです。
 
 

万が一,そのような方がいた場合の報告先ですが,アイフル株式会社の専門の取扱部署の電話番号はわかるものの,その番号は公開されていないことからここに記載するわけにはいきませんので,HPにて公開されているお問い合わせ先にお電話していただければ良いかと思います。
→TEL 0570-000417
 
 

ということで,2012年最後の記事がこんな記事になってしまいましたが,来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

※アイフル株式会社担当者様へ
恐らくこの記事をご覧になっているかと思います。
上記の通り告知致しましたので,万が一,当事務所における「債務整理事件の処理に関する指針(平成21年12月16日日理事会決定)」に抵触する事件処理の報告等がございましたら,貴社においてどうぞ懲戒請求等の「然るべき手続」をとってください。

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12月 28 2012

年末年始の業務について

当事務所の年末年始の業務は下記の通りとなります。

下記の休業期間にいただいたメールでのお問い合わせにつきましては,平成25年1月7日より順次回答をさせていただきます。

 

平成24年12月28日 18時まで 通常業務

平成24年12月28日18時から平成25年1月7日9時まで 年末年始休業

平成25年1月7日9時から 通常業務

 

となります。

 

今年一年,とある業者から懲戒請求の脅しを受けるなどありましたが,特段トラブル無く業務を進めることができました。
来年も本年同様,精進して参りますので,どうぞ宜しくお願いいたします。

それでは,皆様良いお年をお過ごし下さい。

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12月 04 2012

武富士創業者訴訟,逆転敗訴

何度か当事務所のブログでも触れている,武富士の創業者への訴訟についてですが,先日記事にしたとおり,横浜地裁では一部勝訴判決が出されていました。

ブログ記事 

 

その控訴審について,先日東京高裁で判決があったんですが,借主側の全面敗訴になったとのことです。
記事 

 

判決文を見ていないため,正直なところまったく内容がわからないのですが,記事によれば,「武富士が全ての顧客について計算し直すのは現実的ではない」というのが理由のひとつになるようです。 

 

しかしながら,武富士を含めた貸金業者の大部分はすべての取引についてパソコンで記録しており,正しい利息に計算し直すのは大した手間では無いと思います。実際に,武富士が破綻した後,何十万人もの人に対して取引履歴が送付されましたが,すべて正しい利息で計算し直したものです
破綻した後の武富士が再計算できるのに破綻する前の武富士だと再計算できないとはまったくもって意味不明です。 

 

ただ,上記のとおり,実際に判決全文を見ていないため,これ以外にも借主の請求が認められなかった理由があるんだろうと思います。

 

また,判決全文が公開された際には,この記事を更新したいと思います。

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11月 26 2012

初日算入・不算入

過払い請求をする場合,借入をしている期間の計算はおそらく借入日は利息無し,弁済日は利息有りになっていると思います。

これだけだとわかりにくいので具体的な日にちで書くと,

11月26日 借入

12月10日 返済

 

という場合,ソフトの計算では,借り入れた日の翌日である11月27日から返済日である12月10日までの14日間の利息が付されて計算されていると思います。

 

基本的には,このような計算で文句を言ってくる業者はいないと思いますが,特定の業者はこの点について噛みついてくることがあります。
というのは,最高裁判所が昭和33年年6月6日に,「借主は特約のない限り契約成立の日から約定利息を支払うべき義務がある」として,契約日(借入日)から利息を付けるべきという判決を出しているためであり,これを根拠に借入日についても利息を付けろと主張してきます。
最高裁サイト
最高裁判決全文(PDF)

 

確かに,最高裁は借入日も利息を付けなければならないとしていますので,業者の言うことはもっとものような感じがします。しかし,貸金業者が守らなければならない,「貸金業法施行規則」によれば,利息の計算について「借入日については利息を付けなければならないが,返済日は付けない」ということを定めています。

ですので,上記の例だと,借り入れた日の11月26日から返済日の前日である12月9日までの14日間の利息を付して計算するということになります。
とすると,計算する日はソフトだと11月27日~12月10日,施行規則ではでは11月26日~12月9日とズレがありますが,どちらも14日間の利息となるため,計算結果は同じです。ということで,結果としてはソフトの計算方法で問題ないことになります。

 

また,上記最高裁判決においては「特約のない限り」として,当事者で合意した場合は,別の取扱いをしても良いことになっていますので,契約の中で別の取扱いを決めれば初日を算入しなくても良いことになります。
上記,施行規則の内容は利息の計算方法である以上,契約の中に取り込まれていると考え,初日不算入であることを特約したと考えることもできると思います。

 

このような主張をして,先日当事務所の主張を認めた判決が出ましたのでアップいたします。
主張としては結構長く書いたのに判決ではえらくアッサリした内容になってしまっておりますが,同じような主張を業者からされた場合の参考資料としてお役に立てるようであればぜひ使っていただければと思います。
判決(PDF)

 

以上,初日算入・不算入についてでした。

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10月 19 2012

偏頗弁済に関する最高裁判決

自己破産手続を進める際,よく問題になるのが「偏頗弁済(へんぱべんさい)」です。
「偏頗」とは偏っているという意味であり,偏頗弁済は偏った弁済,つまりとある人には返済し,とある人には返済しないで破産で借金を免除してもらう,という不公平な返済を意味します。

自己破産は,原則としてすべての債権者に対する債務を免除してもらうためにとる手続であるため,債権者への対応は平等でなければなりません
例外は非免責債権や別除権者等

 

もし,偏頗弁済となってしまうと,当該弁済が取り消されたりしていろんな方に迷惑をかけることになってしまいますし,自己破産をしても免責が受けられないなどのデメリットもあります

 

では,いつの時点の弁済から偏頗弁済になるのでしょうか。
少なくとも自己破産の申し立てをした後に特定の債権者に弁済する行為は誰が見てもダメだということはわかると思います。
しかし,ちょっと延滞するような状況であれば特に破産など考えていないと思いますので,このような状況で特定の債権者だけ弁済しても偏頗弁済にはならないと思います。

この点,破産法にちゃんと規定があり,「支払の停止」があった以降に弁済したものは偏頗弁済になると考えられています。この「支払の停止」とは難しくいうと,「債務者が,支払能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払をすることができないと考えて,その旨を明示的又は黙示的に外部に表示する行為」です。
簡単に言うと,もう返済できません!とバンザイしたような状況です。

では,債務整理を弁護士や司法書士に依頼し,弁護士等が債権者に受任通知を送った場合はどうでしょうか。
というのは,「債務整理」=「自己破産」ではなく,債権者と話し合いをして分割弁済で合意し自己破産をせずに返済していくことだってあります。いわゆる任意整理ですね。
したがって,「受任通知を送付する」=「もう返済できません!とバンザイした」という状況には無いように思えます。

 

 

この「受任通知の送付」が「支払の停止」に当たるかについて最高裁判決が出ました。

最高裁サイト
判決全文(PDF)

 

この判決によると,「本件通知には,Aが自己破産を予定している旨が明示されていなくても,Aが支払能力を欠くために一般的かつ継続的に債務の支払をすることができないことが,少なくとも黙示的に外部に表示されているとみるのが相当である」として,「受任通知の送付」が「支払の停止」に当たるとしています。
ただし,その前提として,「Aが単なる給与所得者であり広く事業を営む者ではないという本件の事情を考慮すると」していますので,事業を営む自営業者の方や法人についてはそうならないケースもあろうかと思います。

 

なお,当事務所においては,上記判決が出る前から当然のこととして,自己破産に限らずご依頼を受けた以降は借入はもちろんのこと返済についても一切しないようにお願いしております。というのは,受任通知を送るってことは,少なくとも現時点ではどうがんばっても支払えないから債務整理しているのであり,さらに当初は任意整理としてお受けしていたとしても,その後に職を失ってしまい自己破産に移行する可能性もあるわけですから,受任通知送付後の返済は危険極まりないと考えているからです。

 

特に,最近は大手の業者も任意整理の交渉に応じないところも出てきていますので,このあたりは十分気をつけなければなりませんね。

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9月 12 2012

無担保→不動産担保の取引の最高裁判決

無担保取引から不動産担保取引に変わった場合,無担保取引で発生した過払金を不動産担保取引に充当できるか,すなわち,一連計算ができるか,という争点について問題になっている旨の記事を先日書きました。
記事 

 

そして昨日,この問題に終止符を打つ最高裁判決がありました。
最高裁サイト
判決全文(PDF) 

 

結果から申し上げると,原則として一連計算はできない,というものでした。 

 

まず,本件訴訟の事案の説明から。

 CFJを含む複数の業者から借りていたのをCFJの不動産担保ローンでいわゆる「おまとめ」をした。その際,借主が実際に受け取った金額は,CFJの無担保取引による債務分を差し引いた分しか受け取っていない
 CFJの不動産担保取引は,これまでのリボではなく証書貸付だった。
通常の消費者金融との取引はカードによって借りたり返済したりを繰り返すリボ取引が主流なのに対し,証書貸付とは,住宅ローンのように最初にドカンと借りてその後はずっと返済をするというもの。
 「おまとめ」をしたのは平成11年頃であるため,もし一連計算が認められなければ従前の無担保取引によって発生した過払金は消滅時効が完成しており請求できなくなる。なお,「おまとめ」によって完済した他社については消滅時効が完成しているため,請求できないことは確定済み。

というものです。

 

以上の状況で,最高裁は無担保取引と不動産担保取引は一連計算できないと判示しました。その理由をざっくり記載すると,

 

「無担保取引はリボであるのに対し,不動産担保取引は証書貸付であるため,あまりにも契約形態が違いすぎる。したがって,例え,CFJの無担保取引の残債務分を控除された等の事情があったとしても,一連計算はすべきではない。」
また,田原裁判官の補足意見ではありますが,「もし一連計算できるとすると,他社へのおまとめ分を融資してあげたCFJは平成11年より前の分についても過払金を返還する義務があるのに対し,おまとめによって完済された他社については消滅時効により過払金を返還しなくても良いのであるから,衡平の観点から問題がある。」

 

というものです。

これにより,無担保リボ払い→不動産担保(証書貸付)という事例においては,一連計算はほぼ不可能になったと思います。

ただし,本判決においては,一連計算できる例外も併せて判示しています。

1 不動産担保取引も無担保取引同様,リボ払いだったような場合
これは,単に担保があるか無いかというだけで,証書貸付のように契約形態が大きく変わるものではないため,一連計算できる余地は十分にあります。

2 不動産担保の契約がなされた経緯,その後の取引の実情等の事情を踏まえ,無担保取引と不動産担保取引が事実上1個の連続した取引であることを前提に取引をしていると認められる特段の事情がある場合
こちらについては,田原裁判官の補足意見に具体例が記載されております。
証書貸付だった場合には基本的に初回にドカンとお金を借りてその後は返済をするのみとなりますが,一定額まで返済されると,再び追加貸付が予定されているような場合には,上記1と実質的には同じであるため一連取引であると評価できる余地がある
同じ業者と複数の取引があり,これをおまとめした場合や親子・兄弟等が同じ業者から借り入れてる場合に,その内の誰かがおまとめをしたような場合には一連計算できる余地がある

というものです。

しかしながら,①については,証書貸付なのに追加借入が予定されている取引というものはそれほど多くないと思われますし,②についてもCFJや三菱UFJニコスのように合併を繰り返している業者であれば同一の業者で複数の取引が存在するということはありますが,一般的なおまとめの事案としては,複数の業者の債務を特定の業者1社にまとめるためにするのであって,特定の1社のみの複数の取引をその業者の不動産担保取引でそれをおまとめするというケースはそれほど多くないと思われます。

以上から,無担保取引(リボ)→不動産担保取引(証書貸付)の場合には,ほぼ一連計算はできないものと思われます。

なお,本判決が出て良かった点もあります。それは,上記のとおり,無担保取引(リボ)→不動産担保取引(リボ)の場合は,不動産担保の部分は大した問題では無いと判示した点です。
つまり,アコムやアイフル等,不動産担保取引のリボという契約は結構あるため,そのようなケースにはむしろ有利になる判決だと思います。

もっとも,当事務所がご依頼を受けていたケースでは,不動産担保取引は証書貸付であるため,本判決により一連計算はできないことになってしまいましたので当事務所の依頼者にとっては良い判決では無いんですけどね・・・。

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