9月
29
2010
武富士の会社更生手続に関する今後のスケジュールです。この予定は武富士側発表のFAQ(PDF)によっています。
平成22年9月28日 会社更生法適用の申請
これにより,破綻が確定となります。また,株式は上場廃止(東証からのニュース)となりますので,いずれ無価値のものになってしまいます。ただし,あくまで申請をしただけですので,この時点では更生会社ではなく,これから裁判所が会社更生手続を認めるか否かの審査を行います。もし,裁判所が「更生の見込み無し」と判断すれば破産へ移行する可能性もあります。
↓
平成22年11月15日頃 更生手続開始決定
裁判所が会社更生手続を進めることを認めた場合に開始決定がなされます。この時点から武富士は更生会社となり,更生へ向けての手続を進めていくことになります。
また,債権届出期間満了までにご自身が持っている過払金について届け出ることになります。
→債権届け出はどうすんの?
↓
平成23年3月15日頃 債権届出期間
極めて重要な期間で,この期間内に届け出ないと過払金が失権してしまい,まったく返ってこないことになります。ただし,過去のアエルの会社更生,クレディアの民事再生のように,債権届出を怠った場合も失権することなく支払われる可能性もあります。
↓
平成23年5月15日頃 認否書提出期間
上記の通り,過払金の金額を届け出ていただきますが,和解したものや判決が出たものについては問題ありませんが,これから過払金の額を届け出る場合,武富士側が全額認めるとは限りません。例えば本当は50万円しか過払金がないのに100万円と届け出てもやはり50万円しか認められません。
また,どこまで争ってくるかわかりませんが,取引の分断や悪意の受益者などについても争ってくる可能性があります。もし,武富士側の認否に不満がある場合は,異議を述べ東京地裁に査定を申立て,そこで確定します。
↓
平成23年7~8月頃 更生計画案の提出
上記の手続がすべて終わると確定的な武富士の総債務がわかります。この金額を踏まえてどのように弁済するかの計画案を武富士側が裁判所へ提出します。したがって,このときに一番大事な弁済率が判明します。
↓
平成23年10月頃 更生計画案の投票
上記の計画案について賛成するか反対するか投票することになります。したがって,ご自宅もしくは弁護士・司法書士宛に更生計画案及び投票用紙が送付されてきます。
↓
平成23年11月頃 認可決定
原則として議決権総額の過半数が賛成し,裁判所が認可することによって更生計画案に沿った弁済がなされることになります。
↓
平成23年12月~平成24年初旬 過払金の弁済
武富士に対して届け出た弁済指定口座に送金されて終了となります。
となる予定です。ただし,債権届出の状況等により上記より大幅に遅れることも十分考えられます。
9月
28
2010
連絡が取れる限りの依頼者の方へ武富士の件で連絡したところ,その場でいくつかの質問がありましたので,今後のためにもその内容を記載いたします(もちろん,ご質問いただいた依頼者については直接回答済みです)。
1・会社更生法適用の申請って何?
文字通り,「会社」を「更生」するために申請するものです。会社が借金で首が回らない状況になったので,それを改善(更生)するために借金を大幅にカットして再建を図る手続です。
なお,破産と異なり清算するわけではありませんので,今後も会社は残り営業も続けていきますが,事実上,貸付はしていません。
2・会社更生法適用の申請が出されるとどうなるの?
過払金に限らず,武富士が負っている債務について弁済が一部(従業員の給料など)を除きストップされますので,判決や裁判上の和解,任意の和解の区別無くすべての過払金は更生手続の中で受け取ることになります。「判決を取っているから優先される」とか「まだ請求していないから全額カットされる」というようなことはありません。
11/1追記
→更生手続開始決定があり,平成23年2月28日までに債権届出を行わないと失権することとなりました。
3・どれくらい金額が返ってくるの?
これは武富士の財産状況,負債状況,スポンサーの問題等,様々な要因がありますので,一律いくらというのはまったくわかりませんが,過去のケースからすると多くても50%程度,低いと数%になってしまうと思います。ただ,潜在的な過払い債権者が200万人もいるとのことですので,10%程度返還されれば良い方ではないかと思います。
4・いつ返還されるの?
上記2に記載の通り,一時ストップされますので,約定の返還予定日には返還されません。今後は更生手続の中で受け取ることになりますが,現時点(9/27現在)では申請すらしていないので,これもいつになるのかわかりません。
なお,規模は全然違いますが,今年の初めに会社更生法の申請をしたJALについても全然まだですので,正直なところ見当もつきませんが,過去の例だと1年数ヶ月程度ではないかと思います。
5・過払いじゃなくて借金が残っているのですけど,どうすればいいですか?
武富士に対して借入が残っている場合は特に何の影響もありません。これまでどおりご返済ください。
なお,「これまでどおり」というのは双方に関してですので,借金が無くなる訳でもありませんし,逆にいきなり一括で返済を求められることもありません。
6・会社更生が終わったあとに,カットされた分を請求することはできますか?
会社更生によって決まった金額で確定しますので,その後に武富士が超優良企業になったとしても,カットされた分を請求することはできません。
7・他社への影響はありますか?
武富士が会社更生法の申請をしたということは武富士からの過払金の返還が見込めなくなりますので,他社(アコム,プロミスなど)については,「今の内に回収しておかないと」という心理から請求が多くなると思います。
また,武富士のように独立系だと同じような事態が考えられますので,返還額よりも時期を優先する(減額する分,早く返還してもらう)ということが考えられます。実際に,アイフルは多く減額すれば早く返還するという和解の打診をしているようです。
しかし,アコムやプロミス等の銀行系については,倒産のリスクが他社と比べると低いため,逆に時間をかけてでもしっかり回収する方向に進むのではないかと思います。
とすると,最悪の場合,銀行が業者を切り捨ててしまうと同じような事が起こると思われますので,いずれにしても,影響はありまくりだと思います。
8・先生(私)はこうなることを予想していましたか?
いつかこのような事態にはなるだろうと予想していましたが,次のヤマは来年の4月だと思っていましたので,このタイミングは予想外でした。また,武富士の従業員を含めて9月末のこの段階で会社更生の申請を予想していた人は武富士の上層部など一部の人を除き皆無だと思います。実際に,武富士の交渉をする部署からは,何食わぬ顔して(顔は見えませんが・・・),「○○さんの和解について稟議がおりました。」と通常通りの電話をしてきているようです。
また,質問及び情報が入り次第,追加や修正をしていきます。
9月
27
2010
本日話題持ちきりの武富士が会社更生法の申請について否定するプレスリリースを出しました。
→プレスリリース(PDF)
ただ,ほとんどの会社が否定した後に結局申請していますので,方向性は変わらないと思います。
<ウィルコムの例>
1/27→会社更生法の適用を申請か,との報道
1/27→ウィルコムは報道を否定→記事
2/18→会社更生法の適用を申請→プレスリリース
9月
27
2010
武富士同様,これまでにも会社更生や民事再生などの法的手続をとった会社がいくつかあります(もちろん下記以外にもありますが,主なものだけ記載しました)。
会社更生
ライフ(1回目)→約55%
アエル(1回目)→100%
ロプロ(日栄)→3%
民事再生
クレディア→40%
アエル(2回目)→5%
SFCG→破産へ
事業再生ADR
アイフル→希望は55%
ライフ(2回目)→希望は55%
(事業再生ADRはあくまで私的整理なので会社更生や民事再生のように法的な拘束力はありません)
上記からわかることは,会社更生をやった会社は高い確率で2回目もあるということですので,武富士が最後まで会社更生のまま手続が進んでいくかどうかはわからないという点です。
次に,上記のとおり,ほとんどの場合に全額返還されず何割かカットされているということです。特に,クレディア以降,過払金の返還ができずに破綻するケースが多くなっていますので,過払金だけカットされなかった(弁済率100%)というアエルのようなことはならないと思います。
最後に請求期間に問題があります。
通常,過払金が消滅時効にかかるのは10年ですが,会社更生手続によると請求期間が長くても数ヶ月になり,その間に請求しないと失権してしまいます。とすると,現在請求していない方の過払金については10年経つ前に消えてしまいます。
すでに当事務所でご依頼いただいている方には無関係な話しですが,まだ請求されていない方はカットされるとはいえ返還されますので,早急に動かれた方が良いと思います。
今後も追加情報があり次第,随時記載していきます。
9月
27
2010
とのことです。
→記事
まだ,申請したわけではないので,今後について確定的なことはわかりませんが,過払金については和解しているものも含めて大幅にカットされてしまいます。
ただし,現在借入が残っているものについて支払い義務がなくなるわけではありません。
したがって,武富士への返済がなくなると勘違いして返済をストップすると延滞扱いとなって請求がきてしまいますので,これまでどおり継続して返済していくことになります。
また,続報が入りましたら随時更新していきたいと思います。
9月
21
2010
ニュースソースが1つしかないので詳しいことはわからないのですが,過払い請求が大幅に減っているそうです。
→記事
ただ,記事がいうところの「利息返還請求件数」というのは,①返還をした件数なのか,②過払金返還請求を受けた総数なのか,③過払い訴訟のみの件数なのかわかりません。
「利息返還請求数」となっていますので,おそらく①ということはないと思いますが,仮に①であれば何の意味もない数字です。というのは,ほとんどの業者で返還時期が遅くなってきており,半年後,1年後というのも珍しくありません。であれば,目先の返還件数が減るのは当然であり,一時的に返還を先延ばしたに過ぎません。いわゆる自転車操業状態です。
また,仮に②であれば消費者金融業界にとっては良いことかもしれませんが,これもまた驚くべき話しではなく当然の話です。平成18年以降,多くの業者は利息制限法所定金利に下げましたので,それ以降過払いは発生しません。また,過払金は10年で時効になってしまいますので,減っていくのは自然の流れです。それをもって値上がり率がトップになるほど株価が上がるというのもよく分かりません。
さらに,仮に③であればそもそも特段良い情報とは思えません。
というのは,昨年より大手の業者は訴訟提起前に解決しようとこれまでよりも和解の打診をしてくるようになっており,また,訴訟になっても無駄に争ってくることで返還までの時期を少しでも遅くしようと時間稼ぎをするようになりましたので,多くの弁護士,司法書士が訴訟を避けて任意で和解しているものと思われるからです。
当事務所でも,消費者金融の状況を説明し,金額よりも時間を優先されるという場合は訴訟をせずに訴訟提起前に和解で解決することもあります(それでもほとんどが訴訟になっていますが・・・)。
したがって,利息返還請求数というのが訴訟の件数であれば,訴訟が減った分,任意での返還件数が増えていますのでそれはあまり良い情報では無いと思います。
ただ,いずれにしても大手と呼ばれる業者が潰れてしまうのは困るので株価が上がるのは良いことです。できれば株価同様,これまで下がってきた和解提示額も上げていただければ訴訟しなくても済むんですが・・・。
9/27追記
という記事を書いたらいきなり武富士が破綻してしまいました。この時に武富士の株を買ってしまった人は残念ですが紙くず(今は紙ではありませんけど)になってしまいましたね・・・。
9月
18
2010
最近は利息どころか過払金の元金すら返還できない業者が多くなってきているので,ほとんどの業者ではあまり関係ないのですが,今,一番ホットな争点は悪意の受益者(利息)の点だと思います。
これまでにも何度か記載していると思いますが利息が付く根拠について再度確認します。
まず,払いすぎたお金があるのであれば,これは当然返してもらえます(民法703条)。
ところが,払いすぎているということを知っていたにも関わらずそれを受け取っていたような場合,それだけでは不公平だということで払いすぎたお金に5%を付加して支払うことになっています(民法704条,404条)。
したがって,利息が付くのはあくまで例外ですので,本来は過払金を返してもらう側が「相手の業者は払いすぎていることを知っていた」ということを立証しなければなりません。
ところが,最高裁はその原則をひっくり返して,「業者側が知らなかったことを立証しなければ知っていたと推定する」とし,業者側が立証しなければ自動的に利息が付くこととなりました。
→判例
→判決全文(PDF)
そして,業者側が「知らなかった」ということを立証するのは極めて難しく,また立証するためには膨大な労力を使うことになるため,「知らなかった」ということを立証する業者は多くありませんでした。
しかし,時は流れ大手と呼ばれる業者もかなり業績が悪化しており,利息どころか元金の支払いすら難しい業者が多くなりました。ですので,膨大な労力を使ってでも利息を付加しないような判決が出るよう争ってくるようになり,とある業者は過去の契約書等数百ページにも渡るような証拠を出してくるようになりました。
そして,いくつかの裁判所で業者の主張を認める判決が出るようになり,最高裁に次ぐくらい影響力のある東京高裁まで平成22年1月15日にプロミスの主張を認める判決も出されており,いっそう業者は争ってくるようになりました(なお,東京高裁は平成22年2月4日にプロミスの主張を認めないというまったく逆に判決も出しています)。
となると,当然ながら裁判の期日を何度も重ねることになりますので,返還までの時間もそれだけ遅くなります。
実際に,当事務所でガチンコで悪意の受益者について戦った裁判が今週結審しましたが,その裁判は今年の3月に提訴していますので,半年以上裁判の期間がかかっております。さらに控訴されてしまうと解決まで1年掛かりというのも十分あり得る話しです。
ということで,タイトルに戻るんですが,以上の事情を踏まえた上で,
①利息があまり付かない場合は,費用対効果を考えて利息を請求しないということがあります。
②上記の通り,利息を求めるとかなり時間がかかりますので,他社への返済がある場合など個々の事情によっては利息を請求しないということがあります。
なお,利息を請求しない場合は,ちゃんと依頼者に説明のうえ依頼者自身にご判断いただきますので,私が勝手に請求しないということはありません。
ただ,無条件にすべての案件で利息を請求するという訳でもありませんので,その点だけご承知おきください。
以上,利息についてのお話しでした。
9月
04
2010
近年,過払金返還請求訴訟が激増しており,名古屋簡裁では,全事件の半分近くが過払い訴訟になっているそうです。そこで,名古屋簡裁では9月より,訴訟(弁論)と並行して調停に付したうえで解決を図ることになりました(ちなみに,一宮簡裁や春日井簡裁ではかなり前から調停による運用がなされています)。
これは,一応通常の訴訟も係属しているんですが,その前に一度法廷では無いところでじっくり話し合いをしてみましょうというものです。これまでも,通常の訴訟手続の中で司法委員を交えて和解交渉をすることがあったんですが,いかんせん長くても10分程度でした。それに対し,調停の場合は1時間程度時間が取ってあったりするので,双方じっくり話しをして和解に向けて進んでいくため和解できる可能性が高くなります。
実は,昨日も調停の期日があったんですが,9時40分くらいに裁判所に着いて,終わったのが10時50分くらいでした。
また,調停は通常は調停委員が2名間に入って和解交渉を進めて行きますので,当初から和解できる事件について裁判官がほとんどタッチしないことによって裁判官の負担が軽減され,その分,和解では解決できない事件の処理も速くなりますので,原告にも裁判所にもメリットがある手続となります。
ただ,初回の期日で和解が期待できる業者(アコム,プロミス,レイクなど)であれば弁論だろうが調停だろうがどちらでも良いのですが,ほとんど和解が期待できない業者(武富士,クレディア(フロックス)など)は,調停の分の1期日を無駄にするだけなので,むしろ時間稼ぎをしたい業者の思惑通りになってしまいます。
そこで,名古屋簡裁では,提訴の時点で調停に付すことについて異議があるか無いかを記載するようになっています。こうすることによって,原告が主導権をもって調停で解決できる事件と通常の訴訟によって解決できる事件に振り分けることができ,より適切な手続を選ぶことができます。
ただし,訴訟上の解決が出来たとしても,実際に返還されるまでの期間はどんどん長くなっています。2~3年程度前は,早ければその月に,遅くとも2か月程度先には返還されていましたが,現在は半年後というのはザラですし,中には1年以上先の返還になる業者も出てきています。
ということは,裁判手続が早く終わろうとも,結局は業者の体力次第ということになりますので,やはり,過払い請求をお考えの方は早めに手続をされた方が賢明だと思います。
8月
26
2010
奨学金の回収のための訴訟が急増しているそうです。
→ニュース
私も大学3,4年生のときに月々8万円の奨学金を借りました。それまでは私はアルバイトで生計を立てていたんですが,3年生のときに司法書士試験の勉強を始めたのでアルバイトは土日だけとなり生活できなくなったので奨学金を借りて生活していました。
その後,卒業後から返済が始まり,確か毎月1万2000円くらいだったかと思います。
正直なところ,普通に働いていれば毎月1万円ちょっとの金額が返済できなくなるということは無いと思います。ところが,昨今の不況によってなかなか返済ができない状況の方が多くなり,このような事態になったと思われます。
ところで,債務整理等のご相談に来られる場合,借入先の情報を相談票に記載していただくのですが,かなり多くの方が奨学金(日本学生支援機構)を記載されません。
その理由を伺うと,どうも借金をしているという認識が無い,もしくは薄いようです。
奨学金も2種類あり,利息が付くタイプだと「借金」という認識が比較的強いと思いますが,無利息の場合はその意識が薄くなる傾向にあると思われます。
さて,その奨学金についてですが,2年前より信用情報機関に加盟しておりますので,いわゆる「ブラック」が関係していきます。
→プレスリリース
つまり,銀行等の教育ローンと同様に,延滞等をするとその情報が登録されることとなりますので,奨学金の返済を怠ると,クレジットカードが作れないとか,自動車ローンや住宅ローンが組めなくなる可能性が出てきます。
そして,一番やっかいなのは,奨学金を借りる際に保証人を2人取っていることが通常であるため,自己破産,個人再生をすると,第三者(保証人)への影響が大きいということです。
保証人2人のうち,1人はご自身の両親だったりしますが,もう1人は生計を別にする方である必要があるため,通常は親戚のおじさん,おばさんが保証人になるケースが多いと思います。とすると,仮に借主が自己破産や個人再生をしたとしても,保証人もその責任が無くなるわけではありませんので,保証人である親戚の方に請求が行ってしまいます。
この点を考慮すれば,そこまでの保証人を取らない銀行等の教育ローンよりもかなりキツイということになります。
さらに,上記のニュースにあるように訴訟をかなりしているそうですので,今後は,保証人に対する訴訟も増えていくかもしれません。
なお,日本学生支援機構も鬼ではありませんので,ニュースにあるとおり,不況による収入減等の理由の場合は,相談することで返済期間を延長したり,場合によっては一部免除を受けられることもあります。
→返還期限の猶予について
奨学金だからといって甘く見るとかなり痛い目にあいますので,いきなり支払いを止めるのではなく,まずは日本学生支援機構へご相談ください。
以上,奨学金のお話しでした。
8月
25
2010
※極めて個人的見解に基づく記事ですので,全部が全部正しいとは限りません。あくまで一個人の意見としてお読みください。
さて,同じような記事を何度も書いた覚えがありますが,また住宅ローン破綻による競売増加の記事が出ていました。
→ニュース
記事の内容では,52歳で消費者金融への借金が200万円あったにも関わらず,不動産会社からお金を借りて完済し住宅ローンを組んだが,その後の事情で返せなくなり銀行に相談すると,「70歳過ぎまで払い続けるのは無理ですよ」といわれ競売になったそうです。
不動産会社の営業マンは売ってナンボの商売です。ウソにならない程度に都合の良いことを言い,誉めておだてるでしょう。だって,購入者が住宅ローンを返せなくなったとしても,不動産会社は一括でお金をもらっていますのでまったく腹は痛みません。頭金があろうがなかろうが,購入者が「借りられる」状況にあればその後に「返済できるか」なんかどうだっていいんです。
事務所の近くにあるアピタに昼食などを買いにいくと,フリーペーパーがたくさん置いてあり,不動産に関するものもたくさんあります。それを取ってみると,
「頭金無しで,今お住まいの家賃より低い返済額になるので買った方が絶対トク!」
みたいな宣伝文句が書かれています。
言葉が過ぎるかもしれませんが,私の中ではもう詐欺に近いとすら思っています。
その広告をよーーーーーく見てください。小さく,
「1年固定で当初1年を年利1%で支払った場合」
とか書いてありますから。
仮に上記の例の場合,確かに当初1年は1%の固定金利なので,住宅ローンの支払いは少なくなるかもしれませんが,あくまで当初の1年だけですよ。それ以降は今後の金利状況によって大きく変動します。給与口座の指定等によってある程度の優遇はあるかもしれませんが,少なくとも翌年以降も年利1%なんてことはあり得ないでしょう。
さらにいうと,家を買うということは今後家に関して発生する費用もすべて自己負担になるということです。
例えば,賃貸の場合共用部分の電球が切れたとしても大家さん負担で変えてもらえますが,戸建ての場合は当然自己負担ですし,マンションの場合は管理費という名目で支払っています。
さらに,毎年の固定資産税だって発生しますし,戸建てにしてもマンションにしても大規模修繕は避けて通れません。
ですので,確かに住宅ローンの返済自体は現在の家賃より低くなるかもしれませんが,いろんなものを合わせると,実際には家賃より低くなんかなりません。
また,賃貸なら給料が下がったときに家賃の低いところに転居したり,実家がある人であればとりあえず実家に住まわせてもらうなど方法がありますが,住宅ローンを組んで家を買ってしまった以上,そこに住み続けて住宅ローンを支払うしかないという極めて大きなリスクを伴います。そして,その支払いができなくなったときには,かなり高い確率で上記のニュースのように任意売却もしくは競売,そして最終的には自己破産に至るしかないでしょう。
前も書きましたが,私はできれば半分,少なくとも3割以上の頭金が入れられないのであれば住宅ローンを組んでまで家を買うことは相当なギャンブルだと思っています。とすれば生活ギリギリなのに頭金ゼロで住宅ローンなんていうのは競馬で言えば8頭立ての三連単1点買いで大当たり,パチンコ・パチスロで言えば最初の1回転で大当たり,とかいうレベルだと思います。しかもはずせば,ほぼ高い確率で自己破産。
そんなに人生ギャンブルしなくてもいいじゃないですか。賃貸だっていいじゃないですか。
ということで,住宅ローンを組んで家を買う際は,住宅ローンを「借りられるか」ではなく「今後もずっと返済できるか」を最重要視して計画を立ててください。