6月
18
2010
本日,改正貸金業法等の関連法律が施行されました。これにより,グレーゾーン金利は完全に無くなったことになります。
さて,そのグレーゾーン金利が生み出した過払金の請求について裁判官が苦言を呈する事態が起こっているそうです。
→記事
端的に言うと,①大手業者が過払金について悪意であるわけない(当然みなし弁済の要件を満たしているものと認識していた)。②裁判所が,国民の代表者が作った法律を死文化するのは司法の横暴ではないか,という内容だと思います。
①については,「被告(消費者金融)のような大手が要件を順守してみなし弁済の適用を目指したのは当然」というのは理解できる部分もあります。最初から違法だとわかっていてここまで大規模な事業展開はしないでしょう。ただし,あくまでみなし弁済は利息制限法の重大な例外であって,結果としてその例外に当てはまらないような経営をしていた消費者金融にも当然責任はあります。だからこそ,平成21年7月10日判決はバランスの取れた素晴らしい判決だと私は思います(この判決を批判する人も多いですけど・・・)。
②については,賛同できません。
いくら国民の代表者が作った法律といえども,世間の実情に合わないのであれば,それを適用しないような判決を出すこともある意味では裁判所の責務ではないかと思います。まさに本日施行された改正貸金業法は,これまでのグレーゾーン金利について事実上否定するような判決を出したからこそ国会が動いたのであり,裁判所の役割は大きかったと思います。
最初に戻りますが,本日より改正貸金業法が施行されました。これにより,間違いなくヤミ金が増えます。したがって,国には単にお金を貸すこと自体を制限するだけでなく,借りる必要が無いような日本経済にしていただければと思います。
6月
15
2010
最近のブログ記事がお知らせばかりで申し訳ございません・・・。
さて,6/15は朝から夕方まで裁判が目白押しであるため,朝一に事務所でメールの確認をした以降は,一日事務所に戻ってきません。
ですので,6/15にいただいたメール及びお電話によるお問い合わせについては,6/16に回答させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが,何卒ご理解のほどお願いします。
以上,お知らせでした。
6月
14
2010
ショッピング枠の現金化が注目されているそうです。もちろん悪い意味で・・・。
→記事
この記事には書かれていませんが,改正貸金業法では,クレジットカードのうち,キャッシングについては規制の対象となりますが,ショッピング枠については対象となりません(→ブログ記事(3②参照))
なので,主婦の方など,改正によって借入ができない方もショッピング枠の現金化によって現金を手に入れることができます。
もちろん,返済ができれば良いのですが,通常は主婦の方には収入がありませんので,ご主人さんに立て替えてもらって返済するしかありませんし,それが難しい場合は自己破産をするしかありません。
ところが!
ショッピング枠の現金化によって自己破産できない場合があります。
→5年程度前のブログ記事
キャッシングと違い,ショッピング枠の現金化は何となく安全な感じがしますし,金利も得な感じがします。しかし,キャッシュバック自体に凄い金利がかかっていますし,クレジット会社へ支払う手数料(金利)も約14%とキャッシングの場合とほとんどかわりません。
甘い謳い文句の広告に騙されてしまうと,今後が大変なことになってしまう可能性もありますし,まったく得でもありませんので,ショッピング枠の現金化はしないようにしてください。
6月
08
2010
6/9は午前中は裁判所に行っており,午後は事務所に戻りませんので,明日1日事務所におりません。
したがって,明日いただいたお問い合わせのお電話及びメールについては6/10の午前中に回答させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが,宜しくお願いいたします。
以上,お知らせでした。
5月
31
2010
貸金業法の改正が平成22年6月18日に完全施行されます。当たり障りの無い内容ですが,一応記載しておいた方が良いと思いますので今後取引をされるに当たって大事だと思われるところを抜粋して変更点を記載したいと思います。
1・上限金利が20%になりました。
改正前は29.2%を超える金利については刑事罰の対象となっていましたが,利息制限法の上限金利は20%だったため,20%~29.2%の金利は「民事上無効だけど刑事罰は無い」という微妙な状況でした(これがいわゆるグレーゾーン金利です)。
それを同じ利率にし,20%を超える金利についても刑事罰の対象となりました。
また,消費者金融等の業者と取引をしている場合,遅延損害金も20%が上限となっています。
2・改正前の貸付について
改正前の貸付については,経過措置としてみなし弁済の適用がありますので,改正後に20%超の利息を受領したとしても,直ちに民事上無効になるわけではありません(もっとも,無効になる場合が圧倒的多数だと思いますが)。
ただし,この辺りは契約締結日や貸付日などによって細かく分かれるため,個別事情についてはお近くの弁護士,司法書士にご相談された方が良いと思います。
3・総量規制について
たくさん報道されているのでご存じの方も多いと思いますが,改めて説明します。
消費者金融や信販会社(クレジットカード)からの借入について,借入の上限額が決められています。これは,年収の3分の1です。したがって,原則としていわゆる専業主婦の方はご自身に収入が無いため,借入をすることはできません(ただし,配偶者(夫)の同意書などがあれば,夫の年収の3分の1までは借入可能な場合もあります)。
また,あくまで消費者金融等の借入のみの話しですので,次のものは除外されます。
①銀行からの借り入れ
②クレジットカードのショッピング部分
③住宅ローン及び自動車ローン
4・超過部分について
上記の通り年収の3分の1までしか借入をすることはできませんが,すでに借入をされている場合はどうなるのでしょうか。
まず,改正後は3分の1を超えている場合,今後は新規に借入をすることはできません。
次に,返済については,3分の1を超えているからといって,一括で返済しなければならないものでもありません。ただし,返済が遅れてしまった場合は,当然一括返済の請求を受けることはあると思います。
もちろん,借入をしないのが一番良いとは思いますが,もし,借入をされる際には,上記のような制限があることを踏まえた上で借入についてのお考えいただければと思います。
5月
25
2010
特定調停にて話し合いがまとまった場合,「調停調書」というものが作成されます。
調停調書には,借金の返済について「総額いくらを,いつからいつまで,どのように返済する」という条項が記載されており,最後には「本調停調書に定めるほか,債権債務が無いことを相互に確認する」という条項が記載されるのが通常です。この最後の条項を「清算条項」と呼び,調停調書に記載されていないことについては互いに何も無いですよ,ということを規定しておくことで後日の紛争を防止する意味があります。
さて,この清算条項ですが,借金が残る場合は「債権債務無し」という条項が記載されますが,特定調停を行ったが実は借金が無くなっており過払いだったという場合,最近(とは言っても数年前から)は「債権債務無し」ではなく「債務無し」という条項が入ることになっています。これは,もし「債権債務無し」としてしまうと,特定調停のあとに過払い請求をしようにも,債権が無い,つまり過払金返還請求権が無いということを確認したことになってしまうので,過払い請求ができなくなってしまいます。
ですので,最近は過払い状態にある場合は,「債権債務無し」ではなく「債務無し」という清算条項をつけることになっています。
ところが,一昔前は,裁判所も過払いについての対応が柔軟ではなかったようで,過払いがある場合にも「債権債務無し」という清算条項になっているのが一般的でした。そして,調停調書は確定判決と同じくらい強力な書面(民事調停法16条・民事訴訟法267条)であるためこの効力を否定するのはかなり難しいのが実情です(確定判決を覆すには再審によらなければなりませんし,調停に至ってはその成立を覆す規定すらありません)。
なので,債権債務無しとなっている場合は,残念ながら過払い請求ができない場合が多いと思います。
ちなみに,シティズというアイフルグループの会社は自社でとった判決のデータベースをホームページ上で公開しており,そこにも敗訴判決(シティズ勝訴判決)が出てきます。
と,前フリが長くなったのですが,先日当事務所で調停調書に債権債務無しとなっているにも関わらず「調停は錯誤により無効(民法95条)である」として,過払金の返還を認めた判決を取りました。
→判決(PDF)
なお,判決の主文では一部棄却となっておりますが,これはうるう年の計算で15円の誤差が出たためであり,実質的には完全勝訴です。
まだ,確定しているわけではないので今後控訴される可能性も十分ありますが,同じ問題で争っている方の一助になれば幸いです。
※6/7追記
被告より連絡があり,判決内容に沿った支払いをするとのことで控訴されず確定となりました。
5月
24
2010
本日は14時より外出してから事務所に戻らないため,それまでにいただいたメールやお電話については明日以降回答させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが,宜しくお願いいたします。
以上,お知らせでした。
5月
20
2010
過払金の返還時期についてご質問をいただくことが多いので,返還時期について2点記載いたします。
<業者から返還される時期>
これはもう年々というか日々遅くなっている傾向にあります。
一昔前は,早ければ和解した翌月にも返還されておりましたが,現在は翌月に返還されるという業者は極めて少なくなってしまいました。そして,その翌月とかに返還される業者も大幅に減額をしなければ返還しないような業者なので,ある意味,まともに早期に返還される業者は無くなったと思います。
では,返還されるまでどれくらいかと言うと大手業者の返還までの平均期間はおそらく4~6ヶ月後になると思います。
ですので,例えば1月にご依頼を受け,3月に返還の合意ができたとしても,実際に返還されるのは9月とかになったりします。むしろ,この「3月に合意」という部分も訴訟までいけばこれが5月や6月になることもあります。とすると,実際には1年かかることもあります。
しかも,この1年というのも極端な話しではなく,業者によっては「2年後に一括」とか「3年分割」でとかとても待てない提案をしてくることもあります(当事務所ではそこまで長期間の和解はしたことがありません)。
それくらい,業者の状況が悪いということですね・・・。
なお,上記はあくまで和解をした場合ですので,訴訟をして判決まで行けば強制執行をすることで回収できることもあります。
ただ,強制執行をしても回収できない(会社自体にお金がない)業者については判決を取得しても回収自体が厳しいですし,強制執行をすれば確実回収できるような業者は,逆に訴訟自体の引き延ばし作戦や判決に対して控訴することで時間をかけてきますので,結果的にはあまり変わらないかもしれません。
ということで,どちらにしてもかなり時間がかかります。
<当事務所に返還された過払金を依頼者に返還する時期>
上記の通り,やっとの思いで返還された過払金を依頼者に返還する際のお話しです。
これは各事務所によって異なると思いますが,当事務所は基本的には返還されたら返還されたその日,遅くとも翌営業日までにはお返しします。
というのは,依頼者としては当然すぐでも返還してほしいと思っていると考えているからです。まぁ,当事務所としても人様の大切なお金を持っていたくないというのもありますけどね(笑)
あと細かいですけど,お返しする際の振込手数料は当事務所が負担します。「返還する際には,振込手数料を差し引いてお返しします」などといったことはしません。
なお,上記に「基本的に」と記載したとおり,業者から返還されても依頼者の方に返還しない場合もあります。それは,当事務所の費用をいただく場合や他社への返済に充てることが決まっている場合です。
例えば,A社から返還された30万円の過払金で,借金の残るB社に対する30万円の返済をする場合には,当事務所から直接B社へ送金して返済しますので,30万円を依頼者にお返しすることはありません。もちろん,依頼者に30万円を返還して依頼者からB社に返済していただいても同じことなんですけど,振込手数料が二重にかかりますし依頼者に銀行に行っていただく手間がかかるなど,どう考えても無駄なので当事務所から直接返済するようにしています。
という,今日は事務的な記事でした。
5月
19
2010
今朝,以前に個人再生の手続をお手伝いさせていただいた方からご連絡いただきました。
「無事,すべての支払いが終わりました。」
との連絡でした。
何ともうれしい限りで,今後は借金のことを気にすることなくお仕事に励んでいかれることと思います。
と,良いお話しなのですが,実は個人再生の完走率はあまり高くないらしいです。
私が数年前に再生委員の先生に聞いた話なので現在の数字はわからないのですが,その当時は確か7割程度だったと思います。ただ,そのお話を聞いた後に,いわゆるリーマンショックがやってきましたので,今はもしかしたらもっと低いかもしれません。
個人再生は,最大で借金が1/5になり場合によっては住宅を残すことができ,さらには自己破産のような免責不許可事由が定められておりませんので,自己破産よりも個人再生を希望される方が多いように思います。
しかし,個人再生は原則として3年間にわたり返済を継続しなければならないため,その後に上記のリーマンショックのような事件が無くても,収入の大幅な減少があれば一気に破綻してしまう可能性を秘めています。
もし,途中で破綻してしまい最後まで完走できない場合は,ハードシップ免責や再生計画案の変更など一応の救済手続はありますが,実際には自己破産になってしまう可能性が高いと思います。
「借金の大幅な減額」や「住宅を残せる」等の耳障りの良いフレーズが並べられておりますが,個人再生は甘くは無いんです。
また,申立にも苦労をします。
個人再生の申立をする場合,破産と異なり,将来支払を継続していく手続ですので,返済に回せるだけの家計の状況が必要です。ところが,家計簿をつけていただくと伺っていた状況とは異なり全然支払いに余裕がないことも多分にあります。また,中にはお願いしていた書類の作成をまったく行っていただけない方もいらっしゃいます。
ですので,当事務所の感覚としては,当初個人再生を進めるということでご依頼をお受けしても,実際に個人再生の申立に至るのは6割から8割程度ではないかと思います。残りの2割~4割の方は途中でご連絡取れなくなってしまっているか,自己破産に変更している場合がほとんどです。
ということで,自己破産と異なり個人再生は申立までのハードルが高く,また,「手続が終わればハイ終わり。」という手続ではありませんので,もし個人再生をお考えの方は,将来においてちゃんと支払が継続できるかを十分検討された上で手続を始められた方が良いと思います。もちろん,弁護士や司法書士にご依頼されればその点は弁護士や司法書士も一緒になって考えてくれると思いますけどね。
5月
12
2010
元貸金業者が過払い金返還めぐり国家賠償請求
→記事
ちょっと前の記事になってしまいますが,元消費者金融が「国が定める基準を守ったのに過払い請求を受けたのは国のせいだ!!」として国家賠償請求をしたそうです。
とりあえず,「守ってないでしょ(´ー`)」と言ってあげたいと思いますが,大手の業者からしたら確かにそうかもしれません。大手の業者は法律や規則などが変更される度にそれに沿うように書面を変更していたところ,平成18年に「任意性がないからみなし弁済は認められない」というナナメの方向からの最高裁判決が出たわけで,私が消費者金融の立場だったらたまらないと思います。
また,先日もご相談に来られた方の素朴な疑問という形でご質問いただいたのですが,過払金について利息が付くのが当たり前のようになっていますが,この利息が付くという根拠は「過払金があることを知っていたのであれば利息を付けて返しなさい」という民法704条の規定に基づくものです。
ただ,業者としては,法律に沿うように書面を作っていたわけですから,過払金があるとは知らなかったというのもある意味では頷けるものだと思います。
まぁ,そうは言っても私は利息も含めて請求しますけどね。